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Lnamaria-IF_赤き月の鷹_第01話

Last-modified: 2013-10-28 (月) 02:32:02

破られた平和

あれは二年前の事だった。
ザフトの人が突然家を訪れて来た。
母が相手をするのを、あたしは隠れてみていた。

「奥さま、この度は……」
「いいのよ。わかっているわ。覚悟はしていました。あの人が戦死したのでしょう?」
「……はい。ブライアン・ホーク隊長は、戦死されました。」
「どんな死に方だったの? あの人の事だから、勇敢に戦ったでしょうね」
「は!隊長はそれは勇敢に戦われたそうです」
「それで?はっきり言って頂戴!」
「……酸欠です」
「……酸欠ですって?」
「動力部を撃ち抜かれ、宇宙を漂われていたのですが救援が間に合わず……」
「……そんな死に方、苦しんだでしょうね。運がなかったのね。可哀想に……」
「……」
「まだ、何か?」
「……わざと、だそうです」
「え?」
「わざとコクピットを外したのだそうです。ご主人を撃ったのは、ラクス・クラインに奪われたフリーダムだったそうです。『精密射撃によりコクピットへの直撃を避け、行動力のみを奪う。「命の奪い合い」という戦場の理を超越したその行動は、あたかも人の邪心のみを切り裂く魔法物語上の剣のようだった』とクライン派が宣伝かしましい、あの!」
「ひどい!わざとコクピットを外すなんて! 混乱してる戦場で救援なんかすぐ来るわけないじゃない! 誰だってわかるじゃない! なぶり殺しじゃない! これじゃあ!ああぁぁぁぁーーーー!」

母は号泣していた。
あたしの頬にも涙が流れていた。とても強く、ちょっと乱暴なところもあったけど、あたしたち家族には優しかった父が死んだと言う、実感なんてまるでないのに涙だけが。

その日、あたしはザフトに入る事を決意した。

◇◇◇

一年半に渡った地球、プラント間の戦いは、ヤキン・ドゥーエ宙域戦を以てようやくの集結をみた。やがて双方の合意の下、かつての悲劇の地、ユニウスセブンにおいて締結された条約は、今後の相互理解努力と平和とを誓い、世界は再び安定を取り戻そうと歩み始めていた。

「はあ、急がないと帰る時間になっちゃうね、ヴィーノ」
「しかしやっぱりミネルバが就役して配備ってなるとさ、色々買い込みたくなるよな」
「そうね、しばらく缶詰状態だものね」

向こうから話し声が聞こえてきた。

「……じゃねぇの? お前もバカをやれよ、バカをさ!」
「ああ、やってやらぁ」

ドスン!

え?建物の角を曲がって大通りへ出たとたん、水色の髪の少年がくるくる回りながらぶつかってきた。
その少年と一緒に倒れこみ、後ろから抱えられる形になったけど……

「……ちょーーと! いつまであたしの胸触ってんのよーーー!」

頬をひっぱたくと、そいつはそそくさと去って行った。

「いいなぁ、あいつ。ラッキースケベ」
「なんか言った?ヴィーノ?」
「いいえ、なんにも!」

基地へ戻ると式典の準備でみんな忙しそうにしてる。

『軍楽隊最終リハーサルは、一四〇〇より第三ヘリポートにて行う』
「違う違う! ヤザック隊のジンは全て式典用装備だ!」「マッカランのガズウートか! 早く移動させろ!」「ライフルの整備、しっかりやっとけよ! 明日になってからじゃ遅いんだからな!」
『第二整備班は第六ハンガーへ集合せよ』

「うわっ!」
「あっ!あぶなかったぁ。MSに踏まれるところだったじゃない、ヴィーノ。運転気をつけてね。はぁ……なんかもうごっちゃごちゃね」
「仕方ないよ。こんなの久しぶりってか、初めての奴も多いんだし。俺達みたいに。でもこれで、ミネルバもいよいよ就役だ。配備は噂通り月軌道なのかな?」
「かもね。近くから見る月ってきれいだろうな」

……

「でもさー。いよいよ就役だぜ! なんかわくわくするよ」
「ふふ、子供みたい。シンったら。でもほんと。遠足の前の日みたい」

『ウゥーウ! ウゥーウ! ウゥーウ! ウゥーウ! ウゥーウ! ウゥーウ!』

「なに?警報!?」

ミネルバに戻ってシンとぶらついていたらいきなり警報が鳴り出した!

『コンディションレッド発令!コンディションレッド発令!バイロットはMSに搭乗せよ!』

「急ごう!」
「うん!」

『第六ハンガーの新型機3機が強奪されたそうなの! なんとしても捕獲して頂戴!』

艦長のタリアさんが言ってきた。

「努力します!」

『グフイグナイテッド、発進スタンバイ。バイロットはコクピットへ。お姉ちゃん、頑張って! 右カタパルトオンライン。気密シャッターを閉鎖します。発進区画、非常要員は待機して下さい。発進シークエンスを開始します。ハッチ開放。カタパルト推力正常。進路クリアー。グフイグナイテッド、発進、どうぞ!』

あたしは空中に飛び出した!
空中から強奪された新型機を探す。
……!黒いMS――ガイアが緑のザクと遣り合っている!その後ろに、あれは――カオス! 挟み撃ちにされる!
あぶない!
あたしはザクとカオスの間に飛び込むとビームソードを抜き放つ!カオスのビームサーベルをがっしり受け止める!

「なんでこんな事を! また戦争がしたいの? あんたたちは!」

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