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第5話_「キラとストライク・前編」

Last-modified: 2014-03-31 (月) 20:33:38
 
 
 

「…連邦軍!?…あんなのがここにいたってのかよ!」

 

ディアッカが《ガンダムMk-II》の姿を見て驚いていると
イザークが「散開するぞ!!」そう叫ぶと、
デュエル、バスター、ブリッツは三方向に別れて
スラスターを一気に全開にすると、
灰色の機体がその場を離れて行く。

 

「やはり遅かったか!!」
「破壊せずに奪い返すっての難しいんじゃないのか!?」

 

アポリーとロベルトが言っていると
「どっちにしたって、このまま逃がすのはマズイんでしょう!?」
そう言ってカミーユは会敵したデュエルに照準を合わせて右手のグリップボタンを押す。
同時に《ガンダムMk-II》が構えていたビームライフルから
収束されたメガ粒子が放たれ、黄色い光線がデュエルに襲いかかる。

 

「ちっ!!」
イザークは状態を立て直し、すんでのところで
ビームコーティングの施された青いシールドで防ぐと、
ディアッカが「イザーク大丈夫か?」と声をかける。
眉間にしわを寄せたイザークは自軍の新型に躊躇なく撃って来る
《ガンダムMk-II》に少々驚いていた。
イザークは即座に「フェイズシフトを作動させろ!」
とディアッカとニコルにそう叫ぶと、
灰色の躯体をした3機のガンダムはみるみる内にそれぞれの機体色へと変わった。

 

「なんだアレは!?」
「色が変わった?」

 

カミーユ達は、3機のガンダムの機体色の変化に驚きの表情を見せた。
《デュエルガンダム》は右手に持つビームライフルをカミーユの乗る
《ガンダムMk-II》に撃ち放ち、距離を取るとイザークがディアッカ達に叫ぶ。

 

「コイツらは破壊してでも逃がすつもりは無いらしい!
ここで迎え撃つぞ!」

 

そう言うと「了解!」「はい!」
とディアッカとニコルもそれに呼応する。

 

「チっ!当たれよ…!」
外れればコロニーに穴が開く…とにかく当たれ。
《リック・ディアス》に乗るアポリーは祈りを込めるように
レバーを前に押し出してビームピストルを構え、
視線の右側にいた《バスターガンダム》に狙いを定めて撃つ。

 

「おおっと!!……あのゴツいヤツもビーム持ちかよ!?」

 

《バスターガンダム》を操縦するディアッカが
焦る様子もなく冷静にかわす。
するとコロニーの地表部に
収束されたメガ粒子が貫通して穴が空いてしまうーーー。

 

「しまった!?」

 

アポリーは慌てて穴のあいた場所に、
左手からトリモチを放ち穴を塞ぐ。

 

コロニーに穴を開けるビームピストルの威力を見ていたニコルが
ディアッカに注意を促す。

 

「ディアッカ、気をつけて下さい!
あのビームの収束率だとシールドが無ければ耐えきれません!」

 

ニコルはそう促すとすぐにディアッカは
「OK!でも心配ご無用!」と焦りのない返事を聞くと、
ニコルはロベルトの《リック・ディアス》に向かって
《ブリッツガンダム》の右手のシールドに内臓されたビームガンを放つ。

 

「っく!…いい狙いだ!!」
《ブリッツ》の素早い動きからの攻撃に肝を冷やしつつ
ロベルトはバルカンファランクスで応戦するが、
コーディネイターの戦闘能力を肌で感じていた。

 

「あれが新型ガンダム…!結構早いぞ!?」

 

カミーユは《デュエル》にビームライフルを2発、3発と放つが、
全てがかわされ鉱山部に当たり大きな爆発を起きている。

 

「まずい…やっぱりコロニーの中じゃ下手にビーム兵器は使えない…!」

 

破壊力のあるビームライフルが危険と判断したカミーユが躊躇すると、
《デュエル》が《ガンダムMk-II》に一旦距離を置く。

 

「フン!あのガンダム…黒い2機よりも動きが単調だな。
そんな腕で俺に戦いを挑むとは笑わせる!!」

 

イザークは相手を冷静に分析し、
チャンスと見るやビームライフルを腰にマウントし、
バックパックから右手にビームサーベルを引き抜いて、
《ガンダムMk-II》に突進して行く。

 

「……!来るのか!?」

 

カミーユは真っ直ぐ向かって来る《デュエル》に気付き、
カミーユもすかさずビームライフルを左手に持ち替え、
ビームサーベルを引き抜くと、《ガンダムMk-II》と
《デュエル》のビームサーベルがぶつかり合い、激しい火花を散らす。

 

「なんで中立コロニーでこんな真似をする!?
モビルスーツを奪うだけならこんな人を殺すんじゃない!」
「…!なに!?」

 

ビームサーベルがぶつかり合ったことによって、
接触回線が開いているためカミーユの声が、(デュエル》のコックピットに響く。
イザークはカミーユの声を聞くと、
自分とあまり年齢の変わらないくらいの男の声に驚く。

 

「貴様たち連邦がオーブと裏でコソコソしていなければこんな事にならん!!」
「それはティターンズと戦う為のガンダムなんだよ!!
おとなしく返すんだ!」
「…なっ!!」

 

カミーユがイザークへそう言うと
《ガンダムMk-II》が左手に持ったビームライフルで
《デュエル》の胴体を殴りつけると《デュエル》の体制が大きく崩れる。
その隙を突いた《ガンダムMk-II》はビームサーベルを縦に振り降ろしたーーー。

 
 

 
 

キラは少女の手を引き、近くにあった避難シェルターに到着した。
「ほら、ここに避難してる人が居る。」
キラが満員を知らせるランプが点灯していない
シェルターまで通じるエレベーターのスイッチを押すと
中から男の声が聞こえてきた。

 

「まだ誰か居るのか?」

 

「はい。僕と友達もお願いします。開けて下さい。」
「二人!?」
「はい!」
「もうここはいっぱいなんだ…!
左ブロックに37番シェルターがあるから…そこまで行けないか?」

 

男からそう言われると、キラは辺りを見回してから
何かを決した顔付きに変わる。

 

「なら一人だけでもお願いします、女の子なんです!」
「…分かった…。すまん!」

 

キラは中に避難していた男とそう話し、
スイッチから手を離して開いたシェルターの扉に少女を押し込む。

 

「入って。」
「え?…なにを!?私は……ーーー。

 

少女は驚いた表情で何かを言いかけていたがキラがすかさず
強い口調で彼女を説き伏せる。

 

「いいから入れ!僕は向こうへ行く。大丈夫だから、早く!!」
「…待て!お前…名前は!?」

 

少女は必死になって助けてくれたキラの名前を聞いてくると、
キラは穏やかな表情で「キラ、キラ・ヤマト。君は?」
と言って、少女の名前を聞く。

 

「……カガリだ。」

 

カガリと名乗ったその時にシェルターの扉が閉じられ、
エレベーターがシェルターに向かって下がって行ったーーー。

 

一人になったキラは37番シェルターのある方へ走る。
キャットウォークを横切っていると、
下では依然としてモビルスーツを守るためにラミアス技術大尉や連邦軍と
ザフト兵達が激しい白兵戦を行っていた。

 

「ハマダ!ブライアン!早く起動させるんだ!」

 

新型ガンダムの上に乗り、
銃を撃ち応戦しながらラミアスが必死の表情で指示を送っていると、
ラミアスを背後から狙いを付けているザフト兵の姿がキラが発見し、
「危ない後ろ!」と叫ぶとラミアスが反射的に身を隠し、
キャットウォークにいるキラを発見した。

 

「…さっきの子?まだ…!」

 

ラミアスはキラを気にしながら、近くいたザフト兵を撃ち、
立ち上がるとキラへ「来い!」と叫ぶ。

 

「左ブロックのシェルターに行きます!お構いなく!」

 

そう言ってキラは再び走り出すが、それを聞いたラミアスは
「あそこはもうドアしかない!」とキラに向かって叫んだその時、
キラの目の前で爆発が起き足場が失われてしまう。

 

ラミアスは再びキラへ「こっちへ!」と言うと
キラは高さ6mはあろうかという高さのキャットウォークから飛び降り、
ラミアスの目の前に着地をしてみせた。
それを見たラミアスは少々、驚いた顔をキラに向けていた。

 

しかし、キラの降りた場所はまさしく戦場であり、
あちこちで銃弾が飛び交っていた。

 

ラミアスの部下である技術士官のハマダ伍長がマシンガンを乱射していると、
ザフトのラスティ・マッケンジーの肩口へ銃弾が直撃する。

 

「は…!?ラスティ!!」

 

ラスティと共に行動していたアスランが怒りの表情を浮かべて、
ハマダ伍長に発砲すると銃弾がハマダ伍長の手に当たり、倒れこむ。

 

それを見ていたラミアスがアスランへ銃を構えると、
アスランはの刹那、ラミアスに銃を発砲する。

 

左の肩を撃ち抜かれたラミアスは倒れこみ、
激痛の走る肩を押さえて悶絶している。
そのラミアスへトドメを刺そうと、
アスランはマシンガンのトリガーを引くが
弾が空になった事に気付くと舌打ちをして
腰に備え付けたコンバットナイフを手にラミアスへ襲いかかる。

 

その時だった。
撃たれて負傷したラミアスのそばへ寄っていたキラは、
ナイフを振りかざしていたアスランと目が合うーーー。

 

‘‘‘ほんとに戦争になるなんてことはないよ。
プラントと地球で。
避難なんて意味ないと思うけど…
キラもその内プラントに来るんだろ?'''

 

キラの記憶の中で、昨日の事のように、
鮮明に蘇る親友とのあの時間ーーー。

 

「アスラン…?」

 

その言葉を聞いたアスランはピタリと動きを止めて、
キラの顔を見て驚愕する。

 

「…!?キラ…?」

 

数秒の間、何の言葉も交わす事もなくアスランはその場に立ち尽くしていた。

 

その時、ラミアスが痛みを堪えて体を起こしてアスランに向かって銃口を向けると、
アスランは慌てて後ろに飛び下がっていった。

 

ラミアスはアスランが下がって行くのをチャンスと見て、
キラをコックピットブロックへ押し込み自身も乗り込んだ。

 

「シートの後ろに。
…この機体だけでも、私に動かす事くらい…」

 

ラミアスはそう言いながらキラをリニアシートの横へ下がらせ、
《ストライク》を起動させる。
するとコックピットはたちまち360°cをの景色を映すモニターに切り替わり、
キラがその光景を見て少々驚いていた。

 

《ストライクガンダム》の鹵獲に失敗したアスランは
負傷したラスティの体を起こす。

 

「大丈夫か?ラスティ…?」
「あ…あぁ、すまない。
ナチュラルに撃たれたなんて笑われちまうな…はは…」

 

ラスティは気遣うアスランにそう言って見せると、痛みに耐えながら笑う。
アスランはラスティが無事で良かったと肩を撫で下ろす気分だったが、
急いで残りの機体《イージスガンダム》にラスティと共に乗り込む。

 

コックピットモニターには二人のザフト兵が
《イージス》に乗り込む姿をキラが見ていたーーー。
(アスラン…いやそんなまさか…)
キラは信じたくなかった。
アスランがこんなところに…こんな事をする筈が無いーーーと。

 
 

 
 

『ヘリオポリス全土にレベル8の避難命令が発令されました。
住民は速やかに最寄りの退避シェルターに避難して下さい。
ヘリオポリス全土にーーー

 

ブライト・ノアが移送してきた
ファ・ユイリィを含めるグリーンノアの民間人達は、
オーブへの入国申請中の最中にコロニー全土で
シェルターへの避難命令が発令されていた。
ブライトは市長との会談の為に、
出迎えていた市長と共に市庁舎へと向かっていたが、
グリーンノアの避難民や憔悴しきっていたファ・ユイリィを心配して、
途中で乗り捨てられていたエレカに乗り込み、
第5ゲートの港を目指していた。
市街地の中を走っているとブライトは逃げ惑う人々や、
路上に乗り捨てられたエレカをかわしながら進んで行く。

 

安全な場所と思われていたヘリオポリス内の遠くの方では
爆発による轟音が聞こえており、振動がおさまる事がなかった。

 

「ザフトが攻めて来たとは……
いったい何だと言うんだまったく…!」

 

ブライトがそうボヤいていると逃げ惑う人だかりから外れて、
辺りを見回し何かを叫ぶ女性と少女がおり、
そらを見ていたブライトは妙に気になった。
エレカから降りて彼女達のもとへ駆け寄り声をかける。

 

「どうしました!?早くシェルターへ避難して下さい!」

 

そう言うと、彼女達はブライトの方へ振り向く。

 

「え…?軍人?」
「あ、あれって…連邦軍の軍服ですね…」

 

ブライトは不安な表情を見せている二人に歩み寄り言葉をかける。

 

「レベル8の避難命令が出ています。
急がないとどこのシェルターも一杯に……ーーー

 

そう言いかけた時だった。
女性と共にいた少女が、ブライトの両手の袖を掴んで訴えかける。

 

「娘さんとはぐれちゃったそうなんです!!まだ小さい女の子で…!」

 

ブライトにそう言うのは、キラ達の友人フレイ・アルスターだった。
フレイは友人とはぐれた時にこの母親と娘と出会った。
だが、混乱の中で母親と娘がはぐれてしまい必死に探していたらしく、
とにかく彼女は相手が誰であろうとブライトに必死に助けを乞う
母親の娘、エルはブライトの愛娘チェーミンと同じ3歳だった。
話を聞いたブライトは「それはまずい…」と思い
彼はすぐさま彼女達とエルを一緒に探す事にした。

 
 
 

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