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Macross-Seed_◆VF791dp5AE氏_第07話

Last-modified: 2010-10-31 (日) 19:55:30

地球、黒海沿岸の都市ディオキア。
ここにはザフトの基地が建造されており、多数の艦船・MSが配備されている。
地元民はザフトに対して比較的好意的であり、ザフトもまた彼らに好意的であった。
そんな基地に、今やザフトのエース部隊と呼ばれるに相応しい戦艦ミネルバは寄港していた。


「ふう、久々に揺れない地面ってのもいいですねぇ~。」
「気を抜きすぎてこけないようにね、アーサー。」
ミネルバ艦長タリア・グラディスと同艦副長アーサー・トラインがそろって歩く。
まずは基地指令に直接挨拶を、と思いアーサーを連れて歩くが、どうも頼りない。
(こんなことならやっぱりMS隊代表として、アスランかレイを連れて来るべきだったかしら)
タリアがそう思っているなどまったく思わず、アーサーが笑う。
「まっさかあ、そんなことはないですよ・・・って、何か騒がしいですね?」
「あら、そうね。何かしら?」
基地の内部からは軽快なリズムが聞こえてくる。
<静かなこの夜に 貴方を待ってるの>
「ちょっと待ってください、歌声も・・・って、この声は!!?」
どこかで聴いた歌声を耳にすると同時にアーサーが急にそわそわしだす。
「あ、あの、艦長。悪いんですけど、基地指令に会いに行かれるのは当初の予定通りレイとお願いしてもよろしいでしょうか?」
「? ええ、かまわないけれど、どうしt」
「そうですか!すいません、では急ぎますので!!」
アーサーがこちらの返事を半分も聞かずに飛んでいき、信じれないようなスピードで見えなくなる。
頭に?を浮かべながら歩き出すと、後ろから整備班の若いのの声が聞こえる。
「おーい、急げよ。早くしないと終わっちゃうぜ?」
「うっひゃあ、急がなきゃ。ファイアーボンバーのライブなんてめったに見られないぞ!」
皆焦った顔で艦長に一瞥もくれずに走っていく。
(慰問コンサートかしら。それにしても、あんなにはしゃぐなんて若いっていいわねえ・・・)


<星の降る場所で 貴方が笑っていることを いつも願ってた――>
ステージの上ではピンクに塗装され、ゆっくりと動くザクウォーリアの姿があった。
そして、その上で激しく踊りながら歌うのはファイアーボンバーの女性ボーカルラクス・クライン。
きわどいステージ衣装を着て、激しく歌い、踊る。
『L・O・V・E・ラークス!』
それを見る聴衆たちはヒートアップを続ける。
時折合いの手を入れ、手拍子を入れ、一緒になって激しく盛り上がる。
そして、曲が終わると鼓膜が破れんばかりの盛大な拍手の嵐に見舞われる。
「ありがとうございマース!さて、続いてはバサラがメインの曲です!」
というと、照明が激しく点滅する。
同時にステージの中央やや後方から真っ赤な機体がせり上がってくる。
ザクとは違う、奇妙な新型機。
今までのザフトの機体とはかなり形が違うことからカスタム機ではないことが窺い知れる。
胸部の開いたコックピットから見えるのは、ギターを構えたバサラ。
機体から飛び降り、腕を大きく空に突き上げ掛け声を出す。
「ファイアー!」
『ボンバー!!』
バサラの掛け声に聴衆も大きな声を返す。
それに満足したのか、さらに大きな声で叫ぶ。
「行くぜ、テメエラ!DYNAMITE EXPLOSION!」



そしてその炎が消えると同時に、バサラが歌いだす。激しくドラムを叩く音やシンセの音が響き、それらに押されながらもベースも自己主張をする。
バサラのギターが鳴り響き、ミーアの踊りが聴衆の注目をあびる。
イントロが終わりかけると、ステージで演出用の火薬が爆発し、真っ赤な炎を吹き上げる。
そしてその炎が消えると同時に、バサラが歌いだす。
<歌い始めた頃の 鼓動揺さぶる想い
何故かいつか どこかに置き忘れていた>
ミーアも歌にあわせて大きく踊っている。
<ナマヌルい毎日に ここでサヨナラ言うのさ
そうさ誰も 俺の熱い想い止められない>
バックの音がサビに向けて大きくなっていく。
それに共鳴するかのように会場の熱気も高まっていく。
そしてバサラの歌と同時に聴衆も叫ぶ。

<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
基地が壊れるかのような大きな合唱が辺りに響く。

<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
ミーアもバサラと同じく熱唱する。

<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
聴衆も二人に合わせて熱唱する。

<Dynamite   Dynamite
Everyday everynight everywher>
照明が激しく揺れ動き、歓声がステージを包む。
照明の動きが緩やかになるとバサラが再び歌いだす。


<終わらない旅なのさ 今を感じていたい
もっと強く 激しく心向くままに>
「ホントにすごい盛り上がり方だな。」
少し離れたところでアスランが会場の盛り上がり方に気後れしていた。
右にはホーク姉妹の妹・メイリンが、左には姉・ルナマリアが連れ添っている。
傍から見れば両手に花、の状態なのだろうが、アスランからすれば前門の虎、後門の狼といったところだろう。
「そうですね、ちょっと信じられないくらいの盛り上がり方ですね。
 ラクス様の時よりひょっとすると盛り上がってるんじゃないですか?」
「でも、楽しそうですよ。皆。ヨウランもヴィーノも、それに副長さんも。」
<走り続ける理由が この大地にないのなら
そうさ遠く 銀河の果てまで飛び続けよう>
「ほぉらぁ、アスランさんも一緒に行きましょうよ。きっと楽しいですよ。」
メイリンに片腕を引っ張られる。
「い、いや、俺は艦長と基地指令に挨拶に行かないと・・・」
「そんなの、いつでもできますって。
 それより、今はライブを楽しまなきゃだめですよ。」
理由を付けて抜け出そうとしてはみたが、ルナマリアにも腕を引っ張られ、ステージのほうへ連れて行かれる。
「し、しかしだな・・・」
「まあそういわずに一緒に参加しましょうよ、きっと楽しいですから。ね?」


<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
「ダイナマイト、ダイナマイト―」
「まだまだ小さいですよー、アスランさん。もっとお腹の底から声を出してくださいー。」
それなりに声は出していたつもりだが、メイリンからすればまだまだらしい。

<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
「ダイナマイッ、ダイナマイッ―」
「もっと出せるはずですよ、隊長。魂を搾り出すかのように歌うんです。」
今度はルナマリアからのアドバイスだ。
魂を搾り出すって、どんな歌い方をしろと?

<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
「ダイナマイッ!ダイナマイッ!」
「そうですそうです、そんな感じです。」
「さっすが隊長、バッチリじゃないですか!」
三度目にしてようやくOKが出た。
今度のは自分でもうまくいったと思ってた。

<Dynamite   Dynamite
Everyday everynight everywher>
(基地指令に挨拶に行かないとまずいんだけどな・・・
 でもま、いっか。これはこれで楽しいし。)
気付けばアスランも会場の雰囲気と二人の熱意に巻き込まれていた。

一方で、こちらは基地の入り口付近。
三人の若者がバサラの歌を聴いてはしゃいでいた。
髪の色は皆バラバラで、兄弟にしてもおかしい。
だが、友達というには何か雰囲気が違う三人組だった。
「大きい、音。激しい、歌。ステラ、苦手・・・。
 でも、この歌は、平気。」
「すっげえいい歌じゃんかよぉ、これ。
 なあ、スティング、こいつらのCD買おうぜ、基地の入り口で売ってたし。」
「よし分かった、一人一枚づつだな。」
「ネオの、分は?」
「チッ、しょうがねえ。奴にも買ってって、倍の値段で売りつけてやるか。」
「おい、スティング、さっさとしねえと売り切れちまうぞ!?」
「分かってる。先に行って並んでろ!」
「だいなまい、だいなまい・・・」


ライブの最中、議長の飛空挺が基地に降りる。
<信じ続ければ たどり着くはずさ Oh!>
「ご苦労様です。」
「うむ、君にも苦労をかける。」
<歌い始めた頃の 夢は幻じゃない
それをいつか どこかで確かめたいのさ>
「ステージの仕掛けにも色々と凝っているようだね?」
「はい、それはもう、名高いファイアーボンバーのライブですから。」
「市民の反応はどうかね?」
「すでに仕入れたCDの2/3が売れています。
 ナチュラルでもコーディでもいい歌には区別がないということでしょうな。」
眩しそうな目で歌っているバサラのほうを見る基地指令。
議長も傍らのハイネと共に彼らのほうへと目を向けた。
ちょうどこの曲のクライマックスを迎える頃だ。
<行き着く先に何が あろうとかまいやしない
そうさ今が オレの旅立ちの瞬間なのさ>

<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
俺、シン・アスカの乗る軍艦ミネルバのクルーのほとんどがファイアーボンバーの歌に夢中になっている。
整備班の連中はヨウラン、ヴィーノは言うに及ばず、マッド主任までも聞いているらしい。

<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
ブリッジ要員は、艦長を除く全員がシングルを買い揃えているそうだ。
メイリンなんかは間違えて館内放送であいつ等の歌を流して艦長に怒られていた。
副長も部屋でヘッドホン+大音量で聴いていて、艦長の呼び出しをすっぽかして怒られていた。

<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
聴いてないのはオレとザラ隊長とグラディス艦長だけらしい。
ルナはメイリン経由で染まってるし、レイもおじさんから送られたというCDを大切に聴いていた。
ザラ隊長は婚約者の歌なのに何故か聴いてない。
ルナは「本人に逢えば一晩中でも聴けるからでしょ」といっていたが、よく分からない。

<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
俺は歌なんて嫌いだ。
このご時勢に歌なんか歌っているだけの情けない奴らの顔など見たくもない。
俺には力があればそれで良い。
力さえあれば、俺はすべてを護ってみせる。
そう思っていた。

<Dynamite   Dynamite
Dynamite explosion once again>
でも、実際に熱気バサラの歌を聴くと少しだけ考えが変わった。
こいつの歌は他の歌とは何か違う。
それは俺には表現できないけど、なにか他の歌い手とは違う想いのようなものがある。
強い信念、意思とでも言うべきだろうか。

<Dynamite   Dynamite
Everyday everynight everywher>
そんな奴の歌ならまあ聴いてやっても良いか。
(俺も、CD集めようかな・・・)
ライブが終わったら売店で買おう。
とにかく今は、バサラのライブをしっかり聴くとするか。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY feat.熱気バサラ
第七話 交差する想い~FEEL~