Top > R-18_Abe-SeedDestiny-X_安部高和_11
HTML convert time to 0.010 sec.


R-18_Abe-SeedDestiny-X_安部高和_11

Last-modified: 2007-11-06 (火) 22:47:35

「地球連合軍極秘諜報機関所属、特務大尉のシャギア・フロストです」
「同じく特務大尉のオルバ・フロストです」
「アビー・ウィンザーです」
前話にて連呼されまくったアルザッヘル基地、司令室。
彼ら三人の自己紹介を受けて、基地司令は顔をしかめた。
「初耳だぞ、そんな部署は・・・・・・」
「司令が知らないのも無理はありません。極秘ですから」
「そ、そうか・・・。それで貴殿らはあの艦――ザフトの艦を奪った、と?」
「その通りでございます。宇宙に巣くう蛆虫ことコーディ豚を殲滅する足掛かりとして、ザフトきっての
高性能艦と呼び声の高いヴェサリウスを奪った次第でございます」
「なんかそれと似たようなセリフを先日浴びせられた気がするが・・・・・・それで我が基地に何用だ?」
「いやなに、補給と整備をお願いしたく立ち寄らせて頂いた次第です」
「補給と整備だと?しかし我が基地は今・・・・・・」
今のアルザッヘル基地は所々が破壊され、見るも無惨な状態だった。
「貴殿らが奪ったMSにやられてこの有様だ。とてもそちらに回せる人員は・・・・・・」
「その点はご心配なく、司令。物資さえあれば我々だけで補給と整備を済ませますよ」
「そ、そうか。なら必要な物は整備班の責任者にでも申請してくれ。すぐに回す」
「お心遣い、痛み入ります」
三人は司令に敬礼をし、司令室を出た。
――「上手くいったね、兄さん」
――「ああ。だが大変なのはこれからだ」
既にガモフにはヴェサリウスの位置を知らせているため、時間はあまり残されていない。
「それでは諸君、各々の任に就いてくれ」
「了解、兄さん」
「了解しました」
そして彼らは、別々の方角に足を向けた。

ガモフ、MSデッキ。
「出来たよ」
スパナを片手に阿部は、同じくここにいるアスランにそう告げた。
「お、おお・・・!まるで新品同様じゃないか!!」
「なに、これくらい朝飯前さ」
アスランの目の前には、昨日まで後輩にバラされて無惨な姿を晒していた、そして今はロールアウトされたて
とも言えるような姿を見せているMSがあった。
「しかしよかったのかい、ガズウートで?俺はインフィニットジャスティスガンダムだって造っちまう男なんだぜ?」
「いいんだ・・・・・・俺はガズウートが好きだから」
「ひゅう♪いい事言うじゃないの」
長くガズウートに乗っているうちに、アスランはガズウートに愛着を持つようになっていた。
「イカれたFCSは直しておいた。だけど無理はするなよ?新品同様に修理したって事は、結局は従来の
ガズウートのままって事だからな」
「俺だって元はザフトのトップエリートだ。ガズウートだろうがメビウスだろうが戦果を残してみせるさ」
「そうこなくっちゃ」
そしてガズウートの最終調整に入った時、艦内放送が流れた。
『ヴェサリウスの正確な位置が分かりました!ヴェサリウスは今、アルザッヘルにいます!』
「アルザッヘル・・・・・・連合の基地か!?」
「どうやら連合に下るつもりらしいな、あいつらは」
そう言うと阿部は地を蹴り、インモラルのコクピットへ跳んだ。
「出るのか!?」
「ああ。どうやら話し合いは通じそうにないんでね」
「だが阿部!基地にはわんさかMSがいるんだぞ!?それなのに真正面から行く気か!?」
「MSがわんさか来てくれるなら御の字だろ・・・・・・異常性欲者的に考えて」
インモラルのハッチが閉じられ、双眼がビコーンと光る。
「・・・・・・まったく、相変わらずだなおまえは」
そしてアスランも、ガズウートのコクピットへ向かった。

「司令!ザフトの艦影を発見しました!!」
「なんだと!?数は!?」
「一隻です!これは・・・・・・ガモフです!!」
「ガモフがたった一隻でだと!?」
司令はどうにも信じられなかった。
アルザッヘル基地と言えば、(今は損壊しているとはいえ)地球軍の中でも規模の大きい基地だ。
それなのにたった一隻で・・・しかも旧兵器となったガモフでこの基地に向かってくるなど、とても正気の沙汰ではない。
「なんだかよく分からんが、とにかく迎撃だ!」
司令の第一種戦闘配備命令が下り、基地は騒然となった。

「来たか・・・・・・」
アルザッヘル基地、中央制御室。
この制御室には、至る所に爆弾が仕掛けられていた。
何を制御しているかは不明。何かを制御しているのだ。
――「オルバよ、首尾はどうだ?」
――「順調さ、兄さん。もうじき補給は終わるよ」
――「そうか。こちらももうじきカタが付く。アビーからの連絡は?」
――「向こうも終わったみたいだよ」
――「では後は奴らがここを潰してくれるのを待つだけだな」
――「兄さん。僕も出撃していい?」
――「オルバよ。今回の我々は勝利する必要などないのだぞ?」
――「それは分かってるよ。だけどあの肉色のガンダムの事、詳しく知りたいんだ」
――「・・・・・・いいだろう。ただしあまり深追いはするなよオルバ。落とされては元も子もないからな」
――「了解、兄さん」
「さて・・・・・・」
最後の爆弾を仕掛け終え、そして時限装置を作動させる。
「短い間だったが・・・・・・さよならだ、アルザッヘル」

アルザッヘル基地、コンピュータルーム。
「・・・・・・、ふぅ」
最後にエンターキーを押し、アビーは一息ついた。
アビーがやっていたのは、データの書き換えだった。彼女の手により、シャギア、オルバ、アビーの三人は
アルザッヘルの正式な兵士になっていた。
もちろんこんな改竄など、少し調べればすぐにバレてしまう。現に特務大尉としてここに来ているので、
彼らがアルザッヘルの兵士であるというデータを残しては「結局おまえらは何者なんだ?」って事になる。
肝心なのはこれからだ。でっち上げた諜報機関を知る者が全て消えれば――アルザッヘルの兵士全てが
消えれば、彼らがアルザッヘルの兵士であるという事を疑う者はいなくなる。
「上手くいくといいのですけど・・・・・・」
全ての作業を終えたアビーは部屋を出て、ヴェサリウスのある戦艦ドックへ足を向けた。

「阿部高和、インモラル出るよ!」
『アスラン・ザラ、ガズウート出るッ!』
『いやちょっと待て貴様ら』
今まさにガモフから飛び出さんとする二機に、イザークが待ったをかけた。
「なんだよイザーク。ここでおあずけはなしだぜ?」
『俺達は戦争をしに来たのではない!俺達の任務はヴェサリウスの奪還だ!だからまずは引渡しの
要求をだな――』
『随分と丸くなったなイザーク。昔のおまえなら一番に飛び出しているはずなのにな』
『バカモノ!今の俺は隊長なんだぞ!?戦う事ばかり考えてはいられんのだ!!
貴様こそミネルバでは戦闘隊長を務めていたのではないのか!?』
『・・・・・・・・・・・・。ソーダネ』
隊長を務めた覚えなどないアスランだった。
『だからまずは冷静かつ沈着に――』
と、そこで基地からミサイル飛んで来た。その内の数発がガモフに命中し、船体を大きく揺らす。
『全軍出撃!!奴らに目に物を見せてやれ!!!』
「そうこなくっちゃ。んじゃ改めて、阿部高和、インモラル出るよ!」
『やっぱり相変わらずだな、おまえも。アスラン・ザラ、ガズウート出るッ!』

ヴェサリウス、ブリッジ。
「出港準備、整いました」
「そうか。では手筈どおりにな」
「了解。しかし・・・・・・オルバさんを出してよかったのですか?」
シャギアの立てた計画では、整備不良のためヴェサリウスのMSは出せないという事になっていた。
オルバの出撃は完全に計画外・・・・・・ヘタをすれば計画の破綻を招きかねない。
「なに、心配は要らない。オルバとて引き際は心得ている。まぁ、ちょっと血気盛んだがな」
「そうですか。しかし本当に上手くいくのでしょうか?」
「不安か?」
「正直に申しますと。基地の人間全員を葬り去る事など出来るのでしょうか?」
「アビー。何も基地の人間全てを葬る必要はないのだ。今回の目的は、我々が地球軍で自由に動けるようになる事だ。
基地そのものがデータごと吹き飛べば、どこの基地に行ったとて我々を疑う者はいなくなる。例え行った先でこの基地の
者と出くわそうとも、まさか基地の人間全てを記憶している者などおるまい」
「ですがこの基地の司令と出会ってしまっては――」
「不確定要素は悪事には付きものだよアビー。それを乗り越えてこそ、悪の美学の華が咲く、というものだ」
「・・・・・・そうですか」
一抹の不安を覚えつつ、アビーはキーボードを叩き始めた。

「そこだっ!!」
『ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!』
アルザッヘル基地で繰り広げられる戦闘。
数の上では圧倒的に連合有利なのだが、しかし数多のウィンダムはたった二機のMSを落とせないでいた。
『な、なんだこいつらは!?』
インモラルとガズウート。インモラルは言わずもがなだが、ザフトきってのポンコツと名高いガズウートでさえ、
ウィンダム達は落とせていなかった。
「脇が甘いぞ!!」
『ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!』
ミサイル――ファルコーネの直撃を受けて、ウィンダムが爆発する。
『こいつ、ただ者じゃない!各機、散開しろ!!』
『了解!!』
距離を取るウィンダム達。しかしそれは、砲撃機であるガズウートにとっては逆効果。
「相手の武装をよく見ろ!」
すかさず肩のキャノンでウィンダムを撃墜。
「――見ろ、迂闊な事をするからこうなる!!」
『ば、バカな!?』
まったくもって「バカな!?」な出来事だが、それも仕方の無い事。ポンコツとは言え中の人はザフトきってのエース
であり、そしてザフトの中で一番ガズウートを上手く扱える人物だった。
『ええいっ!アルザッヘル基地、援護を頼む!!』
『了解!!』
すると基地から、ガズウートを覆い隠さんばかりの大量のミサイルが発射された。
「そんな物で――!!」
素早くアスランはガズウートを変形させ、キャタピラで地を走行しながら機関砲でミサイルを撃ち落していく。
「これでラスト――!?」
と、そこでガズウートに異変が起こった。
走行中にさっき撃墜したウィンダムの頭を踏んづけてしまい、機体が横転してしまったのだ。
「しまった!?」
立て直そうとするも間に合わず。最後のミサイルはガズウートの左足部分に命中した。
「早く立て直さなければ――」
『もらったぞ!!』
変形を解除しようとしたところで、眼前にサーベルを構えたウィンダム。
このままでは変形を解除する前にやられてしまう。
「――!?」
――こんな所でやられる。こんな所で落とされる。
――冗談じゃない。キラ!キラ!!
~回想~
「好きだよ、アスラン・・・・・・」
「アスランになら、僕の全てをあげてもいいよ」
「ふふっ、嬉しい事言ってくれるね、アスラン」
「さぁアスラン、次はションベンだ」
※全てアスランの妄想です。
~回想(妄想)終了~
――そうだ。俺はまだキラとしたい事が山ほどあるんだ・・・・・・!!
――だから俺は、こんな所では死ねないんだ!
「こんな事で・・・・・・こんな事で、俺はぁッ!!」
――ぱりーん。

「――はっ!?」
「ど、どうしたのシン、いきなり!?」
「いや・・・・・・なんか今セリフをパクられた気がして・・・・・・」
「なによそれ・・・・・・」
「なんだろ・・・・・・疲れてるのかな、俺」
「そうかもね。・・・・・・あ、そうだ。よかったらさ、私がマッサージでも――」
「よし、じゃあマユの写真を愛でて疲れを癒すか。じゃあなルナマリア」
「・・・・・・。く、くじけないわよ・・・・・・!!」

「――!!」
アスランは変形の解除を諦め、残った足のキャタピラを思いっきり回した。
『なにっ!?』
空を斬るサーベル。その間にガズウートは先ほど踏んづけたウィンダムの頭を再度踏みつけ、はずみをつけて
宙に舞う。
「もらった!!」
変形解除と同時に肩のキャノンでウィンダムを粉砕。撃つ際アスランは敢えて反動に身を任せ、機体を反転させた。
『――!?』
背後に迫っていたウィンダムを迎撃するためである。逆さまになった視界の中でファルコーネを叩き込み、
そのウィンダムを黙らせた。
『こいつ、さっきまでと動きが――!!』
「無駄口を叩くな!!」
両腕を広げ、機関砲で左右のウィンダムを蜂の巣にする。同時に姿勢を元に戻し、片足で着地。
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
そのまま後ろに跳躍し、迫るウィンダムを悉く撃ち落としていく。
『ええいっ!撃てっ、撃ちまくれ!!』
放たれる数多のビームを、的確かつ最小の動きでかわしつつファルコーネを叩き込む。
「――!?ちぃっ!!」
そこで機体に新たな異常。右足だけを異常に酷使したため、反応が鈍くなっていた。
このままではいずれ回避もおぼつかなくなる。
「ならば!!」
するとアスランは突如、機体を仰向けに寝かせた。
『観念したか!!』
「誰が!!」
そして背中のキャタピラを回し、追ってきていたウィンダム達の下に潜り込んだ。
『な――!?』
虚を突かれ戸惑うウィンダムを、アスランは下から次々と撃ち抜いていく。
『こ、こんな事が――ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!』
「忘れるなよ・・・・・・俺も赤なんだ」

「――はっ!?」
「どうしたのお姉ちゃん?」
「いや・・・・・・なんか今セリフをパクられた気がして・・・・・・」
「なにそれ・・・・・・」
「なんだろ・・・・・・疲れてるのかな、私」
「ヨウランあたりにマッサージでもしてもらったら?」
「ヨウランってどっち?」
「黒い方・・・・・・だと思う」

「いやしかし、これは多すぎじゃない?」
阿部もまた、数多くのウィンダムを落としていた。
しかしその数は途切れる事なく、まるでレミングスのように続々と湧いて出た。
「――じゃあまとめて相手してやるか!」
高速移動。そしてそれにより生じた残像が、次々とウィンダムに向かっていく。
良い男の為せる業、実体を持った残像である。
「さぁ、ショウタイムだ!」

「あ、あれは!!?」
遠巻きに戦闘を見ていたオルバは、目を見開いた。
あの肉色のMSが起こした現象を目の当たりにして、だ。
「フラッシュシステム!?」
フラッシュシステムとは、分かりやすく言えばMS版ファンネルである。ビーム砲の代わりにMSを運用し、
あたかもそれに自分自身が乗っているかのように動かすというものだ。
――「兄さん!」
――「ああ・・・・・・こちらでも確認した。まさかこの世界にもニュータイプがいたとは・・・・・・」
もちろんあれはフラッシュシステムなんて大層なものではない。ただの実体を持った残像だ。
しかし兄弟の目にはそれはどう見てもフラッシュシステムです本当にありがとうございました。
――「オルバよ、一旦退くのだ。ニュータイプ相手では分が悪すぎる」
――「・・・・・・いや、兄さん。相手がニュータイプだからこそやらなきゃいけないんだ」
――「待てオルバ・・・・・・オルバ!」
交信が途絶える。すかさずシャギアは席を立った。
「アビー、私も出る。時間が来たら出航しろ」
それだけ告げて、シャギアはMSデッキへ向かった。

「これであらかた――おっと」
全てのウィンダムを掘り終えたところで、インモラルに向かってビームが放たれた。
「おや?おまえはあの時の・・・・・・」
『悪いけど、キミにはここで死んでもらうよ!』
変形を解除し、アシュタロンはビームを繰り出す。
「なかなか楽しめそうじゃないの」
それを難なくかわし、インモラルはアシュタロンに接近していく。
『接近戦ならこっちのものだよ、ニュータイプ!』
アトミックシザース。どんなMSでも悉く両断する鋏を展開し、インモラルの両腕を掴んだ。
『このまま破壊してやるよ!』
「フンッッ!!」
『なにっ!?』
一度掴んだら決して離れないはずのアトミックシザースは、しかしインモラルの気合一つであっさり砕けた。
『ば、バカな!?』
まったくだ。
「とか言ってる隙に背後に回りこむ阿部さん」
『し、しまった!?』
両肩をがっちり掴まれるアシュタロン。どう機体を動かしても手は離れない。
「ンフフフフ――」
――「オルバ!!」
と、不意にインモラルの手が外れた。同時に、アシュタロンの背後を紅いビームが通り過ぎる。
『に、兄さん!?』
『退くぞオルバ。時間だ』
『だ、だけど!!・・・・・・いや、分かったよ兄さん』
作戦の事を思い出し、オルバは素直に従った。
「ンフフフフ、逃がさないよ」
撤退する二機の後ろを、インモラルは猛スピードで追った。
『・・・・・・やっぱり許せないよ、兄さん!』
機体を反転させ、アシュタロンは迎撃体勢を取る。
『オルバ!!』
しかしそこで、ヴァサーゴが二機の間に割って入った。
『兄さん!?』
「阿部さんは急に止まれない」
『ぐおぉぉぉぉぉ!!』
インモラルの体当たりをまともに喰らい、ヴァサーゴは盛大に吹っ飛んだ。
――「兄さん!!」
――「ひ、退くのだオルバよ・・・・・・」
ヴァサーゴはそのまま、今しがた飛び立ったヴェサリウスのハッチに飛び込んだ。
『ヴァサーゴ、無事収容しました』
冷静なアビーの声。しかしオルバはそれどころではない。

『兄さん!!くそっ!!』
インモラルに過剰とも言える量のビームを浴びせ、アシュタロンはヴェサリウスへと向かう。
――「兄さん!兄さん!!」
――「お、オルバよ・・・・・・ぐふっ」
――「兄さん!!」
『シャギアさんに怪我はありません。速やかに撤退してください』
『・・・・・・ごめんよ兄さん、僕のせいで・・・・・・』
コクピットの中で、オルバはそう呟いた。

ガモフ、ブリッジ。
「いたぞ、ヴェサリウスだ!!」
そこからもヴェサリウスの姿は確認できた。
「阿部、アスラン!!そいつを逃がすな!!」
『あいよっ』
『足が壊れて身動きが取れないボスケテ』
インモラルに追われてはひとたまりもあるまい・・・・・・そう思うイザークだったが、ニコルの声で
そんな思いは脆くも打ち砕かれた。
「イザーク!基地から膨大な熱量が発せられています!!」
「なんだと!?」
イザークの声と同時に、アルザッヘル基地の至る所で爆発が起こった。
「いったいどういう事だこれは!!」
『ふむ、どうやら基地を爆破したみたいだぞ』
「見れば分かる!!何故そんな事が起きたのかを訊いているんだ!!」
『さぁね。それでイザーク、どうする?このまま追撃を続けるかい?』
「・・・・・・」
アルザッヘル基地には多くの兵士がいる。このまま放っておけば彼らの命はここで潰えるだろう。
「・・・・・・阿部!まずはその爆発をなんとかしろ!!」
『あいよっ』
インモラルは転身し、基地へ向かった。
「いいんですかイザーク?」
「構わん!言ったはずだ、俺達は戦争をしに来たのではないとな!」
「ふふっ、そう言えばそうでしたね」
「で、俺達はどうする?このままここでじっとしてる?」
「そんなわけにいくか!!ガモフも救助に向かうぞ!!」
「りょ~かい、隊長」
そしてガモフもまた、基地へと向かった。
『ひ、火が・・・・・・キラ!!』
アスランの声は、誰にも届かなかった。

機動戦士阿部さんSEED DESTINY X
第十一話~いや最初から最後まで特務大尉で通せばよかったんじゃないか?~