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Macross-Seed_◆VF791dp5AE氏_第02話

Last-modified: 2007-12-25 (火) 19:23:55

「実在した羽クジラ」
「エヴィデンス01、戦闘に割り込む」
「クジラが戦争に待った!」ete ete...
開戦から一晩あけ、プラントの話題は全てクジラ一色に染まっていた。
彼等は一体どこから現れたのか。
なぜこのタイミングで現れたのか。
テレビでは昨晩から学者たちが意見を交し会う。
「プラントの守り神」、「ザフトの新兵器」、「調停者」等の意見が飛び交った。
変わったところでは「ジョージ・グレンの残した遺産」、「異世界からの宇宙船」などもあった。
しかし、クジラと共に現れた真紅の機体については全く触れられず、映像にも何故か写っていなかった。


「では、あのMSは連合のものではないのだな?」
「はい、議長。フレームの構造などをみても、連合製のものとは全く違います。
 しかし、あれはザフトのものでもありませんな。オーブ製のものでもないようです。
 あえて似たものを挙げるとすればセイバーでしょうか。
 あのMSも変形機構を有していますし、大気圏内での高速飛行も可能のようです。
 しかし、機体に取りつけられたスピーカーや、各種兵装などのスペックについては詳しい調査が必要かと。」
プラント議長ギルバート・デュランダルはMS技師の報告をきき、微かに唸る。
あの赤い機体に何かあると踏んで情報統制をしておいたのは正解だったか。
「パイロットの方はどうかね?」
「容態は安定していますから、そのうち目を醒ますでしょう。」
「報告ではナチュラルだと言うことだが?」
「はい、検査の結果ナチュラルのようです。」
パイロットにも興味がある。
あれをどこで手に入れたのか、機体の名は、どうやって動かすのか。
まぁ、パイロットについては彼に任せるとしよう。
「ふむ、解った。ありがとう。
 機体については詳しいことがわかり次第報告を。
 パイロットについては目が醒めてから本人から聞こう。」
 それより、と言葉を区切り椅子から立ち上がる。
「まずはアスラン・ザラに会おう。
 彼の力は世界をまとめる為に必要だ。
 そして、彼女の歌も。
 それと、MSハンガーのほうにセイバーをいつでも出せるように、と連絡を。」


――歌声が聞こえる。
クジラたちのものじゃない、女の歌声だ。
なかなかいい声だが、誰の声だ。
ミレーヌじゃねえ、エルマとも聞かせてもらったその母親のものとも違う。
じゃあ一体、誰のだ・・・?

目の前には見慣れない天井があった。
どこかから漏れてきたのか、誰かの歌声が聞こえる。
目を動かすと、白い壁とシーツとカーテンが目に入る。
見慣れない医療機器の傍らには白衣を着た人物と相棒のギターが。
俺は、バルキリーでクジラと・・・
「! 俺のバルキリーは!?」
慌てて飛び起き、白衣の中年医師に尋ねる。
「おぉ、起きたのかね。どこか体で違和感のあるところはないk」
「んなことぁ、どうだっていい、俺のバルキリーをどこへやりやがった!」
肩を掴み、大きな声で叫ぶ患者に少々面食らいながら医師は答える。
「さぁ、私は軍人さんからの依頼で君の治療をしていただけだから判らないな。」
「じゃあ、軍人に聞いてみるぜ。おっさん、サンキューな!」
ギターを掴み、病室のドアを吹き飛ばしそうな勢いであけ、外へ飛び出る。
医者と看護婦らしき人々が飛び出て来ては口々に何かを叫んでいるが、そんなことでバサラは止まらない。
一気に玄関口まで走り抜けたが、外へでて呆然とする。

「・・・どこだ、ここは?」
目の前に広がるのは人工の大地と空。
しかし、大地も空もどこかいびつな形をしている。
とりあえず、ここがどこかなんて些細な問題だ、さっさとバルキリーを取り戻さねば。
前方から近付いて来る赤い軍服―統合軍のものにしては形が違う―を着た軍人に尋ねる。
「おい、あんた。統合軍は俺の赤いバルキリーをどこへやりやがった! 」
「バルキリー?ああ、あの赤いMSのことか。へぇ・・・あんたがあれの、ね。」
答えつつ、その軍人は様々な角度からバサラの顔を眺める。
「まぁ、いいや。ついてこいよ。格納庫まで送ってやるぜ。」
駐車場へ向かいつつ、その男はこう続けた。
「俺の名はハイネ、ハイネ・ヴェステンフルスだ。気軽にハイネで頼むぜ。」

エンジンを始動させつつ、ハイネは思う。
(立ち振る舞いを見るに、おそらく連合の兵士ではないな。まぁ、スパイの可能性も否定はできないが。
 まったく、議長も人が悪いぜ。
 この男がどんな奴か判断しろ、なんて命令をわざわざフェイスになったばかりの俺によこすなんてな。)
判断対象の男が助手席に乗り、ドアを閉める。
手にはギターを持っている。という事はミュージシャンか何かか。
しかし、一介のミュージシャンがMSを持っているなんて話は聞いたことも無い。
(まぁいいさ。せっかくだからゆっくりと話させてもらうとするか。)
ゆっくりとエレカが動き出す。
男はギターをかき鳴らし、音に不満があったのかチューニングを始める。
(とにかく、色々と聞いてみるか・・・・)

エレカを走らせつつ、ハイネは助手席の人物に話しかける。
「そういや、名前まだ聞いてなかったな。」
「熱気バサラだ。よろしく頼むぜ。」
ギターのチューニングをしつつ、バサラが答える。
「バサラか、よし覚えたぜ。」
「・・・聞きてえんだが、ここはどこなんだ?
 俺が病院に担ぎ込まれてから何日たったんだ?
 何で俺が病院なんかに担ぎ込まれてたんだ?
 あと、俺はクジラと歌ってたはずなんだが、クジラはどこに行っちまったんだ?」
質問しつつも手を休めない。
作業を中断し、音を出す。今度はよかったのか僅かに頬を緩める。
「ここはプラントの首都、アプリリウス市だな。
 今は会戦した日の翌日、つまり一日も経ってないってことさ。
 お前さんはバルキリー、つったか?あれに乗ったまま気を失ってたんだ。
 で、人道的立場から保護してとりあえず検査のためにあそこに担ぎ込まれたってワケ。
 羽クジラたちなら、お前さんが気を失ったらどっかに飛んで行っちまったぜ。
 どこに行ったかは俺も聞きたいくらいさ。
 全部律儀に答えといてなんだが、次から質問はひとつずつで頼むぜ。」
苦笑しつつ、軽快なハンドル捌きを見せる。

「で、今度はこっちから質問したいんだがいいか?」
「ああ、別にかまやしねぇよ。」
「さっき、クジラと歌ってたと言ってたが、お前さんは歌手か何かなのか?」
「そうだぜ、ファイヤーボンバーっつうバンドだ。いっぺんくらい聞いたこと無いか?」
「いや、聞いたことが無いな。ただ・・・」
ハイネはバサラにニヤリと笑いつつ、続ける。
「クジラに向かって歌ってた歌は中々よかったぜ?ハートにビンビン響いてくる感じでよ。」
「へヘッ、中々解ってんじゃねぇか。よぉし、それじゃあ俺の曲をしらねえお前のために・・・・・・」
バサラが助手席から急に立ち上がりギターをかき鳴らしつつ、叫ぶ。

「一曲いくぜ!」

軽快なリズムを奏でつつ、大声で歌いだす。

「LET'S GO つきぬけようぜ 夢でみた夜明けへ まだまだ遠いけど」
急に歌いだしたバサラに驚き、視線を向ける。
「Maybe どうにかなるのさ 愛があればいつだって」
バサラは視線に気付き、笑顔を返す。
「俺の歌を聞けば 簡単なことさ 2つのハートをクロスさせるなんて」
バサラの歌を耳に入れつつ、ハイネは思う。
「夜空を駆けるラブハート 燃える想いを乗せて」
ああ、こいつは銀河級の大馬鹿野郎なんだな、と。
「悲しみと憎しみを 撃ち落として行け」
だが、歌に対する情熱も銀河級なんだ。
「お前の胸にもラブハート まっすぐ受け止めて デスティニー」
だからこそ、羽クジラの心が動かされたわけだ。
「何億光年の彼方へも突撃ラブハート!」

俺も馬鹿になってみるか、それもとびっきりの馬鹿って奴に。


気がつけば格納庫前。
議長は俺の言葉に相当驚くだろうな、と思いつつハイネはバサラと共にゲートをくぐった。
二番に差し掛かったバサラの歌に、合いの手を入れながら。



機動戦士ガンダムSEED DESTINY feat.熱気バサラ
第二話 邂逅~ENCOUNTER~