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第27話〜誰か止めて!〜

Last-modified: 2013-04-22 (月) 19:25:01

「マユのクッキーを食べたいかぁぁぁー!!!」
壇上でマイクを持つカガリが、兵士に向かって叫んでる。
「「「おおぉぉぉぉ―――!!!」」」
「だが、女の子の手作りクッキー! 数あると思うなぁぁぁぁぁ―――!!!」
「「「ええぇぇぇぇ!!!?」」」
「ゆえに奪い合い! 欲しくば力を見せろぉぉぉ!!!」
「「「おおぉぉぉぉ―――!!!」」」
「これより、第一回! マユクッキー争奪戦を開始する! シン! 説明だ!」
………なんで、こんなことに?
「え、え~と、ルールは簡単。何時もどおり、MS戦のシミュレーターをして、勝った小隊が
 優勝になります。なお、準優勝以下は何の商品もありません」
「「「ザワザワ…ザワザワ…ザワザワ…ザワザワ…ザワザワ…ザワザワ…」」」
「お前ら! 聞いての通りだ! 死力を尽くせ! マユのクッキー! その価値があると! 
 この、カガリ・ユラ・アスハが保障する!!!」
「「「おおぉぉぉぉ―――!!!」」」
散らばるオーブ軍のパイロットたち………
何で? カガリ、真面目な子になったと思ってたのに………やっぱり、馬鹿な子なんだ?
マユちゃん、なんでカガリにクッキーの差し入れなんか……
「じゃあ、私は出かけるから、後は頼むぞ」
「は~い、いってらしゃ~い♪ じゃあ、シン君、頑張ろうか」
「ユ、ユウナさん、こんな事して、いいんですか?」
「何か問題が?」
「問題はありませんが……」
「まあ、気楽に行こうよ。気楽にね♪」
………このユウナさんの雰囲気は、何か企んでる。何だ? カガリは何か考えがあるのかな?
シンが帰ってきたら聞いてみよう………………今頃、何してるんだろ?

第27話~~誰か止めて!

「なるほど……たしかに歩きにくいですわね////」
人工の朝日が天窓から入り込む。その姿を綺麗だと思った俺は……
「オワッタ」
おまけに、強引な挿入に痛がるラクスさんを可愛いとか思ってしまった。主従の逆転に興奮して、
暴走した。
もう終わりだ。キラ・ヤマトにとって、ラクス・クラインから逃れる術は無かった。
………いや、まだだ……まだ終ってない!
冷静になれ。スッキリしたら考える余裕が……本当にスッキリした……
だからネガティブになるな! どうせ、アラスカに着いたらお別れなんだ。そもそも、今回の作戦は
フリーダムゲットとシーゲル生存とラクスを犯罪者にしないことでプラントに封じるという一石三鳥の
策。つまり、上手く行けばラクスとは、これで終わりさ。
「さあ、キラ。そろそろ起きてくださいな♪」
そうだな。早くフリーダムをパクろう。
「キラ……その…抜かずに5発は、お疲れだとは思いますし、わたくしも歩くのさえ辛い状況ですわ。
 ですが、まだ一仕事残ってます。頑張りましょう」
…………しょうがないじゃないか! 久しぶりだったんだし、この身体だ! でも5発は……
「キラ?」
「気にしないで……それより服を着てください。フリーダム、取りに行くんでしょ?」
「キラ、わたくしは、まだ一仕事残ってると言いましたわ」
「……だから、フリーダム」
「その前にやることがあります」
そう言いながら自分の顔に拳を当てる……ああ、顔を殴るってやつ?
「わかりましたから、殴りますけど服を」
呆れたように首を振る。なんなんだ?
「それもありますが、……情事の前に言いました。まずは……キラ、わたくしを犯しなさい。と、
 貴方のシナリオでは不足だとも」
「……まずは…って、まだ何か?」
「この機会、逃す手はありませんわ。今まで……いえ、今は良いです。それよりもです。キラ、貴方は
 このわたくしが、殴られたり犯されたりと、自分の身を守るためだけに、ザフトのMSを渡すと
 お思いですか?」
「いや、最初は何も無しで渡すつもりでしたが?……ごめんなさい!」
殺気を感じた。助けてよキラさん。
「このわたくしが、そんな身勝手な真似をするはずが、ありませんわ」
なんか疲れた……
「そ、それで? なにをする気で?」
「はい。……時間がありません。急いでロープを」
「へ? な、なんで?」
何処からか持ってきたロープを渡される……これで何を?
「わたくしの腕を縛って下さい」
「はい?……なにを…」
「急いで!」
「ハイ!」
何か分かんないけど……………………これで良し。
「……出来れば、もう少し卑猥に…」
「勘弁してください」
「ですが……帰って来ましたわ……マルキオ導師だけ?」
「ちょっ! 帰ってきたら不味いって、早く服を…」
「何を言ってるのですか? 貴方は暴漢なのです。さあ、導師様を叩きのめして下さい」
ナンナノコノヒト?
「わたくしは自分の事なら、何をされても我慢できますが、お父様と導師様が殺されそうになったから、
 泣く泣くフリーダムのところへ案内するのですわ」
「そ、それって……」
「ハイ♪ これならわたくしが仕方が無かったと言い訳も立ちますわ♪ 考えても見てください。
 わたくしともあろう者が、暴漢の言う事を聞くのです。これくらいしないと♪」
………逆に、貴女以外の人に被害は無い作戦だったんですが? しかも父親まで……
悪魔だ! 悪魔がいるよ! 助けてよキラさん……

「ぐはっ!……い、いったい?」
俺の渾身のボディブローが盲目の導師に……
「くふっ!」
続いて掌底でアゴ先を払い、脳震盪を起こさせ気絶させた。
「これで良し」
「良し、じゃありませんわ」
「な、何が不満なので?」
「マルキオ様には目撃者になっていただかなければ」
「いや、目、見えないんですよね?」
「……それに関しては疑わしいのですが……どちらにせよ、わたくしが無理矢理犯されたと知れば
 良いのです」
無茶苦茶だ。俺の華麗な作戦が……
「でわ、とりあえず拘束しましょう」
しましょうって、どうせ俺がやるんだよな……………………………………
「完成です」
「それじゃあ、先に、どうぞ」
「え?」
「わたくしの顔」
殴れと? これまでの暴挙をさんざん見せつけといて、殴れって言うんですか?
「何を震えてるのですか?」
報復が恐ろしいんです。もう見栄なんか気にしない。本気で逃げたい。
「さあ、早く殴るのです。急がないと目を覚まされますわ。それに、お父様が帰ってくるかも」
「わかりました」
逆らっても無駄だ。どうしようもない……
「行きます」
「どうぞ♪」
拳を握り締め、ラクス様の顔に……………………………………やっちゃった。
表情が髪に隠れて見えない……怒った?
「………わたくしの……顔を…………血が………痛いですわ♪」
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ!

「それにしても、お父様も悪運の強い……」
…………悪魔の呟きが聞こえる。気にしたらダメだ。
思い出したくも無いが、ラクス様の言うリアリティを求めて、俺はマルキオさんが目を覚ました後、
彼に更なる暴行を……しかも、目の前でラクス様を犯した…………泣き叫びながら嫌がるラクス様の
演技とは思えないほどの熱演…………本気でラクス様を心配するマルキオさん…………マルキオさんは
自分は、どうなっても良いからラクスを助けてくれと…………おれ、何度も本当の事を言いそうに
なって…………でも、ラクス様が怖くて言えなかった。
「オレ……ケガレチャッタ…………」
もう、俺は正義のヒーローにはなれないよ…………
不幸中の幸いは、シーゲルが帰ってこなかった事。マルキオさんが虫の息になったところで、予定を
切り上げ、フリーダム強奪に向かった。
「キラ?」
「ハヒッ! ナンデショウ? ラクスサマ」
顔には痣が…………俺が殴った所為で……俺、死ぬのかな?
ごめんなステラ……俺、助けに行けないみたい……
「そう緊張しないで下さいな♪ さあ、そろそろ監視カメラがあります。バイザーを」
言われた通りにバイザーを閉める。これで、俺の顔は分からない。
「さあ、行きましょう…………体勢を」
「ハイ……ワカリマシタ」
震える手で、ラクス様の髪を掴む。
「もっと強く」
「…………ハイ」
強く髪を掴んで引き寄せる。どう見ても無理矢理に脅している体勢。
「銃を」
「ハイ」
右手に持った銃をラクス様の後頭部に突きつける。
「では。参りましょうか♪」
通路を歩くと、そこにはフリーダム…………思えばコイツをくれるって言った時点で、帰っていれば
こんな事には…………
そのままコクピットに乗り込み…………あれ?
「ラクスさま……なんで俺の膝の上に?」
「他に座る場所が無いからですわ♪ それと、ラクス、とお呼び下さい♪」
いや、怖いから無理……じゃ無くて! 地球までの移動の事を忘れてた。地球に着くまで何日かかると
思ってるんだ!?
「ゆ、輸送船を探しましょう!」
「え~~~!」
何か不満そうだが、冗談じゃ無い!
「ラクスさま! パイロットスーツなら兎も角、その服装じゃ、トイレどうするんです?」
「…………び、美少女はトイレなんかに行きません。で、ですが、この格好はたしかに……」
「じゃあ、取り合えず……」
フリーダムを起動させると、速攻で輸送艦がありそうな場所へ…………
「周りが騒がしくなってきたな…………」
「予定外の行動ですから……」
つーか、MS単機で地球まで行かせるなよ。
「あれなら……」
手頃なサイズの輸送艦を発見。
「なんかコンテナが入ってるな……だがフリーダムが入る余裕はある」
フリーダムを収容すると、輸送艦を急発進させる。出たところで出入り口を破壊……これで時間が
稼げる……それにしても、この艦には警備が少なかったな。
正確にはフリーダムのあった格納庫付近……まあ、重要機密だし、まだザフト内部でも知らされてない
状況だから、多くの人がいないのも当然かも知れないが…………
「何か変なものでも入ってるんじゃ……」
「どうかなさいましたか?」
「ラクスさま、ちょっとコンテナの中身を見てきます。自動操縦にしておきますけど、追っ手が来たら
 教えて下さい。フリーダムで迎撃しますから……」
「キラ……様はいらないとあれほど……」
「申し訳ありません! ラクス!……こ、これで良いですか?」
「それに敬語も嫌いですわ」
「わ、わかった」
「よろしいです♪」

 

コンテナの中身はMSのパーツだった。見た目はゲイツのボディに似ていたがPS装甲……これって!
「なんだよ……フリーダムとジャスティスだけじゃ無かったのか?」
変だな……核動力のMSは、ZGMF-X09Aがジャスティス、X10Aのフリーダムが最初で、次のZGMF-X11A
リジェネレイトは…………完成してたっけ?
「聞いてみるか?」
ラクス様に聞いてみよう……通信機を取り、操縦席のラクスさ……呼び捨てにしないと……
「なあ、ラクス……聞こえるか?」
「はい♪ 聞こえますわ」
「ちょっと、聞きたいんだけど…………」
俺がコンテナの中身の事を伝えると、ラクスも不思議がった。
「変ですわね……それは、おそらくドレットノートですわ」
「ドレットノート?」
「ええ、核動力機のプロトタイプで、テストが終わった今は、一部のパーツを除いて廃棄処分される
 予定だったのですが……キラ、追っ手ですわ!」
「分かった。フリーダムで出る」
フリーダムを起動させると、輸送機から出る。
「ジンが2機……こんなのを追っ手にするなよ…」
「キラ、殺してはダメですわ」
「………善処はする」
俺に不殺を? 無茶を言う………まあ、ここなら腕だけ落せば助けは来るか。
「じゃあ………いけ!」
ビームライフルでジンの右手を撃つ………狙いやすい。流石は砲撃戦使用の機体。まあ、考えてみれば
俺って、砲撃戦専用機なんて使ったことが無かったな。
「苦手じゃ無いけど、射撃より格闘が好きだから、そっちを使いたがったけど……意外にいけるかも」
じゃあ、あっさりと片付いたところで……
「キラ、4時の方向から接近する戦艦が」
「またか……楽勝すぎるんだけど………今度はマルチロックを試してみるか?」
機体の性能差がありすぎて、なんか罪悪感を感じる。
「キラ、余裕を見せてる場合ではありませんわ。相手はエターナルですわ」
………え? って、ことは……
「エターナルからMS発進……ジャスティスですわね」
マジですか?………
でも、たしかに近付いてくる機体は……
「やるしか無いか!」
ルナか?……ジャスティスがビームライフルを撃ってくるが……
「甘い!」
こっちも反撃……エターナルからリフターが?……換装をする気か?
「なに!?」
そっちに気を取られた一瞬、接近を許しビームサーベルで斬りかかられる……が、
「やってくれる!」
横薙ぎの斬撃を上昇してかわし、レールガンを命中させる。
「やはり、ヤマト司令……」
え! ルナの声?
一瞬の動揺……ジャスティスから切り離されたファトゥムが体当たりを……爆発させる気か?
「換装の時間稼ぎか!?」
ファトゥムを払いのけた隙に、先程エターナルから射出された砲撃タイプのリフターを装着していた。
「チッ!……」
拡散ビームを高機動回避しながら、距離を取る…………っ! 後ろから砲撃!?
「後ろから!? さっきのファトゥムか!」
さっき、破壊するべきだった……だが、今度こそは壊す!…………よし、俺の撃ったビームライフルで
ファトゥムが爆発。舐めた真似を……俺に勝てると……
「……おい!」
気付いたときは、すでにジャスティスは輸送艦を盾にする位置に移動していた。
…………馬鹿だった。ルナは俺の事をキラさんだって思ってたじゃ無いか。
アイツがキラさんに勝とうなんて無謀な真似をするわけが無い。
輸送機に接触するジャスティスを止める手段も無く、俺は呆然としていた。
…………………………あれ? これって逃げるチャンスじゃ?……でも、そうするとアラスカで救助が
出来なくなる…………でも、ルナがラクスを連れて行くなら不可抗力。………………でも、そうなったら
ザフトは終わり…………どうしよ?

続く

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