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第05話〜危険地帯へ!〜

Last-modified: 2011-12-05 (月) 11:14:58

さすがオノゴロ島。なかなか良いのが見つかった。
それで、あーして……こーして……
で、出来上がったゲームでマユちゃん大ハシャギ。
「ちょっ!……えっ!……うっ!……あれぇ~?」
「う~ん、少しモーションが変かな? ちょっと待ってね……」
そう言いながら横にあるキーボートを操作して不具合調整。
「……ねえ、お兄ちゃん……何でこんな事出来るようになったの?」
「え?……そ、それは……」
「それは?…………」
じーっと僕を見つめるマユちゃん。
ちなみにマユちゃんは今、僕の膝の上に座ってる。
その体勢で後ろを振り返って僕を見つめる……可愛い♪
いや、そうじゃなくて! 
ど、どうやって誤魔化そう?……え~と、え~と……
「マユへの愛の力だよ」
なに言ってるんだ! 僕はロリコンじゃ無い! 
ちゃ、ちゃんとした言い訳……あれ?
「…………………」
なんかマユちゃん、顔を真っ赤にして俯いちゃった……なんだよ。この萌えっ子! 
僕の理性にケンカを売ってるな! 負けないからね! 
僕はノーマルなんだから! シンとは違うんだ!
「え、え~と、続き出来るよ」
「う、うん……」
そう言ってゲームを再開。なんとか気まずい雰囲気を脱した。
そして、マユちゃんもゲームに集中。
「んっ!……だめぇっ!……いやぁん!」
「………………!」
ね、ねえマユちゃん……君ってゲームをする時、身体も動くタイプだったんだね。
その、君が動くとさ、君のお尻で僕のが擦られるんだけど……これって反則じゃ?

ま、負けるもんかぁぁぁぁぁ!

第5話~~危険地帯へ!

なるほどね……フラガがあんな事言うからなんだろって思ってたけど……
俺は溜息を吐いていた。
どうもユーラシア軍としてはコイツに興味があるらしい。
それにしてもフレイがあんな女だったなんて……
フレイといいラクスといい、女運が無い人だな。キラさん。
「OSのロックを外せばいいんですか?」
こうして俺はフレイに売られて、ストライクの元へ……
まあ、あの状況じゃ仕方ない気もするけど気分は良くないな。
「まずはな。だが君にはもっといろいろなことができるのだろ?」
なんだ? 抽象的すぎて分からないっての。
「何がです?」
「例えば…こいつの構造を解析し、同じものを造るとか…逆にこういったモビルスーツに対して有効な
 兵器を造るとかね」
は?……コイツ頭おかしいのか? 
そんな事が出来たら、ソイツは超一流の科学者として本国でチヤホヤされてるっての。
「俺はただの民間人で学生です。軍人でもなければ、軍属でもない。そんなことをしなければならない
 理由はありません」
「だが君は、裏切り者のコーディネイターだ」
「は?…裏切り者?」
「どんな理由でかは知らないが、どうせ同胞を裏切ったんだろ? ならばいろいろと」
ああ、そういうこと……なるほどね。
コイツは馬鹿だ。コーディネイターを良く知らないから偏見の目で見ている。
蔑んでいるように見えるし、本人もそのつもりなんだが、実は恐れている。
そして、何でも出来ると思っている。
「地球軍側に付くコーディネイターというのは貴重だよ。なに、心配することはない。君は優遇されるさ
 ユーラシアでもな」
……戯けが。
俺は大げさに溜息を吐いた。
「少佐。貴官はそこまで分かっていながら、何故もう少し頭を使えんのかね?」
「な!」
「貴官とて言ったではないか。地球軍側に付くコーディネイターというのは貴重だと。何故そこで大西洋
 連邦もそうだと気付かん。貴官は私が本当にただの民間人と思っているのか?」
口調は静かに、しかし殺気を解き放つ。
頭の中でこの男を殺す。
この状況で殺す方法はいくらでもある。
恐怖と驚愕に怯んでる。当たり前だ。
俺はコイツの前で民間人キラ・ヤマトからネオザフト軍のシン・アスカへと変わって見せたのだから。
「さて、もう少しヒントを与えよう。君達が総出で出来なかったOSのロックの解除。それほど厳重な
 ロックが誰の手によるものか。そして、それが出来る……いや、もう少し大きいヒントが良いかな。
 このMSを作成したのは誰か? そして、その科学者がどういった地位にいるか、考えてみたまえ」
「き、貴様はコーディ…!」
「そうだ! だからこそ私の存在は公表出来ない。君が知らないのも無理はない……だがな、これだけは
 言っておく。私の身に何かあれば、それは君の首だけで済む問題では無いぞ」
俺は、そう言いながら周りの兵士を一瞥する。
おそらく今回の騒動はコイツの独断だ。
アルテミスなんて戦略価値の無い僻地の司令官が、目の前の宝に飛び付いたって所だろう。
そして、そんな男のために命を懸ける兵士はいない。
「まあ、大西洋連邦の圧力を断固として退ける価値が貴官にあれば話は別だが、もしそうでない場合は
 貴官はおろか、この基地に居る将校、下手をすれば家族まで……」
「馬鹿な!」
「残念だが、私は君の常識で測れる存在では無いよ。あのブルーコスモスでさえ、我慢して道具として
 使っているのだから。彼等とて、このMSのために憎いコーディネイターを我慢して使っていたのだ。
 それがユーラシアの軍人に……彼等はどう思う? これまでの我慢は何だったのだろう? その怒り、
 彼等がどうやって晴らすと思う?」
う~ん、我ながら無茶苦茶な話だ。
でもね、残念ながら冷静に考えれば変だって思うけど、ここに居る連中で冷静な奴は1人もいないんだな。
だってさ、僻地に飛ばされた軍人が、最前線で数えるのも馬鹿らしいほど人を殺してきた人間の殺気を
浴び続けてるんだぜ?
「……あ、……」
「まあ、君の立場も理解は出来る。君ほどの能力の持ち主が…」
「な、なんだ!」
「き、基地が攻撃されています!」
おい……ここから良いとこなんだぞ。
ここで、俺が寛大な態度を示して不問に処す。
後は補給を終らせ、向うには感謝される……
こう、そんな上手い話あるかっ! って突っ込みたくなるようなご都合主義。
そんな場面だろ?
それなのに……なんかさ、俺って最近、やる事なす事、みんな裏目に出てる気が……

ブリッツの奇襲……
まあ、普通なら前もってブリッツの性能を話しておけば、こんな被害は防げたんだがあいにくGは重要機密。
同盟国とは言えユーラシアの、まして少佐ていどの地位の人間には言えるはずも無く。
つまりアルテミスは崩壊。
一応は敵の目を欺く役にはたってくれたが、残念ながら補給の問題が残ってた。
それで、フラガの提案でデブリ地帯で使えそうなものを拝借することになったんだが……
「ユニウス7……」
そう。そのデブリ帯には、あのユニウス7が漂っていた。
俺にとって忘れられない地……サトー達が落として地球との間に再び戦争の火蓋が上がる切欠となった
……では無い。いや、昔はそうだったんだけどさ。

「そう言えばキラさんはユニウス7が落ちたとき、どうしてたの?……って、キラさん?」
他愛も無い雑談の途中だった。
どんな流れだったかは忘れたけど、あのブレイク・ザ・ワールドの時、キラさんはどうやって
避難してたかを聞こうとしたんだ。
そしたら……
「や、やだ……なんで僕は……行ったら駄目だったんだ……やっぱり血のバレンタインで犠牲になった
 人たちの怨念が……なんで僕は……」
「ちょっ! 大丈夫かよ! どうしたんだ!」
「行ったら駄目だ……あそこには悪魔がいたんだ……あそこで僕はとり憑かれたんだ……」
「ユニウス7に、行った事あるのか?」
キラさんは何度も頷く。
そして再び頭を抱えて震えだした。
「僕が……ヘリオポリスから……地球へ……途中で……」
「それって、キラさんがストライクに乗ってた時の?」
「なんで僕はあんなものを!」
「あんなものって?」
「あれが無かったら……僕は平穏な人生を……」
「あれって何なんだよ!?」
「そ、それは……うわぁぁぁぁぁぁああぁ!!!」
「キ、キラさん!」
そのままキラさんは悲鳴をあげると、白目を剥いて気絶した。

目を覚ましたときは何も憶えてなくって……俺は気になっていたけど、聞くに聞けなくて……
まあ、そんなわけで、ユニウス7と言うと、俺にとってはキラさんの恐怖に震える顔を連想するもの
になっていた。

そんなわけで、詳細は不明だがキラさんにとって、ユニウス7は鬼門なわけで、今の俺はキラさんで、
兎に角、そこには近付きたくない場所なわけで、だというのに……
「あそこの水を!? 本気なんですか!?」
おいおい、勘弁してくれよ……よりによって、そのユニウス7から水を補給するだって?
なんとか回避したいイベントなんだが……
「…でも! …ナタルさんだって見たでしょ? あのプラントは何十万人もの人が亡くなった場所で
 それを…」
「誰も、大喜びしてる訳じゃない。水が見つかった!ってよ」
フラガ! てめえはすっこんでろ! そんな俺の心の悲鳴にも構わず、奴は正論を続ける
「誰だって、できればあそこに踏み込みたくはないさ。けどしょうがねぇだろ。俺達は生きてるんだ!
 ってことは、生きなきゃなんねぇってことなんだよ」
そんな正論に反論する術を持たない俺はトボトボとストライクを発進させ警戒の任に就くことになった。
あれだ。フラガって奴は、俺を徹底的にへこますのが趣味なんだな。

なんか、肌がヒリヒリする……
キラさんとの会話の所為か、なんか出てきそうで……こう別に信じてはいないよ。
その幽霊とかお化けの類はさ……
でも、ここって、何の罪も無い人が何十万人も亡くなった場所なんだよね……
あんまり考えるのは止そう。
「ん? 民間船? 撃沈されたのか……」
おいおい、民間船まで撃沈されて……マジ怖いんですけど……ん?
生きてる機体? あれは強行偵察型…複座のジンか? 
なんでこんなところに… アークエンジェルが見つかって応援を呼ばれたら……不味いな。
気付かずに通りすぎてくれたら……
って、作業ポッドに気付いた!? 
「バカが! 何で気付く!」
あ~あ……撃っちゃった。
こうなんかさ……墓前で罰当たりなことした気分になるな……祟られないよう
気を付けよう……って、どうやって気を付けるんだよ? そんなもんを。
ん?……あれは救命ポッド?……………………………よし、助けよう!
こう、なんかね。迷信を信じるわけじゃ無いけど、何て言うか、善行で悪行を相殺する。
うん。我ながらナイスアイディア♪ 
え~と、ユニウス7にいる霊の方々、見てますか? 
私はこれから人助けをします。良いことですよね? 
だから呪わないで下さいよ!

「つくづく君は、落とし物を拾うのが好きなようだな」
呆れた表情のバジルール少尉。
気持はわかるけど、俺だって呪われたく無いんだよ!
でも、大丈夫だった。
あの後、別に焼け爛れた人に追っかけられるとか、そんな不気味イベントも発生は
しなかったし、無事にアークエンジェルに戻れた。
ここまでくれば安心だ。
やったよキラさん! 俺、キラさんが何を見たのかは知らないけど、悪霊イベントは回避できた。
「開けますぜ?」
お? 救命ポッドを開けるか。どんな人が乗ってるんだろう? 見に行こう。
ってなわけで、俺はストライクのコクピットから脱出ポッドに向かう。
このボーとした浮遊感の所為か、色んな妄想が……
こう、どうせなら美少女が乗ってて、助けた俺に感謝して、こう…なんて言うかさ。
『貴方が助けてくれたんですね。なんと礼を言っていいのやら……でも、何も持ってなくて……代わりに
 私を……』
う~ん、やっぱりそれだと軽すぎるなぁ……どうせなら……
「ハロ、ハロー、ハロ、ラクス、ハロ」
………は? な、なんか聞き覚えのある脱力系の声。
うん。俺は馬鹿だった。
考えてみればさ、キラさんが恐れるものって言えば、1つしかないっての。
「ありがとう。御苦労様です」
現れるピンクのお方……
何を隠そうこのお方こそ、この先プラント最高評議会議長になられる平和の歌姫
……その裏の顔は何をやっても許されるという特技の持ち主、恐怖の女帝、ラクス・クライン。
そして俺の正体はネオザフト軍の最強部隊、アスカ隊隊長シン・アスカ。
また、テロリスト用語ではクラインの犬。
「ラクス様のために!」
「へ?」
「はぁ!?」
やっぱり俺の行動って裏目に出てるよ……つい敬礼をしてしまった……みんな唖然としてるよ……
どうしよ?

続く

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