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DEMONBANE-SEED_ですべのひと_04_5

Last-modified: 2013-12-22 (日) 19:28:36

「そうそう、そこに頼むでー」

「わかりました……っと」

 今、俺はミラージュコロイドの解けた敵MSを回収している。

 あの見えないMSの正体は、黒いダガータイプだった。

 何故か連合の機体ばかりがこの世界に来ているような気がする。

 まあ、それは気にしても仕方のない事だけれども。

「……そういえば」

 あの感覚。

 戦闘中に、たまに頭がクリアになるような感覚を、また感じた。

 今回の逆転もそれからだ。そもそもあのMAとの戦いから、何度もあったこと。

 ただ、今回は微妙に違う。

 感覚だけで、ミラージュコロイドを看破した。

 今までそんな異能染みた事をこなしたことはなかった筈だ。

 あくまで人間のできる範囲での動きだった筈。

 とすれば、あの感覚は何だ?

「説明が必要ですか」

 誰ッ!?

「どうされました、主」

 声は肩の上から。いたんだ、君ら。

 ロイガー(ちび)とツァール(ちび)。

 結局こいつら急に出たりいなかったり、結構でたらめだな。

「単刀直入に説明しましょう」

「主には、魔術の潜在能力があります」

「それが突発的に覚醒した、それだけです」



 魔術の潜在能力が、俺に? 才能じゃなくて?

「魔術師の闘いは自我と自我の闘いです」

「主は自我、つまり意識が極限状態になると無意識に意識を周囲に広げることができるようです」

「そして、全てを観測・把握して自らの有利な状況に現象を捩じ曲げます」

「魔術の学習により完全となった『魔術師の覚醒』です」

 ……正直、あまり理解できない。ああいうのは理屈じゃないし。

 強いて言うなら―――

「火事場のバカ力?」

「「恐らく似たようなものかと」」

 なんとなく納得した。

「ところで、お前達は何処にいたんだ?」

「「武器に」」

 ああ、こいつらロイガーにツァールだった。

 つまるところ武器と同一存在か。

「シンちゃん、何しとんねん!」

 あ、やべ。作業に戻らなきゃ。



 結局回収し終わったものは、フレームの損傷具合から組み上げられそうになかった。

 そこまであっても操作できる人がいなきゃ厳しいけど。

 チアキさんは微妙に残念そうだった。

 ただ、ミラージュコロイドは使えるか?

「やめておけ。奴は自らが使った技への対抗策を知らないとは思えん」

「アル、本当にあの○○ガ○はそんな天才なのか?」

「うつけ。人格で敵を侮るな。確かに奴は人格に問題はあるが、

 断鎖術式の模倣すら成し遂げた男だ」

 そんなことまで。想像はできそうでできない。

「それにあのMS、ビームの銃器に魔術的要素が組み込まれておる。

 デモンベインに対抗するためにな……って、汝?」

 俺はチアキさんのところにすっ飛んでいった。

 魔術的要素がインパルスのライフルに組み込まれていれば、この先魔術を使う敵に対抗する時に楽になるかもしれない。

 なんせ敵は犯罪組織。話を聞く限り幹部は本物の鬼械神を所持。

 できる限り強化しておいて損はない。



 機体の強化の次はパイロットの訓練。

「今日はロイガーとツァールの武器を招喚してもらおう。ただし人間サイズだ」

「何故そんなことを?」

「汝……魔導書の補助がなければ相当難しいものだぞ?

 まず一度やってみせてほしいものだな」

 そんなことを言われても、インパルスのサイズだと魔導書なしで自然にできたわけだし。

 まあ、文句を言っても仕方はない。

 武器の錬成―――ロイガー、ツァールのイメージ―――



「―――主」

 あ、あれ? 錬成しようとしてからどうなったんだっけ、俺?

「主?」

 記憶がない。完全に抜け落ちている。

 どうなったんだ、俺。

「単刀直入に説明しよう。

 汝はロイガーとツァールの形を自然と意識した、それまではよかった。

 だが、情報量に頭がついていかず倒れ込んだ。これが汝の舐めきっていた魔術だ」

 ……まだ頭が重い。

 何事も舐めてかかると大変な目にあうんだな。目の前がまだ真っ暗だ。

「おーい、タオル持って来たぞ……?」

 やってきた九郎の声が途中で切れる。

「……どちら様で?」

 誰か知らない人がいるのか。状況を確認しようと目を開けてみると。

「主、無理に目を開けてはいけません」

「まだ情報量が多すぎます」

 言われなくとも目は閉じるさ。

 というか、何で大きくなってるんだお前ら。

 アルと同じくらいに。

「どうやら精霊に魔力が逆流したようだな。

 なに、安心するがよい。今のロイガーとツァールに毒はあるまい。

 汝の体力が戻り次第調節すればよい」

 ああ、そうですか。

「ただな。その大きさまで来ると、顕現されている邪神の属性が強く出るのだ」

 へえ、どんな?

「ロイガーとツァールの呼び名には―――『双子の卑猥なるもの』というものがあってな」







 ……はい?

 つまりは、どういう事で?

「うん、まあ……時が来たら頑張れ」

「妾の断章の行動だ、一応骨は拾っておいてあろう」

 ちょ! シャレにならないから!

「「主」」

お前達は不安材料だから黙ってくれ! ああもう、不条理だ!



 ―――結局、元に戻るまでにヒドイ目にあった。

 ぺたんこじゃなかった。





 足どりもふらつく帰り道。

 早く帰って休みたい。ヘトヘト。

 今日はもう洗い物とかする余裕はないな。明日はライカさんのところに行くか。

 しかし……

「どうされました、主」

「まだ疲れが酷いのですか」

「主にお前らのせいでな」

 こんな日常を過ごせたのは、確かに俺の力だ。

 俺が自分の力で、街を護った。

 誰かさんが今の俺を見たら、ヒーローごっこだと言うんだろうな。

 ただ、俺はそれでもいいと思っている。

 ヒーローごっこだろうが、誰かが悲しむようなことがなければ。



 大黄金時代にして大暗黒時代、そして大混乱時代のアーカムシティ。

 俺の滞在記は、まだまだ続く。多分。



PHASE-4「PRIDE」

phase shift down...







    ― 次回予告 ―

舞台は変わってインスマウス。

ここぞとばかりに遊びまわるシン達であったが、やはり事件は彼らを襲う。

散り散りになる仲間達。人の意外な素顔。

そして、狂った歴史は其処にあらざるものを呼び寄せた。

次回、機神咆哮デスティニーベイン

PHASE-5「The shadow of Inntmouth」

善も悪も、灼き尽くせ! クトゥグア!!





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