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00-W_土曜日氏_92

Last-modified: 2009-04-08 (水) 19:55:18
 

♪コ コ コココココココココッ コーラサワー
 好きだ 好きだ あの笑顔
 愛を 愛を 抱きしめて
 呼べば 多分 現れる
 空を 空を 飛んでくる
 どこから?
 それは謎めいて
 どうして?
 それは愛ゆえに
 誰より少ない出番
 何より癒す力
 シュワ!(シュワ!) シュワ!(シュワ!) 逆転
 ここから 敵は通さない
 シュワ!(シュワ!) シュワ!(シュワ!) 復活
 大佐と俺との 花道
 コココココココココッ コーラサワー♪
 (元ネタ:イッ○ツマンの歌

 
 

 中東に位置する特殊自治区、アザディスタン。
 今ここで、プリベンターとアリー・アル・サーシェスの以下中略。
 長々と毎回似たような説明してられるかってんだべらぼうめ。

 
 

「プリベンター壊滅で、この茶番は終わりだってんだ! ぬはははは、ぬはははははははははは!」

 
 

 ま、とにかく。
 プリベンターとアリーのガチンコ勝負なのである。
 どれくらいガチンコかって言うと、
 キックターゲットに真剣になるラ○スくらいに。

 

   ◆   ◆   ◆

 

「さあて覚悟はついたか? まともに動けるのはお前ら二人だけみたいだぜ!」
「うるせー! それがどうした! このパトリック・コーラサワーに敗北の二文字はねえ!」
「痴れ者め! いい気になるもの今のうち也、このグラハム・ブシドー・エーカーが必ずや成敗してくれる!」

 

 アリーの駆るMS(ミカンスーツ)、ソンナコト・アルケーのハッサク肉弾攻撃により、ガンダムパイロットたちのMS(ミカンスーツ)は多大なダメージを受け、戦線より半ば離脱した状態になっていた。
 いかにプリベンターのネーブルバレンシアとアリーのソンナコト・アルケーに力の差があると言っても、あの手この手でガンダムパイロットをボコったのだから、まったくアリーという男は侮れない。

 

 やっぱり悪役はこうでなくちゃイカン。
 出番が少ない・脇役には強い・主人公にはすぐやられる、これでは悪の魅力も半減するてなもんである。

 

「くそっ、皆大丈夫か?」
「ええ、何とか」
「だがこの損傷では、まともな戦闘はもう無理だ」
「よし、自爆スイッチを押せ、五飛」
「お前が先に押せ、ヒイロ」

 

 ああもう、ヒイロと五飛、殺伐としすぎ。
 今回はババを引いた形になってしまったが、別に彼らが弱かったからやられたのではない。
 先手を取ったアリーと、ソンナコト・アルケー(のハッサク)が強すぎたのだ。
 それにコーラサワーを活躍させるためには、どうしてもガンダムパイロットが元気でいると難しいので仕方がなげふんげふんほにゃららららら、ふんがっくっく。

 

「お前らを片付けた後、向こうでフラフラしてる輸送機を落とせばそれで終わりだな、おい」
「だから言ってるだろうが、この俺がいる限り、てめぇに勝利なんかねーんだよ!」
「大口は叩けば叩く程に恥をかく! 勝ち誇るのは、この私を退けてからにしてもらおう! たあああっ!」

 

 グラハム、吶喊。
 ジャキンと電磁警棒を二刀流で構えると、ソンナコト・アルケーに向かって一直線で斬りかかっていく。
 警棒なので殴りかかるというべきではあるが、気合いで居合で何でもバッサリやっちゃう人なので、斬りかかるという表現でいいだろう、多分。

 

「突撃ばかりで猪かてめーは! おらぁ、行けよハッサクゥ!」
「甘い! 所詮は飛び道具ッ! 機体は壊せても、我が心までは壊せはせん!」

 

 向かってくるグラハム目がけてハッサクを飛ばすアリー。
 が、グラハムもさるもの、迫るハッサクを二刀流式警棒で叩き落としながら肉迫していく。

 

「おおっと、やるじゃねーか猪野郎!」
「私はグラハム・ブシドー・エーカーだ! 猪ではないっ!」

 

 グラハムのダブル電磁警棒と、アリーの両手両足電磁警棒が真っ向から交差する。
 数だけならアリーが上だが、問答無用の勢いならグラハムに分がある。

 

「おほっ、ラッキーッ! 背中がガラ空きだぜ、ひょろひょろ赤鬼!」

 

 と、そこにアルケーの後ろからコーラさんもまた電磁警棒で攻撃をかます。
 これは卑怯ではなく、立派な挟み撃ちである。
 グラハムも先刻(前々回)言っていたが、強い相手には相応の手段をもって戦うべきなのだ。
 恨みやら深い因縁やらがあって、どうしても他者の手を借りたくない勝負というのはあるだろうが、このアリー・アル・サーシェスはグラハムにとってもコーラさんにとっても、そういう相手ではない。
 校舎裏に呼び出しての多数フルボッコと、夕日射す河川敷でのパンチ合戦シングルマッチとの違いであると言えばわかりやすいだろうか。
 ん、何か例えが間違っている気もする。
 まあいいや。

 

「学習能力ねーのかよ、このタコ! ほらよ、ハッサクゥ!」
「ぬお、わわわわっ!」

 

 アルケーの背中をガッツリいくはずだったコーラさんだが、またしてもハッサクによって阻まれてしまう。
 グラハムと違い、コーラサワーのネーブルバレンシアは電磁警棒が二刀流仕様ではないので、グラハムみたいに強引に捌くことが出来ない。
 回避行動も合わせてようやっと、といった感じである。

 

「そしてよぉ、背中がガラ空きなのは俺じゃなくてよ!」
「む、何っ!?」
「猪野郎、お前の方だよ、バカがぁ!」

 

 正面から打ちあっている以上、自然と背面は守りが薄くなる。
 そして、ネーブルバレンシアにはハッサクやクツシタシールドのような備えはない。

 

「そらよ! ハッサクの突撃をくれてやらぁ!」

 

 コーラサワーを牽制したハッサクが、ぎゅるんと弧を描いて、グラハムのネーブルバレンシアの背中に次々にぶち当たっていく。

 

「ぬ、ぐおおおおっ! 何とっ!」

 

 前の四本の電磁警棒、そして後ろのハッサク。
 いかにグラハムが奇人、じゃない鬼神の如き勇猛さを持っていたとしても、物理的に防ぎきれるものではない。

 

「で、これで残り一機ってわけだ! 喰らえや!」
「む……無念!」

 

 トドメの蹴りを放つアリー。
 破片を撒き散らしつつ、グラハムのネーブルバレンシアは砂の大地に真っ逆さまに落ちていく。
 幸いにして砂がクッション代わりとなり、大破こそはしなかったが、仮に下が硬いコンクリートなら、間違いなく機体はバラバラ、グラハムも無事では済まなかったであろう。

 

「へっ、へっへっへっへっ」
「んだあ、気色悪い笑い方すんじゃねーよ、赤鬼」
「いやあ、お前を倒せばプリベンターが壊滅って考えるとな、楽しくて楽しくてたまんねぇのさ」
「だから言ってんだろうが、このパトリック・コーラサワーに負けってのはないんだよ!」

 

 7対1の戦いは、とうとうアリーの暴れん坊○軍ばりの活躍(?)によって、ついに1対1になってしまった。
 コーラサワー対アリー、本編では拝めない、ゲームの中でしか有り得ない対決である。
 いやまあ、本当はアラスカ野ことジョシュアさんがまだいるんですが、ヘタレてて戦闘に参加してないので、彼。

 

「ハッサクは……ちっ、とうとう残り一つか。ま、それでも十分過ぎるな」

 

 アリーの元へ戻ってきたハッサクは一つだけ。
 先程のグラハムへの攻撃で、残りは全て潰れてしまっていた。

 

「十分? そりゃ俺の台詞だ、バーカ」
「バカ言うな、バカ言う方がバカなんだよこのバカ」
「ああん? うるさいってんだよバカ!」
「文句あんのか、バカ!」

 

 お前らガキか。
 このバカどもめ。

 

「さあて、せっかくだからよ、お前もこのハッサクでトドメといくか!」
「舐めんなよ、ひょろひょろ赤鬼!」
「おらあ! 行けよ、ハッサクゥ!」
「来やがれ、ミカン玉!」

 

 アリーの命令を受け、凄まじい勢いでコーラサワーのネーブルバレンシア目がけて飛ぶハッサク。
 そして、アリーも続けて突撃していく。
 避けられてもハッサクは追尾していくし、弾いたのならその隙に詰め寄って四本の電磁警棒でズタズタにする。
 二段構え、まさに戦場慣れした傭兵のソツの無さと言えようか。

 

「ふん、このバカがあ!」

 

 で、コーラサワーが取った迎撃方法とは。

 

「一つだけってんなら、こうすればいいんだよ!」

 

 ……ここで諸兄よ、思い出して欲しい。
 以前、コーラサワーとデュオの二人がプリベンターの本部でかわした、AEUの軍隊のレクリエーションの話を。
 AEUでは、何の球技に取り組んでいたか。
 また、その際に生身であったかそうでなかったか。

 

「おらあ! 真芯で捉えるぜ!」
「なっ!?」

 

 コーラサワーはネーブルバレンシアに電磁警棒をまるでバットのように構えさせると。

 

「シバキあげて! ピッチャー返しで!」
「何だとおっ!?」

 

 ハッサクを綺麗なダウンスイングで叩き、振りぬいた。

 
 

「そのまま場外ホームランだってんだよおおおおおお!」

 
 

 そして打ち返されたハッサクは。

 

「ぐ、わああああ!」

 

 バラバラになることなく、向かってきた時とは反対の方向へ飛んで。

 
 

「ああああ、ぎっちょおおおおおおおおん!」

 

 突っ込んできていたソンナコト・アルケーにまともにぶつかって。

 

「……へっ、AEUの三冠王、パトリック・コーラサワーをコケにすんな」

 

 吹き飛ばした。
 大空へと。

 
 

 プリベンターとパトリック・コーラサワーのアンドロメダ大星雲打法は続く―――

 

 

【あとがき】
 コンバンハ。
 変態合戦はコーラの勝ちということでサヨウナラ。

 
 

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