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CEvsスペゴジ第02話

Last-modified: 2014-03-10 (月) 15:45:20

新たにネタをひとつ







オーブ首長カガリ・ユラ・アスハは呆然としていた

議長であるラクスからプラントが破壊されたと言う知らせを受けたからではない。

そのプラントを破壊したのが隕石ではなく生物だからでもない

その生物が自国で虐殺行為を行っていたのを見たからでもない



それらの事件のときは呆然としてはおらず、生物と自分のふがいなさに怒り狂っていた。

しかし今、目の前で起こったそれはその怒りの炎さえも消し飛ばすほどのものだった。











生物が飛来して5時間後

オーブ司令部において軍事会議が開かれ、生物に関する最新情報が一部将校たちに提示されていた。

生物は依然として町に陣取り、それ以上の動きを見せてはいない。

生物の周辺にはMSをはじめとした機動兵器を無力化する特殊な力場が発生している。

その力場がどのような原理にもとづいて発生しているかは不明

これらの情報は最新とは言うものの、二時間前に開かれた軍事会議で聞いた内容と大して変わっていない。

違ったことと言えば、72時間後にザフトから心強い増援がくることぐらいだろう





ザフトからの援軍、それはラクス・クライン直属の部下二人とその二人専用の機体である

ヤキン・ドゥーエのフリーダムの後継機ストライクフリーダムと、生きた伝説とまで言われるキラ・ヤマト

フリーダムの兄弟機ジャスティスの後継機インフィニットジャスティス、キラの親友であるアスラン・ザラである。



会議に参加した将校たちの多くは、彼らが来ることを願い事がかなった子供のように喜んでいた。

カガリもその一人だ。

しかし、喜びに満ちた空間の中で一人だけしかめっ面をしている人間がいる。

現サハク家の長である、ロンド・ミナ・サハクである。



ミナは正直、地球圏最強のエース二人でもあの生物を倒すことは出来ないだろうと思っている。

あの生物は、常識を遥かに超えた存在であることはプラントを破壊したときに立証されている。

さらには、オーブの大地に幾千幾万の結晶体をわずかな時間で作り上げ、

こちらの戦力を完全に無力化するほどの能力を持つだけでなく、

わずかな時間で多くの命を容易く奪い去るだけの戦力を持っているのだ。

それをどんなに強くとも所詮は人間とMS、それもたった二人だけで挑むのはあまりにも無謀だ……と。





本来ならここでそのことを言うべきだろうが、カガリとその取巻き将校は 聞く耳を持たないだろう。

過去に何度か内政に関して意見したが、カガリはその話をまったく聞かず、

取巻きの将校も同じで、何度か反乱分子と見られたこともあった。

いっそのこと、本当に反乱を起こしてしまおうかと思ったこともあったが

前大戦の傷が完全に癒えていない中でそのような無謀をする気にはならなかった。





それはさておき、現状でオーブがやるべきことは、力場の中でもMSを動かせるようにすることであろう。

ミナはその要点を各将校に説明した後、会議が終了すると早々と部屋から出て行った。







オーブでの会議から20時間後





町には血の臭いしかしておらず、動くものは生物だけ

……である筈だがその町の中、悠然と動く小さな影が動いていた。

…もっとも小さいと言えど、それは生物に比べてみてだが。

その影の正体はオーブの所有するM1アストレイ…に酷似した蒼色の機体である。

しかし、MSがこの場にいるとある疑問が生まれる。その疑問とは

『なぜ、この町の中でMSが動けるのか?』

『そしてなぜ、このような危険地帯にいるのだ?』

と言うものである。

実はこのMS、約10時間前に完成したAFS…アンチフィールドシステムを装備しているため、

町の中でも動く事が出来るのだ。

アンチフィールドシステムとたいそうな名前がついてはいるが、

元々は対グングニール用に開発された防御システムを改造しただけである。

そしてこの町にMSがいるのは、この機体に搭載されたAFSの効果検証のためでもある。





「まさか、ここまで悲惨な状態とはな」

蒼いMSのコクピットの中、不意にパイロットが呟く。

パイロットの名は叢雲劾(ムラクモ・ガイ)

彼の駆る蒼いMSはアストレイブルーフレームセカンド

彼は凄腕の傭兵であり、これまで数々の修羅場を潜り抜けてきた。

しかし、この町の惨状はこれまで見てきたどの戦場よりも悲惨なものだった。

だがそれ以上に、先ほどから感じる異様な空気が気になっていた。

今回のミッションはあくまでも、AFSの効果を調べるだけというこの上なく簡単なものである。

にもかかわらず、この町の空気はこれまでの戦場とは比べ物にならないほど重苦しいものであった。



AFSの効果検証はまだ十分ではないにせよ、一旦帰還するべきだろうと考えていると

先ほど感じていた空気が一転、全身を焼き尽くすほどの殺意が全身に浴びせらた。

(ここにいてはまずい!)と本能が劾に警鐘を鳴らすと同時に、劾はブルーフレームを動かした。

ブルーフレームが動いた数瞬後、先ほどブルーがいた場所を無数の結晶体が降り注いでいた。







ふと、上空を見上げると数十時間前にオーブへと飛来したあの生物が『浮いて』いたのだ。

なぜ、あの巨体が航空力学を完全に無視した形で浮いているのだ?

と言う疑問が頭に浮かんだが、その考えは再び襲ってきた結晶体に対応するため

即座に放り投げた。







ここに、非公式ではあるが地球圏初MS対宇宙生物の戦いが始まった。