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第二話

Last-modified: 2011-12-18 (日) 20:50:06

  第二話

 
 「宇宙戦艦・・・ヤマト?なんだその艦は!」

 クルーゼが少々いらいらした声でヤマトに問いかける。
 彼はアークエンジェルの目の前で先遣艦隊を倒しきれないのが不満なのだ。

 「名前の通りだ。」

 と相手・・・古代進は言った。

 「・・・ふん。20世紀に太平洋戦争で沈んだ大和か!」

 クルーゼが見事当てて見せると古代は少し驚いた。

 「大正解だ。」

 「ふん。・・・日本の艦なのだから・・・ユーラシア連邦か。」

 クルーゼが聞く。
 これは古代にとって痛い質問だった。異世界から来た、と言っても笑われるだけだろうし、
 かといってちんぷんかんぷんなユーラシアとは答えられない。
 
 「・・・答える必要はない。」

 クルーゼは相手の所属がわからなくてちょっと腹を立てた。
 そして、相手の出した「戦闘の中止」を蹴ってやろうか、と考えた。
 しかし、それは自らの死に直結し、自分の野望を果たせないで一生を終えることになる。

 「・・・あと30秒以内に返答しないと貴艦を撃沈する。」

 痺れを切らしたのか、古代はせかした。

 「クルーゼ隊長!」

 ふいにイザーク・ジュールからの通信が入った。

 「あんな戦艦どうということはありません!ゼルマン艦長の仇です!そんな提案に乗る必要はありません!」

 クルーゼは少し思案した。
 ちなみにゼルマン艦長とは先ほど撃沈されたガモフの艦長だ。
 話を戻す。
 そして、クルーゼはガモフが撃沈されたときのことを思い出して身震いした。

 「・・・・・・わかった。その提案、受け入れよう。」

 「隊長!しかし!」

 「少し黙っていろ。」

 イザークが異議を申立てようとしたが、クルーゼは黙らせた。

 「賢明な判断、感謝する。」

 そして、古代は通信を切った。

 

 
 アークエンジェル 艦橋

 「すげぇ・・・。」

 そこではブリッジ要員がぽかーんとザフトが撤退するのを見ていた。

 (ローラシア級を一撃で撃沈したうえに、相手を撤退させるだと・・・!)

 ナタルは感動していた。
 あの艦を連合側に引き入れてしまえば、ザフトに勝てる・・・!
 そんな確信めいた推測は当たっていた。
 副砲一発であの威力なのだ。
 ならば主砲を打てばザフトの戦艦など紙のようなものだ。
 そして、ナタルは知らないが、ヤマトには波動砲もある。
 波動砲の威力ならば、プラントを全部粉砕することも容易だ。
 (これは確実にひきいれなければ・・・!)

 

 一時間後
 ヤマトとアークエンジェルはドレイク級護衛艦一隻、ネルソン級宇宙戦艦一隻を引き連れ、
 第八艦隊と合流すべく地球へ向かっていた。
 ヤマトの大推力ならば二分で行けるのだが、アークエンジェルたちを放っておくわけにもいかず、
 補助エンジンのみの推力(それも弱め)で地球に向かっていた。

 「徳川機関長。」

 そう呼ばれたヤマトの機関長・・・徳川彦左衛門は顔を上げた。

 「波動エンジンの点検は終わりました?」

 古代が聞く。
 
 「あぁ、良好だよ。それに、部品がなくなったら取りに行けばええしな。」

 「そうですね。」

 そう、ここが異世界なら、もうとり尽くした火星などの物資もまだあるのだ。
 そこへアークエンジェルから通信が入る。

 「艦長、あと10分ほどで第八艦隊と合流するそうです。」

 「わかった。」

 ついにハルバートン提督との出会いが近づいていた。

 

 第八艦隊 旗艦 アガメムノン級戦艦 メネラオス

 「ふむ・・・。」

 ハルバートンは突然現れたという超大型戦艦「ヤマト」の報告書を見ていた。
 異世界から来たと自称する艦長・古代進。
 驚異的な推進力。
 規格外の大きさ。
 恐ろしいほどの主兵装の威力。
 ワープシステム。
 謎の艦首の穴。
 水上艦のようなフォルム。
 どれも連合・ザフトにはないもの。

 「これは・・・味方にしたら心強い。」

 そしてハルバートンは地球連合軍の新型MS
 ストライク、イージス、ブリッツ、バスター、デュエルのことも忘れ、
 ヤマトを味方に引き入れるため、頭をフル回転させた。

 

 ヴェサリウス 艦橋

 「クルーゼ隊長・・・!」
 
 ヴェサリウスでは、イザークがクルーゼにつっかかっていた。

 「なぜあそこであのような要求を受け入れたのですか!」

 「俺も同感です。」

 アスランも賛同する。

 (ちっ!凸が・・・貴様はお友達を説得したかっただけだろうが)

 「ふ・・・。イザークよ、ガモフが撃沈されたとき、あの戦艦がどの砲を使っていたかわかるか?」

 「そ・・・それは・・・。」

 「やつらは副砲を使ったのだよ。」

 「「「「なっ・・・・!」」」」

 赤服四人衆が絶句する。

 「あの時、もし要求を蹴っていたら、我々はここにいなかっただろう。君たちもバッテリーが切れ、足つきの
 捕虜になっていただろう。」

 「くっ・・・・!」

 正論を言われ、押し黙るイザーク。
 ほかのアスラン・ザラ、ニコル・アマルフィ、ディアッカ・エルスマンは口をぱくぱくさせている。
 最後に、クルーゼは四人を慰めるようにいった。

 「それほどあの艦は驚異だということだ。」

 しかし、それは慰めにもなっていなかった。

 

 アークエンジェル ブリッジ

 「なぁ。」

 ムウ・ラ・フラガはつとめて明るく言った。

 「ピンクのラクス・クラインはどうすんだ?」

 「あ・・・・。」

 マリューは固まった。

 「あの時返せばよかった。」

 そして、このことは、ヤマト艦載のコスモタイガーの加藤が、クルーゼ隊に送り届けることになり、
 無事に引き渡された。

 (クルーゼがコスモタイガーを撃ち落とそうとしてきたらしいが、あまりの速さに追いつけなかったらしい)

 

 それから5分後

 「第八艦隊だ!」

 アークエンジェル一行は第八艦隊と合流した。

 

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