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08MS-SEED_272-273

Last-modified: 2013-12-23 (月) 20:34:43

 凍てつく凍土。それはエイプリルフールクライシスで地球の気候があれ荒み
 今はまるでかの熊の国の様な肌に拭き荒むベルリン。其処には今度進行予定の連合のパイロットがあった。
 野営地の様な大きなテントの中、ストライクダガー二機とウィンダムが一機ずつ
 何やら大量のやかんとお湯を沸かしながらもがちがちと震えながらその愛機に目をやっていた。
 ふとテントの中へと一人の防寒着に包まった兵士がその中へと入っていく。

「やべーやべー。超さみぃ、マジで此処ベルリン付近?ロシアじゃねぇよな此処?」
「残念ながらベルリンだ。ほれ、さっさとお前も湯運べ。まったく、関節とかにびっしり氷がついちまった。
 さっさととかさねぇと胡椒の原因だ」
「じきに出撃命令が出る。護衛である俺たちがもたついてる暇も無いからな」
「あいあい。まったく、おーおー、まったくカイロがこんなちっとじゃろくに偵察も出来ネェや。
 まったくうちの軍はしけてんなぁ。大体、未だにストライクダガーかよ。さっさとウィンダムなりもっとつえぇ機体増産しろよなぁ」

 肩を竦めながらその機体を眺めている。それは既に二年前の戦役から量産が始まっている連合の元主力機体。
 ビームライフルとビームサーベルが標準装備されている”だけ”と言う利点以外はろくな機体ではなかったが
 軍縮の関係やストライクパックの普及により未だに現役を続けている機体だ。
 パイロットの一人がふと何かを思い出した様に顔を明るくしながらも湯をMSに掛けている。

「あーそういやさ。この間よ。鹵獲したザフトのザク乗ったんよ。此処に来る前にさ」
「マジで!? ザクつったらあっちの最新式の量産型だべ!? どうだったのよ」
「ほぉ。それは凄いな。あそこの機体は軒並み能力が高いからなぁ。」
「いやー、すげぇすげぇ。操縦難しいんだけど、何がすげえぇって装甲も滅茶苦茶分厚いし
 エネルギー出力もはんぱねぇのよ。だけどぉ……」

 話し始めたパイロットの顔が一瞬にして曇っていく。
 ゆっくりとストライクダガーを見上げながらも湯を注ぎきったら再び水を入れてストーブへと湯を掛けていく。
 聞いていた二人のパイロット達は肩を竦めながらも少し遅れてその作業と同じ工程を辿っていく。

「だけど?どしたんだ?」
「何か、浮気した様な感じなんだよなぁ。うん。あれを乗った後、ダガー乗った時は気まずかった」
「あーー、何かそれ解るわ。俺もM1乗ったことあるけど、俺もその後そんな感じだったわ」
「やっぱダガーだな。うんうん」
「ああ、武装も貧弱で数そろえて何ぼなんだろうけど、やっぱダガーだよな。地球生まれだし」
「そうそう。別にブルコスって訳じゃねぇけど、地球生まれだからか?コイツも」

 しみじみと感じ入っているダガーのパイロット達。ふと、無線が掛かってくる。如何やら出撃命令の様だ。
 今回は新型MSの運用試験の護衛と言うことらしい。その話を聞いていてダガーLの大型機を想像していたパイロット達。
 それぞれストライクダガーとウィンダムの炉を入れながらも起動しそのテントを去っていく。
 そして、灰色の雲が日の光を遮る中、パイロット達はその姿を目の当たりにする。

「やべーーやべーーーー! 何あれ!? 超でかくね!? ギャグか?」
「やっべ。カッコイ! 何あのでか黒? あんなん来たら圧倒的じゃん!?」
「うわーーーすっげぇ!? あっという間にバグー蒸発させてるぜ? 何か特撮モノが現実になった感じ?」
「やっべぇぇぇぇ。俺連合入って超良かった。マジカッコヨス」
「ああ、マジで良かった。俺あれのためなら後10年は戦えるぜ?」

 パイロット達が歓喜の声でその遣り取りをしている。巨大なMS。
 破壊の名を持つその巨体のなぎ払うビームは街諸共なぎ払っていた。
 若いパイロット達はその事実に気付かない。否、気付く前にその圧倒的な力に酔いしれていた。

「あれやばいっすよね? あーけど、時々外してんな。多分アマダ隊長が乗った方が強いっすよ」
「ん?……ああ、そうかもしれないな。」
「ええ、隊長も時期にああいうフェイスタイプの機体乗れる様になりますよ。白鴎のシローは結構有名になってますからね!」
「ほら、あんましもたついてると俺たちが何しに来たか解らないぞ。右側から特攻してくる奴が来る!」
「へ? り、了解!?」

 アマダ隊長と呼ばれた男は頷きながらも、その光景を憂いを見せながらも見つめていた。
 何処の世界も何処の若者も本質的なことは変わらない。そして、何処の軍もこの様な超兵器を持ちたがる。
 鬱蒼と茂るジャングルでも、寒さで凍て付くこの地でも……そう思いながら真っ白に塗られたウィンダムに駆り
 その戦場へと向かっていくのだった。

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