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第21話〜〜ブルーな夕焼けと愉快な仲間たち?

Last-modified: 2013-04-22 (月) 18:33:29

部外者の俺に対して、信じられないほどの大盤振る舞いだな……
俺の手にはオーブ軍の戦力が詳細に渡って記された書類……やはり、根本的に甘ちゃん国家なのか?
それとも、俺達を信じる理由があるのか?……まさか、カガリが裏で動いたか?
まあ、良いさ。オーブが強くなれば、それだけ、マユや俺の両親、それにトールたちの親類の安全も高まる。全力でやってやる。
「装備に関しては問題ない。それどころか最高ですよ」
「そう言ってもらえて、光栄ね」
「だが、問題は運用方法……ハッキリ言って、馬鹿正直すぎます」
「何が問題ですか!? こう言っては何ですが、我々は教官の教えを受け、かなりのレベルだと自負しております」
「それは認めますけど…では質問。連合の艦隊がMS部隊を率いて攻めて来た。戦力はこちらの10倍。
 どうやって迎撃します? ちなみにオーブだけの戦力で」
「MSが上陸する前に、空中から狙撃します」
「残念、それじゃあ、MSの半数近くが上陸に成功しますよ」
「ですが、その後も、此方が空中という優位が…」
「それで、街を焼け野原にする気ですか?」
「そ、それは……出来るだけ被害を…」
ダメだな。コイツ等、キラさんの影響を受けてる。強くなって、相手を叩き潰す。それが基本。
「いいか! 俺達がやるのは戦争だ! 戦争で、最も良い勝ち方は何だ?」
「そ、それは、味方の損害を極力減らす事です」
「正解! じゃあ、その方法は?」
「こちらが相手より強く…」
「それが間違い。言っておくが俺やシンは別格だ。シンのマネをして、相手を叩き潰そうなんて余裕は見せるな!」
「そ、それでは…」
「相手に何もさせるな! 艦隊が来たらMSを出す前に沈めろ! そのためにレールガンを使え!
 それで、強引に発進してきたMSを、さっき言った方法で沈める。今度は距離もある。はるかに楽だ!」
「そ、それはそうですが……」
「卑怯なんて言わないように。元々MSは戦艦やMAを倒すために作られたんです。オーブの場合はMS戦の時代を想定してから、MSを開発したから勘違いするのも仕方ありませんが」
元々ザフトがMSを開発したのは、今のオーブと同じ理由。防衛のためだ。それが勢いで攻め込んでしかも有利に進んだもんだから話が変になった。
「オーブ軍は、随分と誇り高そうだ。だから勘違いしないように言っておきます。軍にとって最も大事なのは民間人を守る事……
 誇り高く敵を倒そうなんて愚劣な考えは捨てて下さい。卑怯でも薄汚くても良い。まずは守る」
「……分かります」
不満そうだが、反論は出来ないか……それで、充分だ。下手に感銘を受けられるよりも、遥かに信用出来る。
「軍人は理不尽な命令を受ける事が多いでしょう。辛いと思いますが、我慢してください」
「いえ、ヤマト少尉の考えは正しいと思います。不満に思う私が未熟なだけです」
「不満に思うのは良い事ですよ。それだけの腕があれば振るってみたいと思うのは当然だし……
 ただ、部下の前で、そんな態度をするのは止めて下さい……部下が無駄死にする」
トダカさんを思い出した。まだ会ってないけど……
「少尉? お気分が?」
「気にしないでください……それで迎撃に関してだが、オーブを攻めるには空中からMSを降下させるパターンが多いと思います。連合は輸送機から、ザフトは降下カプセルから。
 そこで、MS降下前に攻撃するにはどうすれば良い?」
「……連合の場合ですと、輸送機がオーブの本土上空に到着する前、ザフトならば、MSの投下が可能な高度まで……ま、不味いですな」
「そう、シュライクの自力で上がれる高度では迎撃が不可能です」
「では、現状では打つ手なしですか?」
「ええ、だが、シュライクのお陰で、ザフトや連合のMSより、遥かに高い高度から降下できる。
 そこで……シモンズ主任」
「何かしら?」
「マスドライバー……利用できませんか? MSの発射カタパルトとして」
「マスドライバーを?」

第21話~~ブルーな夕焼けと愉快な仲間たち?

まあ、あれ程の大掛かりな装置でMSを1機づつ飛ばすのも馬鹿げた話だから、適当に何機かまとめて飛ばすやつを作ってくれるだろう……あれ? なんかトロッコに乗ったMSが悲鳴を上げながら打ち上げられるのを想像してしまった。
まあ、俺が飛ぶんじゃ無いから良いや。見てる分には楽しそうだし。
「では、降下しながらの迎撃に関しては、まだ未定な部分も多いですし、出来上がってから馬場一尉が考案すれば良いでしょう。それより……」
全員の目の光が強くなる。みんなは、これを待っていたんだから。
「MS戦、主に戦闘フォーメーションですが、とりあえず午前中は、座学で戦術を叩き込みます。
 そして、昼から実戦形式で模擬戦をしましょう」
「お願いします」
「なお、これより、俺は敬語を使わない。かなり厳しい言葉も出るが?」
「覚悟は出来ております」
「良いだろう。じゃあ、早速始める。フレイ!」
「はい」
「M1の操作はどうだ? 憶えたか?」
「ある程度は……どこまでやれるかは自分でも…」
「なら、お前は今日の座学は参加しなくていい。前に教えた内容だしな。だから、M1のシミュレーターで操作に慣れろ。
 午後の訓練は俺とのコンビだ。オーブのMS隊。小隊単位を交代で全部を相手にするぞ」
「え!? わ、わかった!」
「しょ、少尉?……いくらなんでも…」
「大丈夫。彼女、体力はたっぷりと付けてる。遠慮せずにやってくれ」
「僕は?」
「シンは小隊に参加せず単独行動しかやってないんだったよな?」
「うん」
相変わらずだな……でも、組める相手が居ないのも事実だし……
「じゃあ、好きにして良い。好きな時に出て、自分の判断で俺達を攻撃してくれ」
「い、良いの!?」
「ああ、ちゃんと俺達の隙を見つけろよ……出来たらな」
この人の場合は今更組ませるより、単独行動が向いている。ただ、適当にやられて戦場を混乱させては不味いからな。その辺を鍛えよう。
まずは自分が如何に適当にやっているかを身を持って知ってもらう。
「簡単だよ……もっと真面目に教えてよね」
「ああ、明日からな。今日は、まず言われた通りやってみな」

「いただきま~す!」
「ど、どうぞ♪」
「へぇ~、美味しそう。でも、ゴメンね私まで呼ばれて」
楽しいお弁当タイム♪ メンバーは僕とシン、マユちゃんにフレイの4人。あと、フレイについてきたトリィ……やっぱりシンは面倒見てなかったらしい。
完全にフレイのペットと化してる。
まあ、午前の座学はあんまり分からなかったけど、問題ないよね。午後から頑張るし。
それより、今はフレイとマユちゃんと一緒にランチタイム……逆行して良かった♪
「そう言や、フレイは料理出来るのか?」
「え!……それは……」
さりげないシンの質問………その反応からいって出来ないらしい。
「マ、マユちゃんのお弁当、本当に美味しいね♪」
「ありがとうございます♪」
おお! 強引に話題を代えたぞ。逞しくなったねフレイ。
それにしてもフレイは料理が出来ないのか……じゃあ、僕がフレイと結婚したら……

『もう! フレイお姉ちゃんって全然料理出来ないんだから!』
『ごめんね……』
『こんなんじゃあ、マユ、お嫁に行けないよ』
『えへへ』
『しょうがないから、ずっと一緒に居てあげる♪ よろしくねフレイお姉ちゃん♪』
『こちらこそ、仲良くしましょ♪』

……完璧! これこそが人の夢! 人の望み! 人の業!
クルーゼ、やはり貴方は間違っている! この世界に比べれば…
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「え? いや、何でも」
「それにしても、このから揚げ、美味しいな♪」
「ありがとう♪」
ムッ! シン、随分とマユちゃんとの距離が縮んでる……今日のメニューは、から揚げにミートボール、
あとはニンジンのグラッセとサラダ……ミートボール!?
「僕はミートボールが美味しいと思うな♪」
そう、ミートボールと言えば挽肉。挽肉と言えば捏ねる時に、大量のマユエキスを吸収してるはず。
改めて味わうマユエキス……最高だ♪
「そうか、だったら俺のから揚げと交換しないか?」
「いいの!?」
「ああ、ほれ………」
ラ、ラッキー♪ シン、君も甘いね。大事なマユエキスを……
「あの……キラお兄ちゃんはミートボール嫌いですか?」
「え? 嫌いじゃないけど、何か味が今ひとつ……」
「そう? 普通じゃ無い? むしろ私が前に食べたのより美味しいくらいよ。ねえ?」
「トリィ?」
「ロボットに聞くなよ」
「う~ん、味の変更が上手く行かなかったかなぁ……やっぱり冷凍食品だと味を足すの難しいなぁ~」
「ええ~! 充分じゃない。この馬鹿が贅沢なだけよ」
れ、冷凍食品?……
「でも、から揚げを喜んでくれたし……ソッチの方が自信作なんです♪」
「うん。味が染みてて凄く美味しい」
「たしかに……どうやって作るの?」
「え~とですね……」
つまり、から揚げは醤油や酒、その他を加えて、鳥に味を馴染ませるために"しっかりと手で揉む"
そこには、たっぷりのマユエキスが……
一方、ミートボールは冷凍食品だと、味が不満だから鍋に移して解凍しながら味を足す……そこにはマユエキスが入る余地は微塵も無い。
「トリィも食べる? から揚げ?」
「フレイ……お前、ロボットとは言え、鳥に鳥肉をやるなんて」
「ちょっとしたお茶目よ……あれ? シン、元気ないけど大丈夫?」
「だ、大丈夫」
僕はチラリと周りを観察する。マユちゃんは、自信作のから揚げを褒められて御機嫌。フレイは基本的にシン…見た目は僕に声をかけてる……やっぱり好きなのかな?
そして、シンは……目が合った。その目が語ってる……未熟者め!…と。
あ、頭に来た! 午後からの模擬戦……不利な条件で始めたこと、後悔させてやる!

マユちゃんと2人で帰る道。何時もの風景……違いと言えば、今日はトリィが一緒。マユに懐いたからフレイが貸してくれた。
そして、あたりは夕暮れ……今のブルーな気分にぴったりさ。
「それにしても、キラお兄ちゃんも、フレイお姉ちゃんもカッコ良かったねぇ~♪」
「そうだね……」
「キラお兄ちゃんは、キビキビしてて、内容はマユじゃ分からなかったけど、馬場さんもアサギさんも凄く感心してたし」
「凄いよね……」
「フレイお姉ちゃんも強かったなぁ~……美人で強くて、憧れちゃう♪ トリィも、そう思うよね?」
「トリィ!」
「うん……」
しかも、訓練終了後、ぐったりとしたオーブ兵の中で平然としてて、おまけに足りないとか言ってシンと2人で訓練始めるし………どんな体力してるんだよ。
シン、君は彼女に何をしたの?
「お、お兄ちゃん? 元気ないね……」
「ソンナコトナイヨ……」
「落ち込んじゃダメだよ。た、たしかに味方を撃ったり、キラさんを倒すのに夢中になってフレイさんに後ろから撃たれたり、凄いマヌケだったけど……って、違う!…そう! 諦めちゃダメ!」
「ハハハ……ハァ~」
「お兄ちゃん!?」
何をやってるんだ……ああも無様に……でも、味方が邪魔な動きをしてさ……まあ、ワザとじゃ無いって分かってはいるけど……
「お、お兄ちゃん、あ、明日は1人でオーブ軍の小隊と戦えって言われてたし……それって凄い事だと思うよ! うん。絶対!」
「うん……」
それ、今までやってた事なんだよな……なんで今更……シンは僕を鍛える気なんて無いんじゃ?
友達じゃ無かったの? 本当は僕の事嫌いなの?……
「キラさん、明日は見ものだって…」
「多分それ、僕を相手にオーブ軍が、何処までやれるかを見るためだよ。だって、僕に言ったもの」
「な、なんて?」
「明日は、やられても良いから、相手の全力を引き出せって……オーブ軍がどんな動きをするかの確認が必要だから。ってさ……今日鍛えた馬場さんたちが、どれだけ僕に迫れるか見たいんだと思う」
「そうかな?」
「そうだよ」
他に考えようが……
「でも、1日で変わるものなの?」
「それは無理だけど……平行してキラも別のシミュレーターで鍛えるって言ってる」
「じゃあ、キラお兄ちゃんは見れないんじゃ?」
「…………あれ?」
「だよね……本人が見る気無いのに、お兄ちゃんと戦わせて、どうするんだろ?」
……確かにそうだ。シンがオーブ軍の訓練の成果を見たいために僕と戦わせるなら、ちゃんと見るはず。
だったら……
「そうか……確認が必要なのは……」
シンじゃ無く、僕の方……僕がオーブ軍の動き、能力を認識していれば、今日みたいに同士討ちや味方の援護無しに突っ込んで、後ろからやられる事だって無かったはず……
「参ったな…………凄く悔しいや……」
「お兄ちゃん?」
シンは気付いていたんだ。僕の今の現状を誰よりも詳しく。
考えてみれば彼の身体は僕のもの。その異常性を誰よりも認識している。そんな異常な身体を持った僕が、今までどんな戦いをしていたか、かつて見ていた事と、今経験していることを照らし合わせ、何が必要か分かって……
「今は勝てない……でも…」
「お兄ちゃん?」
「大丈夫♪ 明日からは頑張るからね」
シン・アスカはキラ・ヤマトに匹敵する能力を手に入れたんだ。やってやる。
そして……ん? あれは……?
「軍港より警戒が厳しいな。チェックシステムの攪乱は?」
「キラ……」
「……何重にもなっていて、けっこう時間が掛かりそうだな。通れる人間を捕まえた方が早いんじゃねえか?」
「まさに、羊の皮を被った狼ですね。どうしましょう? ジュール隊としては?」
「チッ! いっそ強引に攻め込むか」
「勘弁してくださいよ。この国のMS、見たでしょ?」
「同感。そんな事したら、余裕で死ねるぞ」
「チッ!……人に隊長を押し付けておきながら…」
「だって……」
「なあ」
「キラ……」
……懐かしい顔ぶれ……相変わらず愉快な集団だな……

明らかに若すぎる4人組が作業服着て車に乗ってたら怪しいよ……その若さで車を運転なんてナチュラルにしては不自然すぎる。
僕たちザフトですって宣伝してるようなものじゃないか。
相変わらず馬鹿だなぁ……でも、なんか違和感が……
「だが、これじゃあラチが明かんぞ!」
「でもよ、足付きを隠してる保障も場所も検討つかねえんじゃな」
「キラ……」
「……だったら、貴様はオーブ軍が宣言したように足付きを破壊したと思っているのか!?」
「それは……思わねえけど」
……さらに近付いて観察。うん、ディアッカはディアッカだ。イザークも相変わらず。
そして人の良さそうな少年……写真を見たことがある。彼がニコルだね。
問題は………アスラン? なんか凄く違和感が?
「そうですね。それに足付きのクルー。本来だったら連合が迎えに来ても良い頃でしょ?
 でも、未だにその気配はありませんし……」
「だがよ、それで放っておくのも変じゃ無いか? まさか、足付きだけでアラスカまで来いって、命令するわけは無いだろ?」
「それは確かにそうですが……」
「ディアッカ、それは今は関係ないだろ!」
「だが、足付きの動きはおかしいだろ? 気にならねえの?」
「そうですね……未だに補給を受ける気配も無し……まるで見捨てられた感じですね」
「せっかくのMSの試作機をか? ありえん!」
「トリィ!」
あれ? 何時の間にかトリィがアスランの元へ……
「ん? ああぁ!」
「アスラン?」
「ぁ…ぁ…まさか……?」
「ん?なんだそりゃ?」
「へぇ、ロボット鳥だ」
「おい、貴様! 何をキョロキョロしてる? いい加減に…!」
いきなりアスランが慌て始めた。もう見てて面白いくらいに……そして、後ろに居た僕たちとばったり目が合った。
「あれ?」
「ん? あー、あの子のかな? このペット、君のかな?」
「いえ…じゃ無く、そうです」
優しくマユちゃんに声をかけるニコル。本当に優しそうな少年…
「嘘を付くな!」
「え!?……あ、あの…」
「ちょっと、アスラン!」
「これは、お前みたいな子供が持っていて良い物じゃ無いんだ! これはキラの…」
「いい加減にしろぉ! キシャマはぁぁぁ!」
「ぐはっ!」
イザークの怒りの鉄拳がアスランの後頭部を直撃。ナイスだイザーク!
「ま、待て! 今は大事な話が! おい小娘! これは誰から…!」
「やきゃましぃ!!!」
再度の攻撃、今度こそダウン。素敵だよイザーク。
「え、え~と、これ、本当はマユのじゃ無くフレイお姉ちゃんからの預かりもの…」
「フ、フレイだと! 何で、あの女が………」
蛙みたいに地面に這い蹲りながら、顔だけ上げて……あれ? やっぱりアスラン変だよ。
こんな人だっけ?
「……そ、そうか! あの売女! 俺のキラを誑かして! こうしては居られない!
 ヤマト隊出撃! モルゲ…!」
「グゥレイト!……いや、気にしないでくれ、コイツちょっと頭がな」
ディアッカの渾身の踏み付けが決まった。……ヤマト隊?
「モルゲンレーテに突入するぞ! 女狐の手からキラを奪いか…!」
あ? 復活した?
「さっさと死んでください」
今度はニコルも踏み付けに参加……何、この人たち?
「イザークも、早くしないと、また復活しますよ」
「わきゃったぁっ!」
最後にイザークも参加。3人の足がアスランの頭の上に……アスラン……君、よほど嫌われてるんだね。
それにしても何だろ? この違和感……アスランが不自然すぎる。
「ぜえ…ぜえ…しゅ、しゅまない……この馬鹿が迷惑をかけたな」
「本当に申し訳ありません。変な人でしょ」
「ええ…じゃ無く、き、気にしてませんから」
「はい、これ返しますね」
「トリィ!」
「ありがとうございます」
アスランの手からトリィを奪いマユちゃんに手渡す。その間もしっかり頭を踏みつけたままだ。
「ま、待て……ヤマト隊は…女狐から…」
「「「ふん!」」」
凄いよ! 息がピッタリだよ! どうりで、この3人にシンが手こずったわけだ。
「では、失礼します」
「え? ニコル…?」
「今日は戻りましょう……情報も手に入れましたし」
「ん?」
そう言って、立ち去ろうとするニコル……抜け目が無い。アスランの戯言から、キラがオーブに居ることを見抜いたんだね。それに……
「あの……」
「な、なんです?」
ちょっと、動揺……僕たちが子供だからって甘く見ている。でもね……
「忘れ物です」
気絶してるアスランを指差す。ドサクサに紛れて捨てていくなんて困るよ。
ちなみにニコルが気付いた事を指摘するなんて馬鹿な真似はしないよ。だって、ここで言ったら口封じで殺されるじゃない。
「……その辺に捨てておいてくれませんか?」
「困ります」
「そうだな……ゴミは持ち帰らないとな」
「でも、気絶していて自分では動けないんですよ? 言っておきますが僕は担いで帰るなんて嫌ですから」
「お、俺だって……」
「全く迷惑な……じゃあ、引きずって帰るぞ」
「そうですね……まあ、裾くらいなら握っても……」
……なんかアスラン、どうしたんだろ? こんな人だった? 違うと思うけど……ズルズルと引っ張られていくアスランを見ながら、どうしても違和感が頭から消えな…頭から消える?……あ! 前髪がある!
それが違和感の正体か……うん。納得。
「ねえ、お兄ちゃん。今日って何かイベントがあったっけ?」
「……無いよ」
「だって、あの人たち……」
……マユちゃんが勘違いするのも無理は無いけど、彼等は芸人さんでも、その卵でも無いから。

続く

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