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Lnamaria-IF_11第01話

Last-modified: 2013-10-28 (月) 02:54:04

「ねえシン、何処に行くきなの?」
オーブに着いてからと言うもの、シンは益々、口を閉ざしている。
「……別に、嫌なら着いて来なくていいぜ」
「もう。外に誘い出したのは私だから。そういう訳にはいかないの」
実際にシンを外に誘い出したのは自分だから、ルナマリアは最後まで付き合う気でいた。

オノゴロ島の海辺の沿岸道路を、二人は沈黙しながら歩き続けた。
しばらくすると、綺麗に整えられた公園に二人は到着をした。
「シン、此処は?」
「……俺の家族が死んだ所だ……」
「!(そう……)」

今にも、泣き崩れそうなシンの顔を見てルナマリアは、シンにかける言葉を見出だせなかった。
「トリィ」
「!?」
空からの電子音に、ルナマリアは上を向いた。
上を見ると、一羽の鳥らしき物がシン目の前に飛翔する。
「トリイ」
よく見ると、それは生きた鳥ではなく、精巧に作られた鳥型の電子ペットロボットだった。
「…………」
シンはキョトンとした顔でトリイを見る。
「何、ボッケとしているのよ」
ルナマリアはシンの左脇から、右腕の人差し指を出してトリイを留まらせる。
「別に、ボッケとは」
口をへの字に曲げたシンを見てルナマリアはため息をつく。
「まあいいわ。でも、よく出来ているわねこれ。オーブ製かしら?」
ルナマリアはトリイをまじまじと見詰めた。
「さあな」
でもシンは、このペットロボットに救われた思いがした。

「で、あなたの飼い主は何処なの?」
ルナマリアはトリイに問い質すと、トリイは公園の岬の方に振り向く。
そこには小さい記念碑があり、その前に佇む黒い服を身に纏った長身の男がいた。
「あの人が飼い主かしら?」
「だろうね」
二人はゆっくりと歩を岬に進める。すると、男が自分達の気配か足音に気が付いたのか、自分達の方に振り向く。
ルナマリアは、端正と優雅さの両方を併せ持った男の顔に、ドキッとなった。
「……君達は?」
「えっ、あ、あの、これ、あなたのですか?」
何、しどろもどろになっているのかと、ルナマリアは理解できないでいた。
「……んっ、そうだよ。僕のペットロボットで、名前はトリイ」

「あの、……慰霊碑……ですか?」
シンは、ペットロボットの持ち主に気にかけながら、話しかける。
「シン……」
「うん……そうみたいだね……」
「……」
「よくは知らないんだ。ぼくもここへははじめてだから……自分でちゃんと来るのは……」
二人は彼を見回す。その物腰には、若さにそぐわない落ち着きと、どこか静謐な雰囲気が漂っていた。ルナマリアは、なんとく彼に惹かれていた。
「せっかく花と緑でいっぱいになったのに……波を被って、また枯れちゃうね」
「ごまかせない、ってことかも……」
「いくらきれいに花が咲いても、人はまた吹き飛ばす……!」
「き……み……」
「シン……」

彼は、シンに何かを問いだそうとした時、歌声が聞こえて来た。
(え?、この声……まさかラクス様?)
ルナマリアは歌声のする方角に顔を向けると、プラントに住む者なら知らない姿が現す。
(!、やっぱり、……ラクス様)
「トリィ」
それまで、ルナマリアの腕に留まっていたトリイが飛び立ち、ラクスの周りを飛翔する。
坂を上がってきたラクスは、彼と向き合う二人を見て歌を歌うのをやめた。
「すいません。へんなことを言って」
シンは気まずくなり、慌てて踵を返した。
「待って、僕の名前はキラ・ヤマト!。君達二人の名前は?」

「…………」
シンは自分の名前をキラに名乗るのを躊躇った。
「私の名前はルナマリア・ホーク、そして彼がシン・アスカです」
「…………」
「彼はともかく、君はオーブの人ではないようだね」
「……はい」
「どこから来たの?」
「プラントからです」
キラはラクスを見遣る。
「あのー」
ルナマリアは何と無く間の悪さを感じた。
「じゃあ君達二人は、今、オノゴロ島に入港しているザフトの?」
「はい軍人です」
「そう……」
キラはずっと、自分に背中を向けているシンに視線を向ける。
その視線を感じたシンは、この場から一刻も早く放れたい心境になった。
「ルナ、ミネルバに戻ろう」

「え、でも」
ルナマリアとしては、もう少しキラと話しがしたかったし、ラクスとの関係も知りたかった。
「じゃあ、俺一人だけで戻るよ」
シンはそう言うと、足早に公園の出口に向かって歩き出す。
「ちょっと、シン」
ルナマリアは慌てながらも、キラとラクスの二人にお辞儀をして、シンの後を追いかける。
「もう、どうしたのよ急に」
「別に」
シンは何となく、キラに心の奥底を見透かされてるようで、あの場に留まる気にはなれなかった。

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