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 スペシャルエディションその6
 ~良い男の挽歌~
 
 
 気がつけばそこは地の底――
 どこか分からぬ地中の底の底――
 強制労働施設に、俺はいた――
 
 遡る事半日。
 「良い具合だったぜ」
 恍惚の表情を浮かべ気を失う男を尻目に、阿部はトイレから出た。
 ここは日本。良い男を求めて彷徨っていた阿部は、故郷の地、ここ日本に帰っていた。
 馴染みの顔や馴染みの場所。悉く貫きながら、阿部は里帰りを満喫していた。
 「やぁ。阿部高和さん、だね?」
 するとメモリアルハッテンプレイスで、サングラスを掛けた男に声をかけられた。
 「ああ。おまえもコレがお望みかい?俺はまだまだイケるぜ?」
 自身の暴君を露にする阿部。しかし男は阿部の暴君には興味を示さず、そしてある男の名前を告げた。
 「田中一郎、という男を覚えているかな?」
 「田中?・・・・・・ああ、あいつか」
 田中一郎。かつて同じ自動車修理工場で働いていた、昔の同僚だった。
 「そいつがどうかしたのかい?」
 「消えたんだよ。我々に借金を残してね」
 「そいつはご愁傷様だ。それで、その話は俺になんの関係があるんだい?」
 「おやおや、どうやらお忘れのようだ」
 そう言って男は、『マルキオ金融』と最初に書かれた一枚の紙切れを差し出した。
 「・・・・・・これは?」
 「契約書さ。そしてここに・・・・・・ほら、君の名前が」
 その欄は『保証人名』。保証人とは要するに、借りた人が返済不可能になった場合、全額肩代わりするというものである。
 「・・・・・・ああ、思い出した。そういや保証人になってやったな。アナルと引き換えに」
 「それならばもう分かるだろう。早い話が、君に彼の借金を払ってくれと頼みに来たんだ」
 「頼みに、ねぇ」
 頼むと口では言ったものの、拒否する権利を与える気はないという事は阿部にも分かった。
 「ま、しょうがないね。で、いくらなんだい?」
 「7億だ」
 「あれ?確かあいつが借りたのは30万だったと記憶しているが」
 「利子だよ利子。雪だるま式とはよく言ったものだろう?」
 「随分と成長のお早い雪だるまだ。それで、それを払う義務が俺にある、と?」
 「ああ。なんたって保証人だからな」
 「だが断る。この阿部高和がこの世で最も――」
 「悪いがあまり時間がなくてね。確保させてもらうよ」
 
 すると男は、確保の3(睡眠薬、手錠、目隠し)を持った部下A、B、Cを阿部にけしかけた。
 「フンッッ!!」
 「「「ア ッ ー!!」」」
 しかしそこは阿部高和。襲いくる男たちを手早く且つ的確に貫いた。
 「ちっ。おい、麻酔銃だ!」
 「はっ!」
 時計型麻酔銃を阿部に撃つ部下D。
 「ぬるいわっフンッッ!!」
 「ア ッ ー!!」
 全弾命中したにも関わらず気を失う様子すら見せない阿部は、そのまま部下Dを貫いた。
 「化け物かあいつは!?ならばこいつでどうだ!」
 そして出てくる部下E。筋肉質の良い男だった。
 「そいやぁ!」
 「甘いぞッフンッッ!!」
 巨木も薙ぎ倒さんとする男の腕を軽くかわし、そしてアナルを突き穿つ阿部。
 しかしそこで、異変が起こった。
 「あんっ♪」
 「――!?!?!?!?!!?!?!?!?!?」
 ――そう。その筋肉質の良い男は、なんとおナベだったのだ!!
 「ペニスが汚れて力が出ない・・・・・・」
 ずるずるとくずおれる阿部。阿部はあまりのショックに気を失ってしまった。
 「ふぅ。よし、さっさと車に運べ!!」
 
 
 そして気付いたら、俺はここにいた――
 亡者巣くう地の底――
 右を見ても左を見ても、いるのは労働によって筋肉のついた男ばかり。
 「・・・・・・・・・・・・。ンフフフフフフフフ」
 ――ここが天国じゃなくてなんだっ・・・・・・!
 
 
 「作業終了!!」
 工場長が作業の終了を告げた。
 作業が終わると各班ごとに整列し、そのままシャワー室に向かう。
 「ひゅう♪いいモノ持ってるじゃないの」
 「・・・・・・」
 それは風呂場にあるような上等なシャワーではなく、学校のプールにあるようなもの。渡された少量のボディソープ
 で、天井にシャワーのついた通路を歩きながらモコモコするのだ。
 それが終わると、飯。
 「貧しいじゃないの」
 貧しい食事。ダイエット中の女性には嬉しいローカロリーな食事だが、重労働を課せられた作業員にとっては
 酷く物足りないものだった。
 そしてそれが終わると、部屋に戻る。
 ――25人同居の部屋へ。
 
 「さて・・・・・・今日は誰にしようかな?」
 プライバシーもクソもない、四六時中仲間と一緒の部屋。
 「ンフフフフフフ最高・・・!」
 だからこそ、阿部にとってはハーレムのような部屋だった。
 某伊藤が地獄だと評したこの地の底は、阿部にとってはまさに天国のようなものだった。
 「や ら な い か」
 「うほっ、良い男」
 阿部は毎晩、男に欠く事なく生活していた――
 
 そして半月の時が流れた。
 「おや?みんなの様子が・・・・・・」
 いつもは ざわ・・・ ざわ・・・ しているこの大部屋が、今日に限っては静まり返っていた。
 「どういう事だ?」
 「それはですね、今日があの日だからですよ」
 「あの日?あの日とはなんだ、ホイットニー?」
 阿部に声をかけたのは、同じ部屋の青年ホイットニー・ホイッピー。まだ十代という若さの彼は、親の残した借金の
 せいでここに放り込まれたのだ。プラチナブロンドの美しいこの青年こそ、ここで真っ先に阿部に喰われた人間だった。
 「コロシアム開催日なんですよ、今日は」
 「コロシアム?それはえっちなのかい?」
 「詳しくは分かりません。ですが、もしそのコロシアムで勝利すれば借金がチャラになるって話です」
 「ひゅう♪そいつは大盤振る舞いだねぇ」
 「ですが、今日まで勝利した人はいないんです。指名された人はみんな、大怪我を負ってここに戻ってくるんです・・・」
 「へぇ・・・・・・」
 確かに借金チャラなんていう謳い文句、確固たる勝算がなければ吐かないだろう。
 だが阿部はその話を聞いて、にやりと唇を歪めた。
 いくら天国だとはいえ、一生ここにいるつもりはない。それに七億なんていう大金は、1050年もの年月をここで
 過ごさなければ返せないような額。阿部にとってコロシアムとは、唯一の借金返済方法だった。
 『あーあー、てすてす。ブラウン・マッキェネン、ブラウン・マッキェネン。今日の出場者はおまえだ』
 静まり返った部屋の中に、スピーカーからの無機質な声が響く。
 「い、嫌だぁぁぁぁぁ!!」
 そしてある男が悲痛な叫び声を上げる。その男こそ、今呼ばれたブラウン・マッキェネンその人。
 「さぁ、来るんだ」
 「嫌だぁぁぁぁぁぁ!!」
 ほどなくしてやってきた黒服に両脇を固められ、ブラウンはずるずると部屋から連れ出された。
 「ブラウンさん・・・・・・」
 ホイットニーはここに連れられてきた時、ブラウンには随分と世話になっていた。
 それだけに、さっきのブラウンの叫びはホイットニーの胸にずっしりと響いた。
 「あいつのケツはイマイチだったな」
 ざわつく同居人の中、阿部だけは落ち着き払った様子だった。
 「阿部さんはどうしてそんなに落ち着いているんですか?」
 ホイットニーのそんな問いに、阿部はこう答えた。
 「良い男は慌てたりはしないのさ」
 
 「・・・・・・強いんですね、阿部さんは。僕なんかとは大違いです・・・」
 「いやホイットニー。俺は素質があると思うけどね、おまえにはさ」
 「・・・・・・良い男、のですか?」
 「ああ。おまえのケツ、そしてペニスは極上と呼べるものだった。だから俺はそう判断した。・・・いいかいホイットニー、
 ビビってばかりじゃ何も出来ない、何も解決しない。最後に信じられるのは、そして最後に抗うのは己自身だ。
 いかなる時でも恐れず臆さず、自分を信じて前に進むんだ」
 「阿部さん・・・・・・」
 「それが、良い男に目覚めるための秘訣さ」
 「・・・・・・ありがとうございます。なんだか勇気が沸いてきました」
 「それは何よりだ。それでどうだい?今晩あたり」
 「はい!喜んで!!」
 
 そして更に数日の時が流れた。
 「なぁ阿部さん、ちょっといいか?」
 大部屋でくつろいでいると、同居人に声を掛けられた。
 「なんだいマクレツィン。コイツが欲しくなったのかい?」
 「それもあるが、ちょっと手伝って欲しいんだ」
 「ほう?なんだか分からないけど、阿部さんにお任せってね」
 そして阿部はマクレツィンに、とある部屋に連れられた。
 「ここは?」
 「病室さ。作業で負傷したり病気になったりした奴らが収容されているんだ」
 そしてマクレツィンが扉を開けた。
 「おやまぁ、これは・・・」
 扉の先は、まさに地獄絵図だった。
 病室とは名ばかり。負傷した者や病気になった者は、碌な手当ても施されずに寝かされている。
 隔離室――そんな名前が阿部の頭に浮かんだ。
 「それで、俺は何をすればいいんだ?」
 「ああ・・・こっちに来てくれ」
 そして連れられた先には、見覚えのある男がいた。
 「・・・・・・ブラウンかい?」
 「そ、その声は・・・・・・阿部、か」
 ブラウン・マッキェネンだった。彼は今、変わり果てた姿で布団の上に寝ていた。
 「おいおいどうしたってんだ、その怪我は」
 作業中に出来た怪我ではない。ブラウンの怪我は、明らかに人為的なものだった。
 「コロシアム、さ・・・・・・」
 「・・・・・・なるほど。道理でみんなが怯えるわけだ」
 と、マクレツィンが新しい包帯を持ってやってきた。
 「さぁブラウン、ちょっと横を向いてくれ。包帯を替える」
 「マクレツィン、か。・・・いや、いい。こんな所でこんな怪我だ、俺はもう助からない・・・・・・」
 「バカな事を言うな。俺達は仲間だろ?みんなで生きてここから出るんだ」
 「す、すまねぇ・・・・・・」
 「阿部。悪いが体を支えてくれ」
 「おーけぃ」
 そしてブラウンの体を支える阿部。背中にも痛々しい傷が広がっていた。
 
 「・・・・・・おや?」
 その背中の下。要はアナルの部分に、阿部は不審なモノを見つけた。
 「これは・・・・・・」
 傷である。ただその傷は、普通じゃなかった。
 まるで何かに抉られたような、とても痛々しい傷。これではアナルは使い物にならないだろう。
 と、そこでスピーカーからあの声が聞こえた。
 『あーあー、てすてす。ホイットニー・ホイッピー、ホイットニー・ホイッピー。今日の出場者はおまえだ』
 今日はコロシアムの開催日だった。
 「すまない、ちょっと行ってくる」
 そうマクレツィンに告げると、阿部は病室から出て行った。
 
 「ホイットニー!」
 黒服に連れられるホイットニーを発見した阿部は、彼に声をかけた。
 「あ、阿部さん・・・」
 「おい貴様!勝手に――」
 「フンッッ!!」
 「ア ッ ー!!」
 わめく黒服を黙らせる阿部さん。さすが阿部さんだ!ズボンの上からでもなんともないぜ!
 「ど、どうしたんですか?」
 「このコロシアムは普通じゃない。やめておくんだ」
 「・・・・・・その事ですか。それなら大丈夫ですよ」
 するとホイットニーは、力強い笑みを浮かべた。
 「殺されるわけじゃないし、それに考えようによっては借金返済のチャンスなんです」
 「しかし、それではおまえのアナルが――」
 「それに、来週は妹の誕生日なんです」
 「なんという死亡フラグ・・・・・・」
 「それにこの前阿部さん言ったじゃないですか。恐れず臆さず、自分を信じて前に進め、って。
 それで僕は思ったんです。前に進むべきは今なんじゃないかって。だから僕は逃げません。
 勝ってここから出て見せます!!」
 「いやだからおまえのアナルが――」
 「もう行きますね!吉報を期待していてください!」
 あまりに濃度の濃い死亡フラグを撒き散らし、ホイットニーは通路に消えた。
 「俺のアナル・・・・・・」
 取り残された阿部は、彼のアナルを見送るしか出来なかった。
 
 病室。
 あらかたブラウンの手当ても終わり、さぁ部屋に戻ろうという時――
 「急患だ!道を空けてくれ!!」
 同じ作業員の男二人が、担架を担いで病室に入ってきた。
 「ま、まさか・・・・・・!!」
 顔を青くしてその担架に向かうマクレツィン。
 「ほ・・・ホイットニー!!?」
 予感的中。先ほど放送で呼び出されたホイットニーが、ブラウンと同じように重傷を負って運ばれてきた。
 「・・・・・・ちょっといいかい?」
 青ざめるマクレツィンの横で、阿部は気を失ったホイットニーの体をうつぶせにした。
 「・・・・・・!?これは・・・」
 ホイットニーのアナルから垂れている白い液体を、阿部は指ですくった。
 「ペロ・・・・・・これは精液!?」
 そして阿部は、ホイットニー、そしてブラウンが何をされたのかを理解した。
 「・・・・・・俺のアナルに、」
 ふつふつと沸きあがる怒りの闘志。
 阿部がこの世で最も許せない事・・・・・・それは、快楽のないプレイ。
 一方的な蹂躙の痕を見て、怒りを露にした阿部はこう呟いた。
 「・・・・・・悪い子にはオシオキをしなきゃあなぁ」
 
 「復讐に燃える阿部さんだが、彼をこのままにしておくのは憚られた」
 と、いうわけで、阿部はツナギのジッパーを下ろし、勃起した自身の暴君を握りしめた。
 「お、おい阿部さん、何してんだよ」
 「せんずりさ・・・・・・」!?
 竿を上下に擦る阿部。
 シュッシュッポッポッ、シュッシュッポッポッ――
 「・・・・・・!!」
 そして程なくして絶頂。精液がホイットニーのアナルに降りかかる。
 「な、何やってんだよ阿部さん!?」
 「ふふっ、まぁ見てなって・・・・・・」
 痛々しくデストロイされたホイットニーのアナル。
 その傷がなんと、みるみる内に治癒されていったではないか!
 「こ、これは!?」
 「良い男の精液はアナルに優しいのさ」
 やがてホイットニーのアナルは、新品同様の美しさを取り戻した。
 「な、なぁ!だったらブラウンや他の奴らにも!!」
 「そう慌てなさんな。ちゃんとみんな面倒見てやるって」
 その日阿部は、実に10リットルもの精液を吐き出した。
 
 そして数日の時が流れ、またあの日がやってきた。
 『あーあー、てすてす。モルスン・ミンダノオ、モルスン・ミンダノオ、今日の出場者はおまえだ』
 普段なら指名された者は悲痛な叫びを上げるのだが、今日はいつもとは様子が違った。
 「あ、阿部さん、本当にいいのかい・・・?」
 「ああ、任せておけ。これで終わりにしてやるさ」
 そう同居人に告げ、阿部は部屋を出た。
 彼が向かうはコロシアム――
 「き、貴様は!!」
 「貴様ではない、モルスンを――」
 「フンッッ!!」
 「「ア ッ ー!!」」
 ――アナルを冒涜した者に報復を。傍若無人に制裁を。
 
 「フンッッ!!」
 「ア ッ ー!!」
 門番を黙らせ、厳重に閉じられた重い扉を蹴破ると――
 「・・・・・・おやおや」
 とても同じ地下とは思えないような光景が、阿部の目に映った。
 舗装された空間。周囲は多くの観客で賑わい、そして中央には四本の柱で囲まれた円形の台地。
 天下一武道会、天空闘技場、裏舞踏殺陣にならぶ闘技場、ハッテン遊戯場である。
 『な、なんだ貴様は!?貴様など呼んでおらぬぞ!!』
 スピーカーからのその声に、阿部はしれっとした様子で答えた。
 「モルスンは梅毒でダウンした。代わりに阿部さんが相手になってやるという事だ」
 『だ、だが!貴様の借金は・・・・・・』
 主催者側は、万一を考えて高額負債者は呼び出さない事にしていた。何かの拍子で勝利されては困るからだ。
 そして阿部の負債額は七億・・・・・・負けましたで済むような額ではない。
 「おやおや、随分と弱気だねぇ。これじゃあ観客も興ざめってやつだぜ?」
 『ぐっ・・・!!』
 「構いやしねぇぜ旦那ぁ・・・」
 渋る男に、闘技場の上に立つ男がそう言った。
 「俺が負けるわけがねぇ・・・・・・違いやすかい?」
 『そ、それは、そうだが・・・・・・!』
 『いいではないですか。やらせて差し上げなさい』
 するとスピーカーから、別の男の声が聞こえた。
 その男は阿部の対岸の選手入場口の上、鏡張りになった部屋の中から会話に割り込んできた。
 『ま、マルキオ様!!』
 『今更選手を代えるなど、観客の皆様に失礼です』
 「さすがだぜマルキオの旦那!話が分かる!」
 『許可したという事は・・・・・・分かっていますね?敗北は許されませんよ』
 「分かってやすって!!」
 「どうやら話はまとまったようだな」
 そう言って阿部は、闘技場の上に立った。
 「へっへっへ、運がねぇなぁおまえ。梅毒なんざほっときゃ痛い目見ずに済んだのによ!」
 顔にペイントを施した、筋肉質の男がそう言った。
 この男こそ、阿部の同僚達のアナルを破壊した男だった。
 「俺の名前はゴッドマラー・山本。貴様のアナルを壊す男だウェーハハハ!」
 「・・・・・・」
 そんな彼を見て、阿部は酷く落胆したような顔を見せた。
 ――話にならんクズ。取るに足らない小者・・・・・・
 どんな男なのかと密かに期待はしていたのだが、これではペニスも反応しなかった。
 「スカした顔しやがって・・・・・・ならこいつを見ろ!!」
 山本は腰に巻いていた布を取り払い、そして露になったペニスを阿部に見せつけた。
 「真珠を埋め込んだこのペニス!貴様はこれをぶち込まれるのだウェーハハハ!!」
 竿全体に真珠が埋め込まれ、イボイボになった山本のペニス。
 それを見て阿部は、こんな反応を示した。
 
 「( ´,_ゝ`)プッ 」
 「て、てめぇ!何がおかしい!!」
 「粗末なペニスに真珠で水増し・・・・・・あまりに小者然としていたのでつい噴出してしまった。失礼」
 「こ、殺す・・・!!」
 『それでは、試合開始!!』
 「うがららぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 開始の合図と同時に、激昂した山本は阿部に突進していった。
 「アナルだけでは生温い!ペニスもろとも粉砕してくれる!!」
 「やってみろ、粗チンが」
 「死ねよやぁぁぁぁぁ!!」
 繰り出される拳、渾身の一撃。
 骨折必至のその一撃を、阿部はなんと指一本で受け止めた。
 「がっ・・・!!」
 「ペニスどころか指一本粉砕できないようだね」
 「こんのぉぉぉぉぉ!!」
 ボコボコにしてやんよバババババ、と繰り出される拳。
 しかし対する阿部は、それらをまるで宙に浮遊する埃の如き扱いでいなしていった。
 「金玉がお留守ですよ」
 「!!?!?!?!?!!?!?!?」
 阿部に軽く金的を蹴られ、山本は膝をついてしまった。
 「その程度でいい気になっていたのかい?まったく、井の中の蛙だってもう少し身の程を理解しているよ」
 「ぐ、くく・・・・・・!貴様など、貴様などアナルに入れさえすれば・・・!!」
 「・・・・・・いいだろう。ならばチャンスを与えよう」
 すると阿部は、くるりと山本に背を向けた。
 「俺をイかせる事が出来たら、俺は負けを認めよう。ただし、イかせる事が出来なかったら・・・・・・地獄を見せてやる」
 「・・・・・・、へへっ。後悔するなよ・・・?」
 山本はばっと跳ね起きて、そして阿部のアナルに真珠入りペニスを挿入した。
 「ふんっふんっふんっ!!」
 激しいピストン運動。山本は恍惚の笑みを浮かべていた。
 「へへ・・・・・・どうだ?その気になれば人を気持ちよくだって出来るんだぜ俺はよぉ!!」
 「・・・・・・ふっ。ならば己の目で確かめるがいい」
 そう言って阿部は自身の暴君を指さす。
 肩口からそれを覗き込んだ山本は、驚愕の表情で叫んだ。
 「こ・・・・・・頭を垂れている!!!?」
 阿部のペニスは、萎えに萎えていた。
 「理解したか?これが貴様のテクだ。そのような乱雑なピストン運動では俺をイかせる事など永劫に不可能だ」
 「ぐぐぐ・・・・・・」
 「さて・・・・・・では約束どおり地獄を見せる事にしよう」
 「――!?」
 その言葉に慌てて身を離そうとする山本。
 
 しかし、山本のペニスは阿部のアナルから離れなかった。
 「ぬ、抜けない――!?」
 阿部のケツ圧に締め付けられ、山本のペニスは阿部のアナルから抜けなくなっていた。
 「き、貴様何を――」
 「言ったろ?・・・・・・地獄を見せるってな」
 ギチギチギチと、山本のペニスに過剰な負荷が掛かる。
 「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 「まだまだ、ここからが本当の地獄だ・・・・・・」
 ギチギチギチ・・・・・・
 「わ、分かった!俺の負けだ!だから許してくれ!」
 「・・・・・・ふっ、」
 山本の悲痛な叫びに、しかし阿部はケツ圧を緩めない。
 そして阿部は、彼にこう告げると同時にフィニッシュに入った。
 「そうやって許しを乞うた者のアナル、貴様はいくつ陵辱した!!!!」
 ミ゛ ヂ ッ !
 「あqwせdrftgyふじこlp;@!!!!!」
 同時に体が解放される。山本は股間を押さえ、涙目で声を上げていた。
 「これが貴様の所業の代償だ」
 ケツから赤黒い液体を滴らせ、阿部は山本にそう言い放った。
 
 ハッテン遊技場、VIPルーム。
 「おやおや、これはいけませんねぇ」
 山本の敗北が確定し、そしてマルキオはそう呟いた。
 「彼の借金は・・・・・・」
 「七億です、マルキオ様」
 「七億、ですか・・・・・・それはいくらなんでも許容は出来ませんね」
 そう言うとマルキオは、VIPルームの出口に向かった。
 「ど、どこに行かれるおつもりですか!?」
 「なに・・・・・・負債を回収にちょっと、ね」
 
 『こ、この勝負・・・・・・阿部高和の勝利!』
 同時に沸きあがる歓声。阿部のあの行いに皆が熱狂していた。
 ――腐っているな。
 観客は皆資産家であり、こういった非合法な武道会を趣向としていた。表では決して見られない、残虐な試合。
 ――ま、後で全員掘るという事で。
 そして阿部が戻ろうとした時、闘技場にある男が入ってきた。
 「すみませんが阿部さん。このまま帰すわけにはいきません」
 「ひゅう♪なかなか良い男じゃないの」
 マルキオ導師。世捨て人とは仮の姿、プラント、地球に根付く高利貸しの金融屋『マルキオ金融』の会長である男だ。
 「で、阿部さんに何か用かい?」
 「ええ。七億という負債、このままチャラにするわけにはいきませんからねあなたには私と勝負してもらいます」
 「へぇ・・・・・・さすが悪徳金融、考える事が汚いね」
 「いえいえ、もちろんタダでというわけではありません。あなたが勝利した暁には、借金帳消しの上あなたの願いを何でも一つ
 聞いて差し上げましょう」
 「ひゅう♪大盤振る舞いじゃないの」
 
 「それで、あなたの願いはなんですか?」
 「そうだねぇ・・・・・・じゃあ、ここに連れてこられた者達全ての借金をチャラ、ってのはどうだい?」
 「おやおや、随分な要求ですね。・・・・・・いいでしょう」
 するとマルキオは、自身の服を脱ぎ去った。
 屹立するはマルキオの暴君。見目麗しいそのペニスは、『砂時計の捕食者』の名に恥じないものだった。
 「まぁ、私に勝てたら、の話ですけどね――」
 そしてマルキオが阿部に突進する。その速度は山本の比ではなかった。
 「やってやろうじゃないの――!」
 あえてかわさず、迎え撃つ姿勢の阿部。
 そしてマルキオの体に触れようとした時――
 「――おおっと!?」
 「甘いですよ」
 まるで流水の動き。ゆらゆらと姿を揺らしながら、マルキオは阿部の手から逃れた。
 「小癪じゃないの!」
 「今度はこっちから――」
 マルキオは歩幅を小刻みに変えつつ阿部の周囲を走る。
 するとまるで分身したかのように、マルキオの姿が増えていった。
 「ならば俺も――!!」
 対する阿部は超高速で走り回り、質量を持った残像を発生させた。
 交錯するゲイの分身。互いが互いを掘り合い、そしてそれらは霧散していく。
 「なかなかやりますね」
 「おまえこそな。しかしこれじゃあキリがない・・・・・・」
 互いに本体には決定打を与えられず、分身を発生させては消費するという不毛な試合になっていた。
 「――ならば!!」
 すると阿部は、今度は足を地面に擦らせながら走った。
 「――!?」
 舞い上がる闘技場の破片。あっという間に闘技場は、阿部の起こした砂埃によって包まれた。
 「子供だましですね・・・・・・」
 しかしマルキオには何の障害にもならなかった。
 ママレモンで失った両目の光。相手の体温や鼓動を感知して動くマルキオには、砂埃など意味を持たないのだ。
 「――そこです!!」
 気配を的確に察知し、そしてマルキオはアナルを貫いた。
 「ンギモッヂィィィィ!!」
 「――!?」
 ――しかし、それは阿部のアナルではなかった。
 「これは・・・・・・山本!?」
 「チェックメイトだ」
 そしてマルキオの背後には阿部。両肩をがっちりと掴まれ、アナルにペニスを当てられていた。
 「・・・・・・一体どういう事でしょう?」
 マルキオには何が起きたのかさっぱり分からなかった。
 
 「簡単さ。おまえは俺と山本を間違えたんだ」
 「それが不可解なのです。私が感知した気配は一つしかなかった・・・・・・これが山本ならあなたは一体
 どこにいたというのですか?」
 「山本のすぐ傍、さ。気配を消しておまえが来るのを待っていたんだ」
 「馬鹿な・・・!私は気配のみならず体温や心臓の鼓動も察知できるのですよ!?」
 「だったら体温や鼓動も消せばいい。簡単な話じゃないの」
 「本当に人ですかあなたは・・・・・・?」
 「もっとも、本来のおまえなら俺と山本を間違えるなんて事はしなかったろうさ。だから俺は起こしたのさ・・・・・・
 おまえ相手には全く意味の無い、砂埃をね」
 「・・・・・・気付いていたのですね、私が盲目であると」
 「阿部さんの目は誤魔化せないよ。そして砂埃が起こった時、おまえはこう思った。「無駄な事を・・・・・・」と。
 そこでおまえは思い込んだのさ。・・・・・・砂埃に乗じて襲ってくる、とね」
 「・・・・・・」
 「そしておまえはそれを逆手に取ろうとした。おまえが砂埃に目が眩んで攻撃出来ないと思っている俺を、
 逆に狩ってやろうとね。そこでおまえは驕ったのさ。馬鹿な男、こいつは自分の足元にも及ばない、と」
 「なるほど・・・・・・だから思い込んでしまったのですか」
 「そう。だからおまえは、闘技場にある気配を俺だと思い込んだ。冷静になれば簡単に見抜けるはずの気配の違い、
 驕りによって判断力が鈍ったのさ。そしておまえはまんまと山本を貫き、その結果がこのザマさ」
 「・・・・・・」
 その時マルキオは全てを悟った。
 全ては阿部の手の平の上、あまりに格が違い過ぎるのだ、と。
 「さて、じゃあそろそろイかせてもらうよ。あと、約束は守れよ?」
 「私の名に誓って」
 「それじゃ――フンッッ!!」
 「ア ッ ー!!」
 砂時計の捕食者、マルキオ。ついに彼は、阿部という捕食者によって喰われ果てた。
 
 数日後。
 「阿部さん、本当にありがとうございました!!」
 『ありがとうございました!!』
 約束どおり、全員の借金は帳消しになった。
 阿部の精液によりアナルを壊された者は皆回復し、彼らは阿部に精一杯の感謝の言葉を述べた。
 「気にするな。当然の事をしたまでだ」
 あの後観客全員を掘った阿部は、ついでに地下闘技場もぶっ壊してきた。
 もうあのような悲劇は二度と起こらないのだ。
 「それじゃあなホイットニー。達者で暮らせよ」
 そう言って皆に背を向け、歩き出す阿部。
 「阿部さん!僕も一緒に――」
 「やめておけホイットニー」
 「ブラウンさん・・・・・・」
 「おまえがついていっては阿部さんの迷惑になる。あの人は俺達の価値観じゃ計り知れない程のお人なんだ」
 「・・・・・・そう、ですね」
 そしてホイットニーは、阿部の背中を見えなくなるまで見送った。
 その背中を見て、ホイットニーは思った。
 ――あれこそが、真の良い男の背中なのだと。
 
 
 スペシャルエディション 『良い男の挽歌』
 ――完
 
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