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Canard-meet-kagari_第02話

Last-modified: 2007-11-10 (土) 21:28:16

第2話

「お前!知ってるんだな!アイツの事を!!」
「キラじゃないのか?」
 赤いパイロットスーツの男が困惑するのは無理がない。彼の良く知った人物と目の前の黒髪の男は良く似ていたからだ
 黒髪の男は、困惑している目の前の男に、彼が長年探し続けた男の事を聞きだそうと拳銃を構える爆発が、すぐ近くで起こり、赤いパイロットスーツの男がバックステップで離れる。
「待て!」
 威嚇に数発、発砲するがパイロットスーツの男は構わず、隣のMSに乗り込んだ。男は追いかけようとするが、すぐに考えを改める。あたり一面は炎に包まれており、パイロットスーツの男がMSに乗ったのなら、自分ひとりではどうにも出来ないと考えたからだ。
「逃がすかよ」
 そう言って、自分もすぐ近くにあったコクピットのハッチを開きパイロットシートに飛び乗る。
「ま、待て、私も!」
「ち、ちょっと君」
 少女と作業服の女も続いてコクピットに入る。男は気にせず、機体のOSを立ち上げていく。
 ツインアイを転倒させ、その機体はゆっくりと立ち上がっていく、そして立ち上がったと同時に一際大きな爆発が起こり
炎の中に、シンプルながら力強いシルエットを映し出した。爆発の中から、鋭角的なシルエットの機体が飛び出す。あのパイロットスーツの男が乗った機体だ。
 その機体に、ジンが駆け寄り肩に手を乗せ接触回線で通信を入れる。
「意外と遅かったな、アスラン」
 アスランと呼ばれた男は、同僚の陽気な声とは逆に真剣な声で
「ラスティは失敗した、もう一機のMSには地球軍の仕官が乗っている」
「何!」
 ジンのパイロットは驚きの声を上げた、殺されたラスティは赤を着るパイロットであり、MSの操縦だけが秀でている自分と違って、総合的な戦闘技能を持つ人物であったからである。
「解ったアスラン、もう一機は俺に任せてお前は先にそのMSで離脱しろ」
「しかし…」
「今回の任務は、新型MSの捕獲のはずだ、お前は任務を終えたんだからさっさと帰還しろ」
「…解った、気をつけろよ」
「心配するな、俺は『黄昏の魔弾』、ミゲル・アイマンだぜ」

 先程の男の事が気がかりだったが、アスランは機体のスラスターを噴かせ、離脱させようとしたその時、もう一機のMSが爆煙の中から現れた。
「せっかく見つけた、アイツへの手がかりだ、逃すか!」
 追いかけようとする、そのMSの前にミゲルのジンが立ち塞がる。
「お前の相手はこの俺だ!」
 重斬剣の一振りを、そのMSは寸での所で回避する。
「クソ、何だこのOSは!まるで使い物にならないぞ!」
「しかたないでしょう、そのOSはまだ未完成なんだかから」
 男の酷評に、作業服の女が反論する。
「せっかく、こっちが時間を作ってやったんだ、もう少しましな物を作れ」
 男は武器をライフルに持ち替えたジンの攻撃を回避しつつ、右脇のキーボードを取り出し、驚くべきスピードでOSを書き換えていく。
(キャリブレーション取りつつ、ゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定……、
  クソッ!なら疑似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結だァ!
  ニュートラルリンケージ・ネットワーク、再構築ッ!
  メタ運動野パラメータ更新ッ!フィードフォワード制御再起動、伝達関数!
  コリオリ偏差修正っ!運動ルーチン接続!システム、オンライン!ブートストラップ起動!)
 OSの書き換えが完了に近づくのにつれ、MSの動きは、よりスピーディーに、よりしなやかに洗練されていった。そして、OSの書き換えが完了し、サブモニターに
G eneral
U nilateral
N euro - link
D ispersive
A utonomic
M aneuver
___Synthesis System
の文字が浮かび上がる。
「GUNDAM」
 頭文字を読んだ少女の言葉に、男は
「フッハハハハハッ、ガンダムか、悪くない名前だな、気に入った!!
さぁ、遊びは終わりだ、派手に行くぞ!!!」
 男がコクピットの中のボタンを押すと、それまで灰色だった装甲が白く変わっていく。
「そんな、こけおどしでーっ!!」
 ミゲルは、ライフルの全弾を敵機に向けて叩き込んだが、弾丸は全て弾かれる。
「効かん!、効かん!!、効か――ん!!!」
 腰に収納されたアーマーシュナイダーを抜き放ち、すれ違いざまにジンのライフルを真っ二つにする。男はコクピットの中で今まで感じたことのない一体感を感じていた。
(これだ、この感じ、ろくな整備のされてないジンとは訳が違う、俺の思った通りに動いてくれる、コイツをずっと待ってたんだ)
「調子に乗るな!!」
 ジンが重斬剣で斬りつけてくるだが、ガンダムと一体となった男の敵ではなかった。
「邪魔だぁ―――っ!!!!」
 右手のアーマーシュナイダーでジンの腕を切り落とし、左で胸を貫いた。ミゲルがとっさに機体を沈ませなければ、コックピットを貫いていただろう。
 彼は行動不能になった機体の自爆装置を起動させ、脱出する。
「待て!」
 男は機体の手を伸ばして、捕まえようとするが直後にジンが爆発し、男の意識はそこで途切れた。