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DEMONBANE-SEED_種死逆十字_06_3

Last-modified: 2013-12-22 (日) 05:32:00

「オーホッホッホッホ!随分と驚いてるみたいね!」

 顕現した赤く奇怪な姿のMSの頭上で、再生を完了したティベリウスが高笑いを上げた。

「けど、驚いてる暇なんてないわよぉ……人を散々おちょくりやがって!ここからはずっとアタシのターン、グチャグチャのドロドロに煉って潰してミンチにしてやらぁ!」

 足元に現れた魔術陣の中へと、ティベリウスが消えていく。その姿が完全に消えた直後、フォビドゥン・ベルゼビュートが両手を広げ唸りを上げる。その巨体から衝撃と共に、周囲へ膨大な魔力の波動が広がっていく。

「なんという魔力っ……」

「でも所詮MSロボ!『我、埋葬にあたわず』、ファイア!」

 ティトゥスの腕から降りたエルザがその手の術式魔砲を構え、出力全開の一撃を眼前のMS目掛け放つ。だがその光の奔流は、MSの前面に展開された魔術陣にぶつかり、あっけなく散って消えていく。

「ロボッ!?」

『オホホホホホホ!無駄よ無駄よ、ムダなのよぉ!このアタシのMM[モビル・マキナ]、フォビドゥン・ベルゼビュートの魔術障壁がそんな豆鉄砲で貫けられるもんですか!』

 赤いMS──否、フォビドゥン・ベルゼビュートが、二人にその巨大な腕を振り下ろす。後ろに跳んだ二人の眼前でゴツイナックルガードが床を叩き、もう一つ陥没箇所を作る。

「ハッ!」

 その振り下ろされた腕に、ティトゥスが素早く斬り付ける。しかしいかにティトゥスの斬撃とはいえMSの強固な装甲を断ち切ることは出来ず、ほんの小さな傷程度しか──

「……くっ!」

 ──否、小さな傷すら『与えられたが与えられていない』。装甲に走った線状の切れ目は瞬く間に塞がり、消えていく──信じられない事に、この機体には自己再生能力が備わっているらしい。

「やはり、これは……」

『そうよ、理解できたかしら……ねぇ!?』

「グッ!」

 F・ベルゼビュートが腕を払い、ティトゥスを跳ね飛ばす。刀で受け止めた直後咄嗟に身体を浮かせ宙に吹き飛んだ身体を宙返りさせつつ着地させる。完全に逃しきれなかった衝撃が脳髄を揺らし、ティトゥスは表情を歪ませた。

「その機体……魔導技術を組み込んだMSか!」

『御名答ぉ~!しかも単なる魔導技術じゃないわ。この世界でようやく出来た小型魔力炉とこの世界のMSを

 組み合わせ、更に!魔導書の術式を使って一部を鬼械神のパーツそのもので構成した、科学と魔導の

 融合品!それがモビル・マキナよ!だ・か・ら☆』

 F・ベルゼビュートの両端に装備された二門のレールガンが、祝砲だとでも言わんばかりに盛大に、でたらめに乱射される。着弾のたびドックの中で爆音が唸り、吹き荒ぶ爆風に飛ばされた資材や部品の破片がティトゥスやエルザへと打ち付ける。

『当然、こういう風に通常兵器も使えるのよぉん……アメノミハシラごと、宇宙の藻屑になっちゃいなさい!』

 撃ちまくられていたレールガンの砲口がティトゥス達へと向く。ティトゥスとエルザ、二人が身構えた──その瞬間。

『レッド・フレイィム[赤い一撃]ッッ!』

『なっ……ああああああああああっっ!?』

 突如飛んできた赤いフレームのガンダムタイプMSが、F・ベルゼビュートの顔面を殴りつけた。巨大で大きく広がった肩、マッシブで太い腕から繰り出された一撃を横っ面に叩き込まれ、一気に吹き飛び壁にめり込むほどたたき付けられるF・ベルゼビュート。

「レッドフレームロボ!?」

『いようティトゥスの旦那にエルザ!こいつに換装してたら遅くなっちまった!』

「ロウ・ギュールか!」

 ロウの乗ったアストレイレッドフレーム『パワードレッド』がティトゥス達に向き直り、左手の親指を立てる。

「油断するなロウ・ギュール!あやつは……」

『分かってる、あらかたの事情は監視システムやエルザ経由で聞いてる!通信機持たせといて正解だったぜ!』

「ああ、そういえば出てくる前に博士から渡されてたロボ。電源つけっぱなしで忘れてたロボ」

 をいロボッ娘。

『ガアアァァァァァァァッッ!どいつもこいつも、邪魔しくさってぇぇぇぇぇぇ!』

『うおっと!』

 壁からはいでたF・ベルゼビュートがパワードレッドに向かってくる。不意打ち気味に放たれた左のナックルガードを懐に入りながらかわし、パワードレッドがF・ベルゼビュートのボディを両腕でしっかりと捕まえる。

『なっ何よ!離しなさい!離せ!は、な、せっ!』

『悪いが、これ以上内部で暴れられちゃ困るんだよ!こいつのパワーは伊達じゃねえぜ!』

 パワードレットの全スラスターが火を噴き上げ、F・ベルゼビュートを抱えたままドックの出口方面へとすっ飛んでいく。

「なっ、真逆……無茶はやめろ、ロウ・ギュール!」

『こ、この腐れマッチョMSがぁぁぁぁぁ…………』

『ティトゥスの旦那、第八格納庫でドクターが待ってる!早く行ってやってくれぇぇ……』

 声をフェードアウトさせながら、パワードレッドとF・ベルゼビュートは先へと消えていく。轟音と隔壁の閉じる音がした後、その場には僅かに上がった火がパチパチと燃える音以外聞こえなくなった。

「くっ!こうしてはおれん、拙者もMSを!」

「待つロボ!」

 駆け出そうとするティトゥスを、エルザが止める。ティトゥスは意にせず払いのけようとするが、逆にエルザに手を掴まれその場に釘付けにされる。

「何をする!彼奴には通常のMSでは対抗出来ぬ!急がねば外の防衛部隊まで全滅は免れぬぞ!?」

「それはティトゥスでも同じロボ!並のMSで出たところで何も変わらないロボ!」

「しかし!」

「落ち着くロボ!対抗策はあるロボ!」

「……何?」

 その言葉に、ティトゥスはようやく平静を取り戻す。それを確認して、エルザはようやくティトゥスの手を離した。

「ロウも言ってたロボ、まずは博士の所に行くロボ……『あれ』は、ティトゥスの為のモノだロボ」







「……?何だ?」

 相変わらずウィンダムを相手取っていたドレットノートのレーダーが、自分の後方に反応を捉える。それに気付いたカナードがそちらに少し意識を向けると、其処には奇妙な形をしたMS──F・ベルゼビュートを羽交い絞めにしながら、アメノミハシラの外壁をぶち抜いて飛び出してきたパワードレッドの姿があった。

『っ!?』

『な、なんだぁ!?』

「バカなっ!?既に敵に防衛網を突破されていたのか!?」

 ニュアンスは違えど、同時に驚きの声を上げる劾、イライジャ、カナード。それにより生まれた一瞬の隙に、対峙していた三機のウィンダムが同時に動いた。

「くっ、しまっ……?」

 慌ててすぐ意識をウィンダムに戻す三人……が、奇妙な事にウィンダム達は眼前の三機を素通りし、真っ直ぐパワードレッドへと向かって行く。

『う、うわあああああっ!』

 傭兵達とアメノミハシラの間、丁度ウィンダムとパワードレッドが接触する位置の近くまで後退していたミハシラ防衛部隊が、向かってくるウィンダムへ反射的に迎撃を行う。されどやはり彼らでは太刀打ち出来ず、攻撃を避けたウィンダムは部隊のM1Aアストレイを次々に撃墜していく。

『くそっ!やめやがれテメェ等……うおおっと!』

 パワードレッドにライフルをかすめ、ロウが叫びを上げる。ウィンダムは進行方向にいたMSのみを掃討し、すぐにその攻撃をパワードレッドに集中させ始めたのだ。

『何時までくっ付いてんのよ、暑苦しい!』

 その攻撃で緩んだパワードレッドの拘束を振りほどき、F・ベルゼビュートが右腕をパワードレッドの顔面に叩き込む。表情を少々歪ませつつ、パワードレッドがF・ベルゼビュートから離れる。

『遅いわよアンタ達!雑魚相手にちんたらやってんじゃないわよ!』

 F・ベルゼビュートからの怒号が、全周波で周囲に響き渡った。MSの身振り手振りから察するに、奴の周囲に展開したウィンダム達へ向けてのものらしい。

『ロウ、無事か?』

『ガ、劾か……へへ、このくらいならなんとかな』

 吹き飛ばされたパワードレッドへブルーフレームが近寄り、互いに体勢を立て直しつつ正面にF・ベルゼビュートと三機のウィンダムを見据える。更にその周囲でドレットノートとザク、そしてミハシラ防衛部隊も展開し、四機を囲む。

『……雑魚の癖にホントウザイわ。どいつもこいつも人の予定をブチ壊しにしてくれやがって……』

 F・ベルゼビュートから全周波で低い声が響く。不機嫌極まるといった感じの声と共に、装備された二門のレールガンの砲身が動き、周囲のウィンダムがライフルを構える。

『アメノミハシラ潰す前に、まずアンタらを血祭りよ!せいぜいビビって、アタシを楽しませなさい!』

 5つの砲が一斉に火を吹く。囲いを維持しつつ回避行動に移るが、防衛部隊の数機が捉えられ落とされる。

「誰がザコだっ!このゲテモノMSがっ!」

 その砲火の中、カナードのドレットノートが突出する。スーパーコーディネーターとしての操縦能力、核エンジン搭載MSの機動力、そしてその膨大なエネルギーによって展開させる二枚の光波防御体シールド『アルミューレ・リュミエール』の絶対的な防御力──その全てを駆使し、砲火を潜り抜けウィンダムとF・ベルゼビュートの懐へと迫る。

 ウィンダムの一機がベルゼビュートを守るように前に出、シールドごとドレットノートを受け止め……その瞬間、コクピットの中でカナードがニヤリと笑う。

「一機で突出したのが運のツキだ!!」

 シールド発生器である二つの『アルミューレ・リュミエール・ハンディ』、その右側のみをオフにし、形状を変化させて再び起動する。平面状から槍状に変化した光が、左腕で構えたシールドの裏から一気にウィンダムのコクピットを貫く。

 爆発の中を一気に抜け、ドレットノートはF・ベルゼビュートへと肉薄する。

『ああ~ん、どこが改良されてるのよぉん。この程度の雑魚にやられてちゃ世話ないわぁ』

「ザコザコ五月蝿い!死ね!消えろっ!くたばれぇっ!」

 F・ベルゼビュートに、ドレットノートはイータユニットをソードモードで起動し突撃する。キャノンの先端から伸びた巨大なビームソード二本がF・ベルゼビュートに振り下ろされる。

『甘いってのよ、雑魚!』

 F・ベルゼビュートの前面に魔術陣が展開され、ビームソードを容易く受け止める。逆にベルゼビュートは機体を前進させ、ビームソードの勢いを押し返しドレットノートの懐に入る。

「何!?」

『喰らいなさい、バッド・トリップ・ワイン!』

 ナックルガードに怪しく光る紫電を迸らせながら、F・ベルゼビュートの右腕がドレットノートのボディに叩き込まれる。吹き飛ばされるドレットノートのコクピットで衝撃に身を揺らしつつも、カナードが嘲笑する。

「フン!PS装甲にそんな実体の肉弾攻撃が通用するか!」

『あらあら、バカはどっちかしらねぇ?』

「貴様っ……!?なんだ、これはっ!」

 嘲笑を返され激昂したカナードは即座にイータユニットのトリガーを引き……異常に気付く。

 イータユニットがトリガーに反応しない……いや、それだけではない。ユニットのモードチェンジどころか、シールドやビームマシンガンへの武器変更、単純な機体動作すらも満足な速度で行えない。

 慌ててOSを開いた直後、表示されたのはエラー、エラー……山のようなプログラムエラーの羅列。

「どうなっている!?……さっきの攻撃か!」

『アタシのバッド・トリップ・ワインの味は気に入ってもらえたかしらぁ?全てを侵し尽くし、おかしくする

 高圧電流と瘴気入りの銘酒……もう一杯奢ってアゲルわ!』

 今度は左腕がドレットノートを打つ。その一撃は衝撃を伴って──ドレットノートの右肩を紙のようにひしゃげさせた。

「なっ!?PS装甲が……」

『オーホッホッホ!電圧が通ってなきゃ、天下のPS装甲も単なるフツーの装甲よねぇ~!』

 その言葉通り、瘴気に侵されたプログラムエラーと電流による電圧制御の乱れにより、ドレットノートのPS装甲は全体が着色と脱色をランダムに繰り返して点滅しているような状態になっている。

『ん~自分でタイミングを調節出来ないのがちょ~とタマに傷なのよねえ……まあ、憂さ晴らしの黒髭危機一髪モドキには丁度いいわぁん☆』

『……させん』

 ドレットノートを救おうと、ブルーフレームとザク、パワードレッドが二機に減って弱まったウィンダムの砲火を抜けようとする……しかし。

『アンタ達は後よ!暫くウィンダムと遊んでなさい!『スターヴァンパイア』!』

『……っ!?』

 突然、三機の動きが鈍る。ティベリウスが叫んだ直後、何故か機体の出力が低下し、エネルギー残量が普段の数倍のスピードで減少し始めた。

『どうなってるんだこりゃ……うわっ!』

『カナード……クッ!』

『ちょ、こいつはマズイぜ!』

 ウィンダム二機が動きの鈍った三機や残った防衛部隊を牽制し。接近を許さない。突出したカナードは、完全に孤立した形となった。

『オーホホホホ!正に一機で突出したのが運のツキだったみたいね☆』

 ドレットノートの眼前で、F・ベルゼビュートが両拳を打ち付ける。カナードにはその顔部分の口が、更に下卑た笑みを浮かべたように見えた。

『さあ、何発目で上手い具合にコクピットが潰せるかしらねぇん♪……コクピットの中でションベンちびらせながら、ガタガタ震えてビビりな!バラガキィィッ!』







「……ここか」

 ティトゥスとエルザが、アメノミハシラ内のMS整備・開発ブロックの一区画、第八格納庫の扉の前に立つ。MSも通れるように設計されたその扉は人間にとっては巨大で、堅牢だ。

「そうロボ。ここにティトゥスが今、一番欲しがっていているモノがある筈ロボ」

「何があるというのだ、一体?」

「それは見てのお楽しみロボ。今ロックを解除するロボ」

 エルザがトコトコと扉の下にあるコンソールに近付き、開錠用のパスワードを入力する。

「え~と、ヨイフロ(ブー)……じゃなかった、千、十、マ(ブー)ああまた間違えたロボ!

 ……あ、そうそう!10、3、1と。全く博士ももっと分かりやすいパスワードにしろロボ」

「…………」

 色々とツッコみたいティトゥスであった。

 とにかく、パスワードを受付け、扉が重厚な音を立てながら開いていく。少し強めの照明が眼に入り、

その眩しさに掌を軽くかざすティトゥス。

 やがて扉が開ききり、ティトゥスはかざしていた手を下ろす。扉の向こう側にあったのは数機のMSが入るであろうスペースと、使い込まれた幾つも作業機械。そして何に使われたのか、ボロボロになったパーツやら何やらの瓦礫の山。



「──なっ──」



 ──そして、ティトゥスは見た。『見つけてしまった』。



 扉の奥、機械と瓦礫の中央に仁王立ちする『ソレ』を。



 それは、それこそは──



「やっみもと~むはあっかいはっな~!おもいくだ~けこっわれてっく~ぅ~!いろよに~お~へはなをちらっして~むっせ~ぶ!く~きょ!ちっぬっられった~み~ちゅぶらっっ!?」

「博士、超うっせ~ロボ」

「う、裏切られて、killed you……DODA誘う残夢ぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 『ソレ』の最上部に立ってギターを掻き鳴らしシャウトしていたら、一足飛びで駆け寄ったエルザにボディブローで叩き落されたドクターウェスト南無。しかし見事に地面に急降下したウェストの事など、ティトゥスは全くその意識の中に入れていなかった。

 全ては、そのドクターウェストが立っていた『モノ』の姿故に。

「これは──」



 堅牢な四肢の中でも、一際太く力強い肩と太腿。

 両腰に下げられた見慣れぬ二振りの長刀と、背に負った見慣れたツヴァイストライカー。

 アンテナやレーダーなど余分なもの一切が省かれ、ただ緑色の両目を持つ仮面を被っただけの頭部。

 そのダークシルバーで彩られた姿は正に、鋼鉄〔ハガネ〕で覆われた巨大なる鎧武者。



「──皇餓」



 本来己が知る姿とは大きく違うものの、その20m前後の巨人の姿はティトゥスにかつての愛馬を連想させるには十分だった。

「そう、これぞ我輩の技術とこの世界の技術を掛け合わせた傑作!ああ、この天才さがコ・ワ・イ♪」

「結構な割合ロウに手伝ってもらったくせに偉そうにすんなロボ、ロウがいなけりゃ唯の破壊ロボで終わってたロボ。博士のデザインセンスは単調過ぎるロボ」

「エェルザァァァァァァァァ!?」

 ロボッ娘からの冷たいツッコミを受け、何時の間にか復活していた■■■■がorzになる。だがそんな事はティトゥスにはどうでもいい。

「ドクター、貴様っ!これは一体なんなのだ!?」

 流石に平静を保てず、声を荒げるティトゥス。だが逆にドクターにとってはティトゥスのその態度はどうでもよかった。スクッと立ち上がり、何時もの傲岸不遜な態度を取り戻す。

「分かっているのである。説明してやるであるからして、そんなに怒っちゃイヤンなのである」

「巫山戯ている暇があるならさっさと喋れ!」

「……フン、心の余裕がない奴である。まあいい、状況はこちらも把握しているのである」

 溜息を一つ付いて、ウェストはようやく語り始めた。

「これは貴様の機体なのである」

「……拙者の機体、だと?」

「うむ。貴様、この世界のMSでは自分の反応速度について来れぬとか言っていたであるな」

 そこで一旦言葉を止め、ウェストはついてこい、というジェスチャーをして背を向ける。歩いていくウェストとそれに連れ添うエルザの背を未だ釣り上がった目で睨みつけるように見つめながら、ティトゥスは後を追っていく。

 整備用に設置された階段と通路をカンカンと音を鳴らしながら進み、三人はMSの胴体、コクピットまで上がってくる。開かれたままのコクピットを覗き込みながら、ウェストは話を再開した。

「見てみるである」

 ティトゥスがコクピットを覗き込む。コンソールや操作系、モニターは特に何の変哲も無い様に見える。

 奇妙なのは、シートの『後ろ』だ。シート自体は何の変哲もないのだが、その後ろにやけに深くスペースが広げられており──其処には、何本ものコードに繋がれた奇妙な機械が置かれていた。

「これは?」

「これこそこの機体の最大のポイントである……さあ、目玉かっぽじってしかと見るが良いのである!

 ポチッとな」

 ウェストがコンソールを操作すると、機械の表面が煙を上げて中央からガコンと割れ、開く。そしてその中には──

「なっ──」

 ──一冊の本が、それを埋め尽くすほどに数があるコードやケーブルに繋がれていた。その本は忘れもしない、かつてティトゥスが持ち、袂を別ったと思っていた、あの──

「屍食教典儀……!」

「うむ、貴様を宇宙から回収した時に見つけたのでな。勝手に借りたのである」

「お、御主という奴は……!」

「そう怒るなである、これのおかげで貴様の不満も解消されたのであるぞ?」

 今にも刀を抜かんとしたティトゥスの手が、止まる。それを見て満足げに、ニヤリと笑うウェスト。

「要はメインコンピュータの演算処理能力と、回路の伝達速度の限界が不足している故、貴様の反応にMSは付いて来れなかったのである。つまり、その二つを解決すればいいだけの事……この天才、世紀の天才!ドクタァァァァァ、ウェェェェストッッ!にとって、そんな事はお茶の子さいさい数の子たんまり!WO、モーニングマイサン!」

 ギターを掻き鳴らしながら、ドクターはハイテンションで叫びを上げた。

「この機体は高度な演算ユニットである魔導書『屍食教典儀』をメインコンピュータとしているのである!更に、更に更に!全身の伝達系を全て魔術回路で構成し、更にそれに直接『屍食教典儀』を接続、術式そのものを回路に組み込んだのであ~る!パイロットの極少量の魔力を感応させる事で、その伝達速度は一瞬にまで縮まる!命令から挙動までのタイムラグは限りなくゼロに近付くであろう!

 貴様と長年寄り添った縁深い『屍食教典儀』なら、魔術師ではなくなった貴様の少ない魔力にも勝手に感応してくれよう!」

 ウェストの言葉にティトゥスは驚きを隠す事は出来なかった。到底不可能だと思っていた己のMSに対する無茶な要求……それが敵ったという事と、それをいとも容易く成し遂げてしまった目の前の■■■■の技術力に、ただただ呆然とするしかなかった。

「といっても正直、こやつはそれだけの機体でもあるのだが。僅かに魔導技術こそ使っているが、こやつにはあのモビル・マキナとやらのように魔力炉が搭載されているわけでもなければ、呪法兵装が搭載されているわけでもない。ぶっちゃけ単なる『反応速度がぶっ飛んでるだけのMS』である。まあモビル・マキナと呼んでも問題はないかも知れぬが」

 ともかく、と一旦咳払いし、ウェストは自信満々の笑みを浮かべる。

「この機体は単なるスペックだけで見れば我輩の作品の中でも凡作以下の代物である。性能はこの世界の量産型MSとドッコイドッコイ程度、実際不満タラタラである……しかしティトゥスよ、貴様が乗る事でこの機体は正に『最高』となる。貴様が操って始めて、この機体は我輩の芸術品として完成するのである!この機体であればあの汚物が乗る醜いロボットにも対抗出来るであろう!

 我輩とエルザ、ロウ・ギュールが寝る間も惜しんで昼寝してコツコツ作った上、襲撃から突貫作業で完成させてやったのであるからして、これに乗ってしっかりと戦果を……?」

 とにかく喋り続けていたウェストは、そこで初めてティトゥスの表情に気付く。彼は実に様々な感情を

入り混じらせた──特に、疑惑と困惑を色濃く映した表情でウェストを見ていた。

「……ドクター、屍食教典儀を勝手に使った云々はこの際置いておくとして、何故御主は拙者にそこまでしてくれるのだ?御主にここまでされる理由に心当たりはない。それに御主等はこの世界の争いには介入せず、すぐにでもこの世界から脱出したいと言っていたではないか」

「……うむ」

 ティトゥスの問いに、わずかな間ウェストは腕を組んで沈黙し……珍しくも真剣な表情で語りだした。

「まあ『屍食教典儀』を使ってこの機体を造ったのは純粋に好奇心からである。この世界の技術でどこまでの物が出来るか興味もあったのでな。これを造った後は、適当に技術を調べつつ次元跳躍装置を造って、面倒な事になる前にさっさとオサラバする気であった……その気が変わったのはついさっきである」

 真正面からティトゥスを見据えるウェスト。ティトゥスは少々困惑しつつ、その視線を見据え返す。

「貴様、ティベリウスに言ったであるな、『貴様等のやる事が気に入らん』と。我輩も前の世界から貴様等逆十字が大嫌いだったのである、美学のカケラすらない連中だったであるしな……貴様やウェスパシアヌスは比較的マシな方であったが」

「ふん……確かにな」

 確かに思い返してみれば、ウェストが逆十字と馴れ合っていた所を見た事など一度もない──もっとも、

ウェストも逆十字も元々、他人と馴れ合う事など滅多になかったが。

「流石にあのような下衆な輩、しかも我輩達の世界から落ちてきた汚物を放っておくのは少々気が乗らんのである。我輩は意外と地球に優しいエコロジストなのであるからして──それと、もう一つ」

 直後、ウェストの顔がニヤリと歪んだ。

「ちと貴様に興味が湧いたのである」

「……?」

「貴様は向こうにいた頃と比べると随分変わったのである。魔術に頼らぬようになり、地球を破滅から守ろうとし、ティベリウスのような邪悪に怒りの言葉まで放ち……あまつさえ我が宿敵、大十字九郎のような事まで言い出す始末……正直笑えたである」

「うんうん、マイダーリンほどじゃないロボけど、なかなかカッコよかったロボ」

「う……」

 これまで傍観していたエルザにまで言われ、ティトゥスは少し気恥ずかしい思いで顔を背ける。今思えば随分と己らしからぬ事を言ってしまったものだ。

「それに元は邪悪の権化アンチクロスだった貴様が唯の人間として、我輩の造ったこの機体の性能を何処まで引き出せる事が出来るか──製作者としては最後まで見届けたい所でもある。

 よって、我輩は一時この世界からの脱出を後回しにし、貴様と共同戦線を結びたいのである」

「……何?」

「貴様もアンチクロスを放置しておくつもりはないのであろう?我輩の科学力は決して貴様にとって無益にはなるまい。その証明として貴様にその機体を譲渡しようと言うのだ──利害の一致というやつである。

 貴様は我輩の技術を、我輩は貴様の腕を利用してアンチクロスを屠る。そして我輩は貴様やこの機体の観察も出来て一石二鳥というものである」

 そう言ってくるウェストの顔には、一切の虚偽や謀略の色はない。この男は本心でこの台詞を自分に言い放っている。

 ──それに気付いたティトゥスは何故か胸中から沸いてくる可笑しさに堪えきれず、ずっと緊張していたその表情に数時間ぶりの笑みを浮かべた。

「……良かろう!当てにさせてもらうぞ、ウェスト」

「フッ、決まりであるな!」

 ガシィッ!と、お互いの拳をぶつけ合う。武士と科学者、人格の相性ははともかく、職としての相性はいい夢のタッグが、今ここに実現した。

「エルザもいるロボ!」

 ──訂正、+ロボッ娘のトリオが実現した。







 コクピットに乗り込み、操縦桿を握る。同時に全身から掌へ、更に掌からほんの少しずつ、魔力が漏れ出すのを感じる。その魔力が自分の真後ろにある『屍食教典儀』に流れ、更にそこから魔術回路を通し、機体全体に伝わっていくのを、ハッキリと感じる。

 ──まるで、自身がこの機体そのものになったような感覚。

 機体がほんの少しの魔力に満たされると同時に、メイン動力のバッテリーに火が入る。全身のモーターやアクチュエーターが動き出し、忙しない駆動音が厳かに響きだす。

 仮面の奥に穿たれた翠玉色の両眼、その鮮やかなガラスカバーの奥底で円形の瞳に光が灯り、赤い輝きを放ちながらギョロリと四方八方に動き、辺りを見回した。

 同時にコクピットのモニターも点り、周囲の様子をティトゥスの目に映す。モニターの中央に四角いウィンドウが開き、簡素なメッセージが流れる



 【──Main system:Cults of the Ghouls set up──】



 【──Please order , my lord──】

 

「そういえば、こ奴の名はなんと言うのだ?」

 聞きそびれていた肝心な事をウェストに問う。機体の足元に居るウェストが、ギターを掻き鳴らしながら叫んだ。

「よくぞ聞いてくれましたっ!その名は『スーパーウェスト無敵ロボ──」

「──は博士が勝手につけた名前ロボ、あんまり合わないからやめといたほうが良いロボ」

「うむ」

「エェルザァァァァァァ!?」

 項垂れるウェスト。最近そんなのばっかだな。

「そう言えば、ロウがよく言っていた名前があるロボ──『アストレイ』」

「──アストレイ?」

 その単語にはティトゥスにも聞き覚えがあった。オーブの量産機や、ロウの駆るMSの名称の筈だ。しかしその意味はティトゥスも知らない。

「『王道に非ず』という意味らしいロボ。ロウは本来兵器として扱われないMSにその名を付けていたそうロボが──

 『鬼械神としても、MSとしてもこいつは王道に沿って造られた訳じゃない──こいつもまた、アストレイみたいなモンだな』って言っていたロボ」

「王道に、非ず──」

 その言葉に、ティトゥスは惹かれるものがあった。魔術の王道とは外道、鬼械神の王道とは邪道。それを外れ、自らの望む道を往く己と、この新たな『皇餓〔オーガ〕』。

「──気に入った。ならばこ奴の名は『オーガアストレイ』だ」

 名を与えられ、歓喜したように一層大きく駆動音を鳴らし始めるオーガアストレイ。

「そう慌てるな──すぐに暴れさせてやる」

 そう言いながら、ティトゥスは操縦桿をわずかに、ほんの少し前に倒し──直後、大きく踏み出された一歩でオーガアストレイがバランスを崩す。

「な──」

「──ハイ?」

「あ、やばいロボ」

 前方左斜めに転倒を始めるオーガアストレイの巨体。その一瞬の中、ティトゥスはオーガアストレイの腕を操作し、エルザは飛び退き、ウェストは呆然とその場に立ったまま──

「ぬおおおっ!」

「ギィヤァァァァァァァァ!」

「うわ、これは……博士ー!?生きてるロボかー!?」

 倒れる瞬間左腕で自重を支え、何とかモロに床へとぶち当たる事『だけ』は避けたアストレイオーガと、そのボディに潰されたウェスト。エルザが呼ぶ中オーガアストレイは立ち上がり、その下にはカートゥーンのようにペシャンコになったウェストの姿。

「気、気をつけるのである……」

「す、すまん……しかし」

 慎重に操縦桿への力加減を確かめる。なんという過敏な反応、これまで扱っていたMSとは根本的に違う。

「……だが、むしそこれくらいじゃじゃ馬な方が乗りこなしがいがあるというものだ」

 再び操縦桿を前に倒す。今度こそ正確に、バランスを崩すことなく、ティトゥスの操作に全く遅れる

事なく──オーガアストレイは一歩を踏みしめた。

「さあ、往くのである新たな戦友[とも]よっ!レッツ、サムライショウダウン!」

「いざ尋常に勝負ロボーッ!」

 何時の間にか復活したウェストとエルザがよく分からない声援を送る──だが、それが奇妙に心地良い。

「……応!」







『これで、7回目ぇ!』

『ガアアアッ!』

 フォビドゥン・ベルゼビュートの拳がドレットノートのボディを打つ。既に外装が所々がひび割れ、今にも砕けてしまいそうなほどドレットノートは満身創痍だった。何とか機体のエラーを回復させようと必死なカナードだったが、襲い掛かる衝撃とプレッシャーにもう限界が近い。

『あらあら、随分と運の良い事☆いえ、むしろ運が悪いのかしらねぇ?』

『こ、このゲテモノヤロウ……』

 それでもその声は未だに諦めてはいない。そんな彼を救い出そうと仲間達は彼の元に行こうとするが……

『ぐあぁっ!』

『イライジャ!』

「チクショウ、どうなってんだよコイツぁ!?」

 パワードレッドのコクピットでロウが叫ぶ。突然機体の出力が下がり、エネルギーを奪われる。更に二機のウィンダムを抜きされそうな状態になった途端、突然爆発が起こりその動きを止められてしまう。防衛部隊の数も相当に減り、ロウ達三人もまたドレットノート並に追い詰められていた。

(……まだなのかよ、ティトゥスの旦那!)

 このままでは状況を打開する事は出来ない。ロウは己も開発に関わった、あの腐れ外道が駆るMSと互角に戦えるだろう新たなアストレイに希望を託す。

 ──そして、その願いは果たされる。

『それじゃもういっちょ……?』

 ドレットノートにもう一撃かまそうとしたF・ベルゼビュートが動きを止め、後方のアメノミハシラに目──はないので顔を向ける。彼だけでなく、劾やイライジャ、カナードやウィンダム、防衛部隊もアメノミハシラから現れたMS反応に困惑する。今更一機が出て来て何を、というのがその場のほぼ全員の思いだった──一人を除いて。

「来た来た来たぁ!」

 唯一人、ロウがその反応に歓喜の声を上げる。反応は徐々にロウ達に近付き、そのままロウ達を追い抜いてF・ベルゼビュートへ駆け抜ける──すれ違い様に、各々の目にその鈍い輝きを放つ雄姿を見せつけて。

『何っ、何なのよ!?……アンタ達、やっちゃいなさい!』

 二機のウィンダムが向かってくる銀色の『それ』に火線を集中させる。連射されるビームライフルを『それ』は背のバーニアと激しく吹かせ、更に肩と太腿からせり出したスラスターを連続で吹かせ掻い潜る。

 遂に痺れを切らしたか、ウィンダムの一機がサーベルを抜き、『それ』に斬り掛かるが──それは愚行の極みだった。



『──斬』



 ウィンダムが『それ』に近付いた瞬間、『それ』の両腰の棒の様な物がカチャリと動く。直後『それ』はウィンダムの横をスッと、一瞬で流れるようにすり抜けた。その両腕に握られているのは、美しく光を弾く長大な二本の刀。

 『それ』がその刀の露を払うように宙に振った瞬間──ウィンダムはその全身に幾重もの線を走らせ、バラバラになると同時に爆散した。

 誰もがその早業を見て、最初目を疑い──そして気付く。『それ』の姿が、どこかで見た事がある何かに似ているという事に。

『な……ま、真逆……真逆アンタはッ!』

 最初にそれに気付き、悲鳴に近い声を上げるティベリウス。それに応える様に、『それ』はその右手の刀をF・ベルゼビュートに向け、突きつける。



『──反逆の逆十字、ティトゥス。新たな軍馬オーガアストレイと共に、我が世が生みし悪逆の徒を討たんが為、参上仕った──推して参る』







to be continued──









オリジナル機体設定2



オーガアストレイ

ツヴァイダガーを素体として、狂喜の天才ドクター・ウェストと稀代の改造ジャンク屋ロウ・ギュールが

共同開発したモビル・マキナ。二人の技術とアイディアがふんだんに盛り込まれているが、通常の

スペック性能は並のMSと大差ない(ダガーL以上ザク以下程度)。

少々大柄な体型だが全体的に装甲はそう厚くなく、どちらかといえば機動力、瞬発力を重視している。

完全に近接戦闘のみに特化した、近接戦闘専門の機体。



その最大の機体特性は、伝達系に使用された魔術回路とメイン演算装置として組み込まれた魔導書

『屍食教典儀』である。

この機体は伝達系として機体全体に張り巡らせた魔術回路に屍食教典儀の術式そのものを組み込み、

屍食教典儀と機体をほぼ完全に一体化させている。搭乗者が屍食教典儀に魔力を感応させる事で、

操縦者の行った動作命令は魔力と共に屍食教典儀から魔術回路を伝わり、各駆動部へ伝達される

システムとなっている。

元々高度な演算ユニットとしての側面を持つ魔導書の処理能力、そして魔術回路の伝達速度はこの時代の

技術によるものとは比較にならず、結果この機体は圧倒的な反応速度と追従性を獲得している。

ただし屍食教典儀との魔力感応はかつて主であったティトゥス、もしくは相応の位階の魔術師以外では

ほぼ不可能に近く、感応出来ないパイロットの場合はやはりスペック相応の能力しか引き出せない。



本来このシステムはウェストが元居た世界で構想していた『鬼械神とも渡り合える人造魔導兵器用呪法兵装』

とほぼ同様のものなのだが、こちらの世界で造れる魔術回路がまだ粗悪な事、それに付随して組み込む

術式を一部に限定せざるを得なかった事、パイロットが術式に深く介入できる人造魔導兵器ではない事

等々の理由で、当時想定したほどの能力は再現できていない。



また動作による負荷への対応の為、関節のような負荷の大きいとされる極一部分にはウェストが持ち込んだ

魔導金属ヒヒイロカネが使われている(全身に使うには重量がかさみ過ぎる)のだが、そのおかげで

通常装甲よりも関節の方が頑丈という奇妙な特性を持ってしまっている。

背面にはストライカーパック用コネクタも残っており、状況にあった柔軟な装備が可能。



ティトゥスの反応速度に完全に対応し、更に腕の上達に伴いその能力は更に高まる。普通の人間が乗るなら

単なる並の機体だが、ティトゥスが乗りさえすれば『最高』の機体に成り得る正にティトゥス専用の機体。

便宜上MMに分類されているが他の魔術師のMMとは違いあくまで『反応速度が速すぎるだけのMS』

なので、本来MMとは言えない代物。



全高 20.09m

本体重量 109.16t



基本武装

12.14m斬鬼刀×2

アーマーシュナイダー×4(手首部分×2、肩部ワイヤー射出機付×2)







フォビドゥン・ベルゼビュート

ウェスパシアヌスの個人機関『コロッセオ』において、ティベリウス主導で開発されたMM。

MMとはMSに人工魔力炉とそれぞれの魔術師が持つ魔導書の術式の一部、鬼械神の構成要素を組み込んだ

特殊魔導ロボットの総称である。魔力炉は鬼械神のそれとは比べ物にならぬほど出力が小さいが、それでも

その性能と使用する呪法兵装の数々はこの世界の技術とは一線を画した能力を持っている。



この機体の素体は『GAT-X252フォビドゥンガンダム』。組み込まれた術式は『妖蛆の秘密』の鬼械神

『ベルゼビュート』。この機体は基本的に鬼械神としての特性を色濃く反映しており、性能こそ落ちているが

ベルゼビュートが使用していた呪法兵装の殆どを再現している。また術式で構成されている部分が比較的

多く、魔術式完全ステルス機能やある程度の再生能力まで獲得している。

反してフォビドゥンの特性、主にビーム偏光装甲『ゲシュマイディッヒ・パンツァー』などは排されて

いるものの、ステルス能力と高い障壁出力、そして再生能力のおかげでそれを補って余りある持久力を誇る。

また常にフォビドゥンにおける強襲形態モードをとっている事も特徴で、大気圏内での地面効果を利用した

飛行能力は健在。重量こそ増大しているが魔術による補助もありそこそこの機動力は維持している。



その奥義はベルゼビュートと同じく、ティベリウスが殺してきた人間の負の感情に染まった悪霊を集め

敵にぶつけ、ぶつけられた者を腐敗、侵食しその怨霊の中へと取り込んでいく最悪の魔術『怨霊呪弾』。

欠点は鬼械神としての部分と呪法兵装の多さに比例して、魔力の消費が非常に高い事。殺した者の怨念が

魔力となり、かつそれをMMの魔力炉で増幅している状態のティベリウスに魔力切れなどないように

思えるが……



全高 22.24m

本体重量 110.35t



武装

口部強酸噴射装置×1

近接用汚染魔術兵装「バッド・トリップ・ワイン」×2

魔導操作式特殊ドラグーン「スターヴァンパイア」×16

98mmレールガン「エクツァーン改」×2







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