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第06話〜敗北!〜

Last-modified: 2011-12-05 (月) 11:16:20

俺の目の前には、持ち歌を熱唱するラクスさま……もう、かれこれ3時間は経過している。
何でこんなことになったんだ? 
いや、理由は分かってるよ。
思わず敬礼してしまった俺は、みんなに誤魔化すため、ラクスさんの熱狂的なファンだと嘘をついた。
まあ、それは良かった。なにしろ彼女はプラントの現議長、つまりは地球にエイプリール・フール・
クライシスを起こした人の娘なんだし、プラント以外では表立ってファンだと言い難い存在だ。
だから俺が隠れファンだとしても、驚かれはしても不信がられはしなかった。
そう問題は、彼女がその事に甚く感激してしまったこと。
『まあ、それでしたら今までは、こっそりと聞いてたのですわね。わかりました。それでは今日は
 思う存分お聞きくださいな♪』
そんな、ありがたい言葉と共に、俺は彼女が監禁されることになった部屋で彼女の善意のコンサートを
聞く羽目になってしまった。
「次はわたくしの1番得意な曲を歌いますね♪」
そう言って次の曲を歌いだす彼女……いや、次の曲というには御幣が生じる。
なにしろ、新曲、好きな曲、1番人気の曲、etc、全部同じ歌だった。
誰か助けて……
「ほ~しの~♪」
そんな願いも空しく歌い続ける未来の上司様。
正直言って、このままじゃ俺の精神が持たない
……なあ、いっそのことザフトでも攻めてきてくれないかなぁ~

第6話~~敗北!

そんな俺の願いが天に通じたのか。
本当にザフトが攻めてきた。まあ、正確にはアークエンジェルに
合流しよと近付いてきた第8艦隊の先遣隊が襲撃されたらしい。
俺は喜び勇んで悪魔の巣から脱出すると、ストライクの元へと向かった。
「戦闘配備ってどういうこと? 先遣隊は?」
だが、そんなノリノリな俺に水を差すように途中でフレイが話しかけてくる。
「俺も詳しくは知らないんだよ」
鬱陶しい! 何でコイツは焦ってるんだ?
「大丈夫だよね!? 」
「何がだよ!?」
「パパの船、やられたりしないわよね? ね!?」
「パパ?」
その甘えた声が……
「先遣隊にパパがいるの!」
……ステラを思い出させた。
「大丈夫……守ってみせるから」
俺は娘に、そして、今は居ない彼女に話しかけるように決心する。
そして、俺は気を取り直し、ストライクに乗り込んだ。
大丈夫、この時代の連中はMS戦には不慣れだし、俺が警戒する敵なんて居やしない。
「キラ・ヤマト、ストライク、発進する!」
それにさっきまで、ずっと変な歌を聞かされてたんだ。
やって来たザフトには感謝するが、それでも憂さ晴らしに付き合ってもらおう。

「何でだよ!?」
俺の砲撃が当たらない? 何故?……
俺は出撃前までの余裕が消し飛んでいた。
「キラ!」
「アスラン!」
迫り来るイージス。俺は躊躇せずにビームライフルを放つがアスランにかわされる。
「そんな……っ! 今度はジンか! 舐めるなよ!」
横からしゃしゃり出て来るジン。まずは、この馬鹿を叩きのめす。
「落ちろ!……な、何で!?」
また回避された。おかしい。どうなってるんだ?……ラクスの怨念? そんな馬鹿な話じゃ無い!
「何でコイツ等……こうもMS戦に慣れてる!?」
そう、コイツ等の動きは明らかにMS戦を意識している。だが、おかしいだろ!?
俺がアカデミーで習った内容では、MS戦ってのは、連合がダガー系を開発してから本格的になった。
それまではMS対MA。ようするに基本はミゲルがやってた戦法だ。砲撃しながら懐に入り込む。
それまでに当たれば良し。当たらなければ重斬刀で一閃。だから、ミゲルは飛び道具を持たない
ストライクに接近戦を挑むなんて馬鹿な真似をして死んだ。
しかし、コイツ等の動きは……
「今度こそ……チッ!」
狙いを定めたジンは先遣隊の艦を射線に入る位置に身を踊りいれると、こっちが撃てないのを良い事に
一方的に射撃してくる。
「そんな砲撃が!……なぁっ!」
しかし、回避したところを別のジンに攻撃される。
「あ、当たった!? 俺に……ジンなんかの攻撃が?」
PS装甲のお陰でダメージは無いが……それって、この俺がPS装甲に助けられた?
何でザフトがこんな動きするんだよ? ザフトって言えばコーディネイターの軍だぞ。コーディネイター
って言えば、1人で複数のナチュラルを相手しなきゃなんない立場で……
「それが、何で複数で俺を攻撃してくる!?」

こんなの……こんなのもっと先の話だ。ナチュラルにもフラガみたいな化け物じみたパイロットが
居る事、いや、もっと正確に言えば、コーディネイターと思ってたレイやクルーゼがナチュラルだって
分かったからナチュラルも侮れないって分かって……
「今は違うだろ!?」
今は完全にナチュラルを蔑視していた時代。しかもMS戦さえ確立してない状況だ。みんなMS戦の
ノウハウが無くて、だからこそMS戦の経験が豊富だった…キラ・ヤマトの乗るストライクと戦った
アスランやイザーク、ディアッカがトップエースになったんだ。
「それが……何で俺がジンなんかに!?」
俺は誰だ? 
俺はこれより10年以上の間、今より遥かに高度なMS戦を経験し、戦い続けた男だぞ。
テロリストには、クラインの猟犬とも使い魔とも言われてきた。
それは蔑称でありながら恐怖も含められていた。
それが、何でこの時代の未熟者共に苦しめられている?
「認められるかよ!」
だが、現に俺は苦戦している。
この時代では考えられない洗練された動きに。
俺がこの時代に来たからか? その所為で歴史に変化が? そんなのありか? 
この前までアスランもイザーク達もド素人だったじゃ無いか? 
何時だって倒せる敵。そんな相手だったのに……
アイツ等が俺を強敵と認めて作戦を練った? それも可笑しい。
だからって、こうも早くに、ここまで考えられたフォーメーションを考えられるはずが無い。
これは余程の経験の持ち主が考えたとしか思えない動きだ。
何かが起こってる。
俺の知らないところで変化があったんだ。俺は気付かない内に何かしてしまったのか?
「いったい……何が?」
「キラ! 銃を引け!」
アスランが……何時でも倒せるはずの敵が……今の俺には……

「偶発的に救命ポッドを発見し、人道的立場から保護したものであるが、以降、当艦へ攻撃が加えられた
 場合、それは貴艦のラクス・クライン嬢に対する責任放棄と判断し、当方は自由意志でこの件を処理
 するつもりであることを、お伝えする!」
「卑怯なっ!」
アスラン……気持は分かるよ……ほんとに最悪だ……
「救助した民間人を人質に取る……そんな卑怯者と共に戦うのが! お前の正義かっ!? キラ!」
「…アスラン……だったら、何も知らないままアークエンジェルを落とした方が良かったか?」
「何だと!?」
惨めな負け惜しみだって事は分かっているが、一方的に悪人呼ばわりは気に入らなかった。
「そして、アークエンジェルを落とした後、中にラクスが乗っていた……悲劇のヒーローになれたのに
 残念だったな」
「そんなことっ!」
「だが、そうなってた! それを一方的に!」
暫くの沈黙。アスランも冷静になってきたようだ。そして重要な事を聞いてくる。
「……彼女は無事なんだな?」
「ああ……まるで敵に捕らわれた自覚なんて無しに好き勝手してる」
通信機から笑った声が聞こえた気がした。
「…彼女は助け出す!必ずなっ!」
勇ましく立ち去るアスランに比べ、俺ときたら……
「ゴメンな……フレイ……守ってやるって言ったのに……俺……また守れなかったよ」

…………どうして……僕は……こんな事に……
溜まってた。それは分かるよ。ここにきて1回も抜いてないし。
それに今の僕の身体は30台のオッサンじゃなく、精力漲るローティーンのヤングボーイさ。
だからさ、朝起きたらパンツがヌルヌルして不快になる現象は理解できるんだ。
うん。僕は今朝、夢精をした。
でもね……夢の中に出てきたのはラクスでもフレイでもなく……
「……う~ん…おにいちゃん……」
この隣で無邪気に寝てる幼女です! 最低だ。僕は最低の男だ……
僕は夢の中とは言え、マユちゃんにあんなことを!
もう……駄目みたいだ……
フレイ……君のおっぱい、凄く好きだったよ。
でも、何でだろう? 僕は今も腕に当たっているペタンとした感触にドキドキしてるんだ。
もう、あの頃には戻れないのかな? ラクスの貧弱な胸に不満を感じていたあの頃に……
シン……君は良い友人だったけど、君の趣味だけは理解できなかった。
正直、変態だった思ってた。
でも、今は違う。悲しい事に君の気持が凄く理解できるよ。
……それって僕が負けたってこと? この幼女に? 
み、認めたくない! 認めたく無いけど! 
「ん~~、う~~……」
マユちゃん? 起きたのかな?
「お兄ちゃん……」
なんだ寝言か……
「う~……イカ臭いよ~~……」
……そういや、コレどうしよう? 
僕はベタベタして気持悪いパンツを見ながら処分に悩んでいた。

続く

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