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Ace-Seed_626氏_第06話

Last-modified: 2013-12-25 (水) 20:49:10

サーペントテールの襲撃後
機体の改修案を基地のメカニックに渡し、パーツの完成品が来るのを待ちわびていた。
技術的にはまるで問題ないそうだが、ここでは作りきれないためアルテミスで作ることになった

輸送等を含めて1週間ほど…今日で待ち始めて5日――あと2日だ
たった5日ほどで作れるものだとは思えないが…早いのはうれしいことだ
それを待ちわびていたところに作戦が来た…

「L1周辺には 未だ頑強な抵抗を続ける ロゴスの残存部隊が留まっている
 敗走しながらも抵抗を続ける敵軍は ダイダロス基地を最後の砦と位置づけ
 最終決戦準備をしているとの情報が入った 今作戦では 諸君らにその補給路分断作戦に向けた
 敵勢力排除を願いたい 作戦合流地点である ポイント203に向かえ」

いつもどおりの口調の司令官のブリーフィングを終え、作戦は始まった

…しかし……

≪PJ 彼女とは再婚になるのか?≫
≪初婚です!≫
≪おい、PJ 無線で彼女と話したりするなよ≫
≪任務中はそんなことしません!≫
≪で、今の彼女で何人目だ? 初めてか?≫
≪ハイスクールの時にもガールフレンドはいましたよ!≫

クロウ隊1,2番機が3番機のPJとその彼女について駄弁っている
馴染み深くなってきたクロウ隊の面子だが和みすぎのような…まあいい今回は楽な任務だ
危険宙域のB7Rは通過した、敵はいない放っておいてもいい

そういえばPJが地球で買ってきた花は結局、検疫ではじかたらしい
それにめげずにPJはいくつかをドライフラワーにして彼女に送っていたそうだ
彼女は喜んでいたらしく仲はかなり深まっているそうだ。それに対するひがみ…ハイスクールか?ここは
並行しながらそんなことを考る

≪ガルム2 どうした?遅れているぞ≫

とその通信で後方のレーダーを確認する
…本当に遅れている

≪大丈夫だ すぐ追いつく≫
≪こちらクロウ隊のPJ ガルム2 機器に不調でも?≫
≪いや…ただ悲しいだけだ≫

?悲しい 何が?

≪連合軍作戦本部より緊急入電 核を搭載したロゴス攻撃部隊が ヴァレー基地方向に向けて飛び立った≫
≪なんだって?≫

核…?…この期に及んでまた、あんなものを使うか…PJの声が裏返っている
考えている間にアップロードされた作戦内容を確認し、その方角に機体をフルスロットルで向けていた

≪攻撃機は本宙域に接近中 ガルム クロウ隊は迎撃に向かえ≫
≪クロウ1了解≫
≪クロウ2迎撃に移行する≫
≪絶対に阻止してやる…ガルム1速い!≫

その緊迫した雰囲気の中、一人だけずれたことを言っているのが聞こえた…

≪いっそ全部吹き飛ばしてくれたら――戦争なんて…こんなばかげた茶番は終わるのにな≫

"いっそ全部吹き飛ばしてくれたら――"
今日のピクシーの様子はおかしい…だが、目の前のコレが先だ

「ガルム1 エンゲージ」
早速、バレルロールをしつつ先頭の1機にすれ違いざまビームを叩き込み、撃ち落す
核を積んだウィンダム、メビウスあわせて7~8ほど…攻撃にしては少ない
ほかも入れてざっと20。
…考えるのは後だ、まずはこいつらを叩き落す

≪サイファー突出しすぎだ クロウ隊、ガルム2急げ、ガルム1を孤立させるな≫

忠告を無視してそのまま敵部隊のど真ん中に入り
手近な一機の片腕を切り離しそれを盾にしつつ何機か狙撃、それを蹴飛ばした反動ですぐに別の場所に動く
一対多の戦いで止まることは許されない 止まった瞬間に死ぬ
後ろ側の敵機が撃ってくるが、横滑り、縦移動を駆使して――的を絞らせはしない
敵部隊の中央にとどまらずその編隊の中に出たり入ったりを繰り返す

≪くそ、鬼神か――≫
≪撃墜確認! 神速の攻撃!――すごい≫

敵の無線とPJの感嘆を聞きながらレーダーを見る
ピクシーも交戦区域に来た
「ガルム2、打ちもらした敵機を落とせ。兵装制限を解除する」
≪…了解、任せておけ≫

ヴァレー基地の方向に向かった敵機が消え始めた ピクシーもどうやら仕事はしている
数機の編隊がまたこっちに来た、増援…来るならこい

≪警告する 直ちに進路を変更し基地へ引き返せ さもなくば撃墜も辞さない≫
≪貴様らまで裏切るかコーディネーターに組する者を討つどこが悪い!≫
≪同じナチュラルさえ撃つ気か?もはや正気ではない≫

混線した無線が入ってきた…何機か後から来た部隊が、先に来た者たちを撃ち始めた

≪敵が仲間割れを起こしている!?≫
≪好都合だ 利用させてもらおう≫
≪混乱の隙を突いてやれ!≫

そのクロウ隊の声と共に、味方同士で撃ち合っている敵のうち先行隊に攻撃し始め数分
何とか先行してきた部隊を全滅させることが出来た…
10機落としたあとは数えるのを忘れた

≪全機撃墜を確認 やったぞ!≫
≪俺達傭兵にやれない仕事は無いぜ≫
≪ざまぁみろ! ロゴスのバカやろうめ!≫

クロウ隊のメンバーがそれぞれ歓喜を上げている
その横でオレは攻撃を阻止に協力してくれたパイロットに先の事を聞いていた

「援護してくれた。パイロットたち、援護に感謝する、この先どうする?どこか行くのなら見逃すし、
 投降するのならば今回のことを考慮されるだろうから悪い様にされないと思うが?」

≪――投降する あの組織には愛想が尽きた ナチュラル最高の集団だと思っていたんだがな…≫

あのジブリールの作った組織だ…優れた兵士を口八丁、手八丁で集めたんだろう。
ヤツらしい…まるで変わってない

≪どうした?おい、どうすればいい≫
少し考え込んでしまったようだ…

「いや、すまない。では、こちらの上官に問いあわせ…」

≪ん?何だ?≫

PJのその声と共に辺りを見回す
クロウ隊3番機の見ている方向――プラントの方向に一筋の光が向かい――コロニー数個に直撃した

「アレは…」
≪うわさは本当だったのか?!≫
≪おい、アンタどういうことだ≫

アレがヤツの奥の手か…オーブで逃がしたのが悔やまれる
突然レーダーの範囲の限界あたりに1機現れた…今まで見たことないIFF…

≪ラリー 聞こえるか シンデレラをお迎えに来たぜ≫

≪あんな光景の中 よくそんな言葉が言えるな≫
≪今日はお前の誕生日みたいなものだ≫

その機体とだろうか…ピクシーが誰かと喋っている?

≪お迎えの馬車引きがお前か 待っているのは地獄か……相棒…俺は…戦う理由を見つけた≫

その言葉と同時にクロウ隊のいる方向で爆発が起きる

≪ガルム2何をやっているんですか こっちは味方です≫

PJのがなり声が聞こえる
ビームがこっちにとんできて投降するといった者の反応が半分に減った だが敵機はどこにも…
――ロックオンされた?正気に戻ると同時にこっちにもビームが飛んできた 慌ててそれをシールドで受け止める

≪ガルム2何をしている それは敵じゃない 攻撃を中止せよ くり返す ガルム2 味方への攻撃を直ちに中止せよ!≫
「ピクシー?おい!……戦う理由?ふざけるのもいい加減にしろ。」

司令部とオレの無線に対しても――無言
ピクシーの機体はアンノンのいる方向に向かっている 追いかけようとすると
核攻撃部隊の来た方向から無人機を入れて6機ほど来た…

≪警戒!敵増援を確認した!敵部隊の増援を叩け≫
「――くそ、ガルム1エンゲージ」

――増援はさほど問題なく片付けるコトができた。
ただ、ピクシーの攻撃で半壊状態に追い込まれていたクロウ隊1,2番機は撃墜されPJのみになり
投降しようとしていた彼らも落とされてしまっていた

≪敵 全機撃墜を確認 帰還しろ クソッ 皆狂ってやがる≫

司令官の指示を聞き帰還コースを取る…
その後のデブリーフィングで司令官が

「作戦中に消息を絶ったガルム2に関しても 未だその生存の有無は不明
 捜索は続行するが 生存の望みは薄いであろう」

そう言っていたが……増援を落とし終えたとき確かにオレは聞いた

≪悪いな ここでお別れだ≫

と……
クロウ隊の1,2番機は堕ちた "片羽の妖精"はどこかに去った
あれだけの仲間と共に飛ぶことは、もう、ないのだろう…そう思うと空しかった

――CE82 ある戦場の最前線

「ここまでだな…オレがアイツと共にとんでいたのは…。
 場数を踏む度あいつの強さが目についた ひたすらに強い。最後に仲間として飛んだときのあいつは、
 まさに"鬼神"そのものだった。
 瞬時に戦況を見極め―戦況を変える戦いの申し子、鬼神と呼ばれるのも納得だ。並んで飛ぶこっちは苦労するがな」

そういいつつポケットを弄りはじめる――に三箇所ほど探したあとに
「…煙草がない…おい、持っているか?」

そういって入り口近くにいる仲間に呼びかける
呼びかけられた仲間は無言で"片羽"に向かって煙草を放り投げる 顔は俯いているのではっきりと分からない
先ほどまでのインタビューを聞いていたのだろう黙って座っていたその男は顔を上げ

「隊長、あの人が"戦況を変える戦いの申し子"といってますけど、僕は冷徹さとプライドを併せ持っていた人だと思ってますよ。」

そういってきた…その顔…どこかで見覚えがあった それを考えるまもなく、傍らにおいてあったAIが
『"あの演説"の時に"クライン"の隣にいたヤツだ。』
大騒ぎしつつ説明する

――あの演説…講和条約が結ばれたとオーブの代表とプラントの新議長の演説…
この男はそのときに映っていた

その演説のあと、講和条約終結地のオーブ・アカツキ島が"謎の自然災害"に見舞われた。
その後、各国の軍隊がL4のはずれに集結して、大規模な戦闘が行われたのは観測されているのだが、
『手を組んだロゴス、デュランダルの残党テロリスト掃討作戦を行った』の一点張りである。

また、そこに出向いた兵士、そこで戦死した兵士のコトを説明されたはずの遺族に取材が行われたことは多々あるのだが、
皆、今でも一様に口を閉ざすばかりである
俺自身その直前にそこに行ったが"片羽"に撃ち落されて詳しく張らない――

目の前の男の風貌はもうかなりのベテランの兵士という顔・体つきだが
よく見ればあの時、映っていた少年の面影が残っている…

今のオーブは大西洋連邦の管理下、プラントは地球連合の保護国…半独立国扱いとなっている。
オーブの代表はただのお飾りとなった。
…そうなったのはオーブが連合の保護を宣言して2~3年ほどした後のことだ
それまでの数年、わずかの絶頂期の初期、重要な位置を占めていた人物とされている者がここにいる…
あれこれ考えていると向こうでは舌戦が繰り広げられていた

「――黙って居ろと言っておいたはずだ。お前の居どころを探している連中はまだ居るはずだぞ!?」
「"あの人も"それは同じことしょ?隊長が言ったように、僕のことをどうするか判断をするのはこの人たちに任せます。
 その結果、僕が"彼ら"に追われることになってもかまわない。ただ、"あの人"のことは僕も知っているから…それを…」
「…わかった。まったく、…仕方がない。」
「…すいません」

そんなやり取りを終えこちらを向く

「話の腰を折ってしまってすみません。あの人に会って、僕は今の生き方を選んだから…話させてくれないかな?
 ただ、僕のことオフレコにして欲しいんです。」
「俺からも頼みたい、こいつを持ち上げて何かしようって連中がまだいるからな。」

よほどの事情があるのだろう。今度は"片羽"が言ってきた
…その事情も知りたい。野次馬根性がうずく

「かまわない。まずは名前を聞かせてほしい。あと出来れば"連中"っていうのも聞かせてくれないか?」

そういうと少し沈黙したあと

「分かりました…ただ、今思えば"騎士団"の当時の僕は、理想の象徴のひとつ、優れたパイロット、そう扱われていただけ…。
 抜けたのは10年前ですから…きっと今は、様変わりしているはずです。
 全容を話すコトはできません。それでもかまいませんか?」

それに対しうなずいたのを確認し

「キラ・ヒビキ。いまではこう名乗っています。
 "あの人"は…とても厳しい人でした。会ったのは【残党テロリスト掃討作戦】と世間で言われている戦い。
 あの戦いはそう言われていますが…実際はまるで違います。
 ……"目的に利用され…使い捨てにされた存在"の復讐……。こういったほうが…正しい。
 …だから……その"目的"であった僕は…何も出来なかった。することを許されなかった…。」

そういって苦笑を浮かべる…一体あの戦いで何があったのか…
"片羽"はその隣でどこか遠くを眺めている

「…出来ればあなたが調べた"あの人"のこと、教えてくれませんか?絶望を味わっている人はいくらでもいる…。
 そして、絶望しても…それでも…あきらめない。それを思い出させてくれた人ですから…」

俺の調べたことを聞かせてくれといっている…"片羽"もこちらを見ている
聞かせて貰っているお礼だ。もちろんかまわない。彼らの語る話に加え、自分の知る限りの話を語り合い始めた。

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