Top > R-18_Abe-SeedDestiny_安部高和_03
HTML convert time to 0.009 sec.


R-18_Abe-SeedDestiny_安部高和_03

Last-modified: 2007-11-06 (火) 21:35:00

「これより本艦は地球連合軍の戦艦を落とし、奪われたGを奪還します!メイリン!」
「コンディションレッド発令。MSパイロットは、所定の位置で待機」
ミネルバ、ブリッジ。
ガーティー・ルーを捉えたミネルバは、戦闘準備に取り掛かった。
「それにしても速攻で奪われるなんて・・・」
そう呟いたのはミネルバ艦長、タリア・グラディス。割と声がおばさんくせーが、美人なんじゃない?
「各員、所定の位置につきました!」
そうタリアに報告したのはメイリン・ホーク。ルナマリアの妹であり、ツインテールが特徴の通信士だ。
同人誌でヤられる女性No1ではなかろうか?
「艦長!だ、大丈夫でしょうか!?三機のG相手に、うちはG一機ですし・・・」
さっそくうろたえているこの人はアーサー・トライン。全くもって理解しかねるが、ミネルバの副艦長である。
ルナマリアが赤服な事もあり、どうやらザフトは人材不足なようだった。
「アーサー!士気が下がるような事言わない!!」
「は、はいぃ!」
「ふむ・・・始まるのかね?」
「議長・・・」
艦長席上部の席には、デュランダルが座っていた。
「大丈夫だ!アスランは強いんだぞ!!」
カガリも一緒に。二人とも野球観戦でもするかのようなお気楽さだった。
「ここは危険です。二人とも、ゲストルームに行ってください」
「なぁに、そう心配する事はない。きっと皆よくやってくれるさ」
「ですが!」
「艦長!発進準備、完了しました!」
「そう・・・じゃあ発進させて」
「了解!」

「シン・アスカ、コアスプレンダー行きます!」
シンを乗せたコアスプレンダー・・・・・・戦闘機は、勢いよくカタパルトから飛び出した。
次いでチェストフライヤー、レッグフライヤーが射出された。
三機は一直線に連なり、そして形を変えて合わさった。
ZGMF-X56S インパルスガンダム
ザフト初の合体MSだった。
「メイリン!ブラストシルエットを!」
『了解!』
そして二つのでっけぇ砲身が射出され、それはインパルスの背中に装着された。
ブラスト・インパルス・・・・・・人はそれをそう呼ぶ。
そして白ザク、ゲイツR二機が発進し、次はアスランの番になった。
『先輩?久しぶりの実戦ですけど、大丈夫ですか?』
ルナマリアからの通信。嫌味たっぷりだった。豚マリア発言が尾を引いているのだろう。
『・・・・・・バカにするな。アスラン・ザラ、ザクウォーリア、出るっ!』
そして、アスランの乗ったザクが発進した。

「阿部高和、インモラル出るよ!」
『スティング・オークレー、カオス行くぜ!』
『アウル・ニーダ、アビス出るよ!』
ガーティー・ルーからもMSが発進された。
ちなみにステラは阿部にボコされたためお休み。怒り狂うステラをなだめるネオに、
また新しい傷が一つ増えた。
「よぅし、阿部さん張り切っちゃうよ」
ぺろり、と唇を舐め、阿部はインモラルを敵機へと向かわせた。
『俺達も行くぞ、アウル!』
『オーケー、新参者にデカいツラはさせねぇぜ!』

『敵はどこだぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
敵を探していたアスランの背中に、突如砲撃が浴びせられた。
『な、なんだ!?背後に回られたのか!?』
慌てて後ろを振り返るアスランだったが、しかしそこに敵の姿はなかった。
――あったのは、オルトロスを構えた赤いザクの姿だけだった。
『あー、またやっちゃった』
なんて声がスピーカーから聞こえてきた。
『る、ルナマリア!今の、おまえか!?』
『ごめんなさい先輩。私あんまり射撃が得意じゃなくって』
『得意じゃないってレベルじゃねーぞ!!なんだその精密誤射は!?』
『ごめんなさい』
そう言って、ルナはザクに『ごめんなさい』のポーズを取らせた。
それが両手を合わせてさも申し訳なさそうな、上司にコーヒーをぶっかけてしまった係長のような格好なら
ともかく、ストⅡの春麗のような挑発にも似た『ゴメンネ♪』だから困る。
『あんのボケナス帰ったらぜってぇぶち殺す』
そう毒づきながら、アスランのザクは落ちていった。
「あーあ、やっぱり・・・」
『いつもの事だ、気にするな』
その様子を目の当たりにしたシンとレイは、至って冷静だった。
『さて、先行したショーンとゲイルは――』
レイが呟くと同時に、スピーカーから忌まわしき声が聞こえてきた。
『ア ッ ー !』
『――!?ショーン!応答しろ、ショーン!』
『ア ッ ー !』
「レイ!ゲイルも・・・」
『くそっ・・・あの悪魔め・・・!!』
そう呟くと、レイは白ザクをインモラルへと疾らせた。

「フンッッ!!」
『ア ッ ー !』
阿部はあっという間に、二機のゲイツRを貫いた。
ちなみにゲイツRとはゲイツの発展型であり、エクステンショナルアレスターの代わりにレールガンを
装備している。まぁ、陽の目を見ない内にヤられちまいましたけど。
「やれやれ・・・MSは発展しても中のパイロットはまだまだだね」
貫いたMSを捨て置いて、阿部は次の標的を探しにいった。
「さぁて、お次は――」
『沈め!!』
突如、上方からのミサイル群。
「おおっと!?」
それをかわすと、阿部は白いザクを視界に捉えた。
「やるじゃないの・・・・・・白い坊主くん」
『貴様は俺が倒す・・・!』

『落ちろってンだよ、このぉ!!』
バラエーナ、カリドゥスの一斉発射。
「ちっ!」
シンはそれをかわしつつ、ケルベロスを叩き込む。
『ンな攻撃、当たるかっての!!』
「こいつ!!」
『もらったぜ!!』
機動兵装ポッドを絡めた、カオスの十字射撃。
「うわっ!?・・・ちくしょう、なんて武器だ!」
両軍とも決定打を浴びせられず、戦場は停滞していた。
『ああ鬱陶しい!スティング!左から回り込めよ!』
『出来るんならとっくにやってる!!』
エクステンデット二人を相手にして、それでもシンは一歩も譲らなかった。
ガンダムを任された彼の操縦技術は並ではなく、シンは素質だけならレイをも上回ると言われていた。
「くっそぉぉぉぉぉぉ!!」
しかし熱くなりやすい性格が災いし、総合的な実力ではレイに一歩劣っているのだが。
と、そこでピンク色の携帯電話が鳴った。妹からのお下がりの携帯で、シンの宝物だ。

「ま、マユからだ!」
ピッ
「もしもし!マユか!?」
『うん、マユだよ。今忙しい?』
「ううん全然!で、どうしたんだ!?」
『えっとね・・・この前、マユの学校で運動会があったんだ。それで写真を送ったんだけど・・・届いた?』
「写真?・・・・・・あ、そう言えばさっき俺宛に手紙が来てるって言ってた!」
『マユ、かけっこで一等賞取ったんだ!その写真も入ってるから。マユの晴れ姿、ちゃんと見てよ?』
「ああ、もちろんだ!」
『あ、友達来ちゃった。じゃあ切るね。頑張ってね、お兄ちゃん♪』
ピッ
そして電話は切られた。会話中も攻撃を回避し続けていたシンは、不意に動きを止めた。
「マユの写真・・・・・・」
『隙ありだぜ!!』
「マユの、体操服・・・」
『もらった!!』
「マユの――ブルマ!!」
――ぱりーん

『おまえはここで、俺が倒す!!』
ミサイルを撒き散らしつつ、ビームを連射する白ザク。
「ひゅう♪なんか知らないけど、お熱い事で」
『黙れ!貴様は存在してはならない人間なんだ!!』
「おやおや、阿部さん随分恨まれてるねぇ。何かしたっけ?」
『自分の胸に訊いてみろ!!』
言い合いつつ交戦する両者。インモラル相手ながらも、レイは引き下がらなかった。
彼の執念がそうさせるのであろう。
「だったら、俺の暴君で静めてやるさ!!」
そして白ザクに突進しようかという時に、ネオから通信が届いた。
『阿部!撤退だ!』
「おやおや、何故だい?今イイところなのに」
『スティングとアウルがやられた!』
「へぇ・・・あの二人が?」
阿部は二人の実力を知っていた。
その二人が、たった一機のMSにやられた・・・。にわかには信じられなかった。
『ああ。だからすぐに帰還だ!体勢を立て直す!』
「りょーかい。・・・そういうワケだから、今回はおあずけだ。またな」
レイにそう告げて、インモラルはガーティー・ルーへ戻った。
残されたレイは、忌々しい気持ちでそれを見送った。

「阿部高和・・・・・・貴様の存在は、許さない・・・!」

ガーティー・ルー、MSデッキ。
「くそっ!!」
アウルはヘルメットを床に思いっきり叩きつけた。
「どうなってんだよ、アイツは!!?」
思いっきり激昂するアウルに対し、スティングは冷静だった。
「分からねぇ・・・分からねぇが、とんでもねぇって事だけは確かだ・・・」
「聞いてねーぜ、あんなのがいるなんてさぁ!!」
シンが『ぱりーん』した後。
スティングとアウルは、彼に瞬殺されていた。
膠着状態だったのに、ある瞬間を境に突如敵の動きが変わり、瞬く間にカオスとアビスはボコボコに
されたのだ。
「ようお二人さん。いや、随分派手にやられたねぇ」
「やられたねぇ、じゃねぇよネオ!!」
「ぐぼっふぁぁぁ!!?」
ネオに飛び蹴りをかますアウル。ネオ大佐は悶絶した。
「なんなんだよアレは!」
「なんなんだって・・・・・・ガンダムじゃないのか?」
「そういう事訊いてんじゃねーよ!!」
「ぐぼっふぁぁぁ!!?」
再度ネオに飛び蹴りをかますアウル。ネオ大佐は悶絶した。
「機体云々じゃねぇ・・・・・・ありゃパイロットの腕だ」
激昂してネオに暴行を加えるアウルとは違い、スティングは冷静に相手を分析していた。
「だが・・・・・・次は負けねぇ!!」
そしてスティングはそう意気込んだ。
「そうだな。その意気だスティング!次は必ず勝とうな!」
「ああ・・・・・・やってやるさ!」
「二人で話進めてんじゃねーよ!!」
「ぐぼっふぁぁぁ!!?」

ガーティー・ルー、艦内通路。
阿部はステラとすれ違った。
すれ違いざま、ステラは阿部の腕を殴った。
「・・・・・・」
べしっ
殴られた阿部は、全く同じ動作で同じ箇所を殴り返した。
「・・・・・・」
べしっ
「・・・・・・・・・」
ばきっ
「・・・・・・・・・」
ばきっ
「・・・・・・・・・・・・」
どかっ
「・・・・・・・・・・・・」
どかっ
「・・・・・・ビキビキ(♯^ω^)」
「・・・・・・ビキビキ(♯^ω^)」
そしてステラがスマキにされるまで、彼らの殴り合いは続いた。

ミネルバ、レクリエーションルーム。
アスランはルナマリアを叱りつけていた。
「豚マリア!さっきのあれはなんだ!!?」
さっきのあれ、とはアスランのザクのバックパックを破壊した精密誤射の事である。
「・・・また背中に喰らいたいようですね、センパイ?」
「・・・・・・ルナマリア。さっきのあれはなんだったんだ?」
「えー・・・・・・まぁ、いつもの誤射です」
「い、いつものだと!?」
アスランは驚愕した。新兵ならまだしも、仮にも赤を着ている者がいつもあのような誤射をしている・・・
昔では考えられない事だった。迂闊で残念な彼も誤射だけはしなかったというのに・・・
「訓練が足らんからそういう事をしでかすんだ!!豚・・・ルナマリア。今日から軍務終了後、
二時間のシミュレーション訓練を命ずる!!」
「命ずる、って・・・・・・あなたは私の上官ではないでしょう?」
「そんな事は関係ない!必要だからやらせるんだ!!」
「アスランさん。そんなに怒らなくてもいいと思います」
ルナを怒鳴りつけるアスランに、シンが口を挟んだ。
「シン!?しかし、このままではいつか誰かが殺されるぞ!!」
「別に今に始まった事じゃないですし、気をつけてればなんとかなりますよ。それとも・・・アスランさんは
味方に殺されるような人なんですか?」
「・・・・・・!!」
シンの放った一言には、わずかばかりの失望が混じっていた。
それも当然だった。シンにとってのアスランは頼れる先輩であり、アカデミー時代では憧れの先輩だったのだ。
しかしそれは、先の戦闘で崩れ去った。出撃後に速攻で誤射死・・・・・・シンの描いていたアスラン像は、
その瞬間に脆くも崩れ去ったのだ。
「し、しかし!」
「もういいでしょうアスラン」
再び声を張り上げようとするアスランを、レイが制止した。
「我々は今までこれでやってこれたのです。彼女の誤射も想定の内です」
「だがレイ!このような事を許しておいては――」
「アスラン。あなたの言葉はクルーの士気を下げています。そういう行為は正直困ります」
「――!?」
周りを見ると、皆がアスランに向かって嫌な視線を送っていた。コイツうぜー、とかそんな感じの。
「休憩は終わりです、アスラン。持ち場に戻りましょう」
レイの言葉を皮切りに、クルー達はレクリエーションルームから出て行った。
「・・・・・・」
アスランは、ますます居心地が悪くなっていた。

その夜。
レクリエーションルームでの一件で熱くなったアスランは、別のトコロも熱くしていた。
「そういや最近、ご無沙汰だったな・・・」
そう呟くとアスランはベッドから立ち上がり、部屋を出た。
「・・・そうだな、シンでも誘ってみるか。さっきの事もあるし、印象が悪いままだとアレだからな」
そうしてシンの部屋に向かうアスランだったが、そこである人物と遭遇した。
「こんな夜更けにどこへ行かれるおつもりですか、アスラン」
レイだった。彼はシンの部屋の前で、何かを待ち構えるように立っていた。
ちなみにシンとレイは別室である。
「レイ!?いや、俺はシンの部屋にだが・・・・・・おまえこそ何をしているんだ?」
時刻は夜の12時。夜勤のクルー以外は寝る時間だ。
「そろそろあなたが来る頃だろうと思って、ここで待っていたのですよ」
「・・・・・・!?お、おまえ、俺がここに来る事を知っていたのか!?」
「ええ。あなたならそうするだろうと思いまして。どうやら的中したみたいですね」
「それが分かるって事は・・・・・・まさか、おまえも・・・」
「ええ。自分はゲイです」
「――!?」
な、なんだってー!!
「ですので、あなたをシンの部屋に入れる事は出来ません。どうかお引取りください」
「・・・・・・そうか。おまえはシンと関係を持っているのだな。すまない、邪魔したな」
「いいえ、それは違います。シンはノンケです」
「な・・・なんだって!?じゃ、じゃあどうしておまえは!?」
「自分はシンに惚れているのです。ですからこうしてシンを外敵から守っているのです。おかしいですか?」
「お、おかしいも何も!シンがノンケだったらおまえの想いは通じないじゃないか!!」
「それも間違いです、アスラン。自分は必ずシンを振り向かせてみせます。性別の垣根を越えて、
いつか自分は必ずシンと添い遂げます」
「そ、そうか・・・」
大変だな、とアスランは思った。ツンデレが過ぎるとはいえキラは自分にメロメロなので、彼とシンの間に
あるような壁は存在しない。その気がない者を振り向かせるというのは、おそらく想像を絶するような苦労が
あるに違いない、とアスランは思った。
そんなレイが、アスランはたまらなくいじらしく思えた。
「だったらレイ、今夜は俺と――」
「お断りします。ノンケの男性は、例え女性であってもピザデブには体を許しません。あなたはこの
レイ・ザ・バレルにとってのピザデブなのです、アスラン」
「・・・・・・」
いつか誰かに言われたようなセリフを、アスランは浴びせられた。

「・・・・・・それとアスラン。一つ言っておきたい事があります」
「なんだ、改まって・・・」
「阿部高和の事です」
「――!?」
阿部高和――それは、アスランがかつてヴェサリウスで行動を共にした男の名だった。
「あなたは彼と親しかったようですが、彼は今や敵です。撃つ事を迷わないでください。
でないと我々の命が危ういのです」
「し、しかし阿部は!!それにおまえもゲイなら分かるだろ!?あいつは決して敵なんかじゃないって!!」
「いいえ、彼は敵です。圧倒的な力を行使し、その気のない者に己の刃を突き立てる・・・正直、吐き気がします」
「だ、だけど阿部に貫かれた者は――」
「彼の行っている事はただのレイプです!その気のない者に自身の欲望を突き立てるなど言語道断!
全ての行為は和姦であるべきなのです、アスラン!故に、彼は倒さなければならない敵なのです!」
「れ、レイ・・・」
「・・・話はそれだけです。お帰りください」
もはや話す事はないといった構えのレイを前に、アスランは自室に戻る事しかできなかった。

宇宙空間、ユニウスセブン周辺。
「・・・・・・よし、手筈どおりにな」
顔に傷を負った男が、仲間にそう告げた。
同時に、散開していくMS。その体はジンのものだが、所持している武器が単なる旧型ではないという事を物語っていた。

「我らの恨み・・・・・・受け取るがよい、ナチュラル!」