Top > R-18_Abe-Seed_安部高和_04
HTML convert time to 0.016 sec.


R-18_Abe-Seed_安部高和_04

Last-modified: 2007-12-27 (木) 10:16:56

ヴェサリウス、ブリーフィングルーム。
いつものように隊員と阿部はクルーゼに呼び出されていた。
「では今回の任務だが――」
あるっ晴れ~た日~のこと~
「すまない、少し失礼する」
クルーゼは懐から携帯電話を取り出した。
「ああ、私だ。ラウ・ル・クルーゼだが。・・・・・・ああ、キミか。ふむ、ふむ・・・
そうか、分かった。すぐに人をやろう」
ピッ
「諸君。足付きからラクス・クラインを引き渡したいとの連絡があった」
「ラクスを!?」
真っ先に反応を示したのはアスランだった。親同士が勝手に決めた事とはいえ、
一応は婚約者なのでほんのちょっぴり心配していたりする。
「ああ。受け渡しは10分後、MS一機で来いとの話だ」
「そうですか・・・しかし一体どうして?人質としてならこれ以上ないという
カードなのに・・・・・・」
「向こうにも色々と事情があるのだろう。さて、では誰に行ってもらうかだが――」
「自分が行きます!」
真っ先に手を挙げたのはこれまたアスラン。親同士が勝手に(ry
「いや、キミには遠慮してもらいたい」
「何故ですか!?」
「あちらが指定してきたのだよ。・・・アスランと阿部以外の者を向けるようにとな」
「そんな!!どうして!?」
「さぁてな・・・。それで、だが・・・・・・イザーク。キミに任せる」
「はっ!了解しました!」
「ではイザークはデッキにて待機。他の者も警戒は怠らないように。以上、解散」

 

なんやかんやでラクスを返す事にしたAAクルー。
「じゃあお願いします。あ、それと・・・そっちのMSはアスランと変態ガンダム以外で」
話を終え、キラは電話を切った。
「本当によろしいのですか?わたくしを返してしまって・・・」
モビルスーツデッキ。ノーマルスーツを着てキラの横に立つラクスは、心配そうな表情で
キラの顔を覗き込んでいた。
「うん。みんなで決めた事だから。何の問題もないよ」
AAに設置された意見箱には、こんな意見がぎっしりと詰まっていた。
――ピンクの歌がうるさくて眠れない。
――あの丸っこいのが気持ち悪い。
――コーディネーターなんかと同じ船には乗れないわ!
――あのような策を取った者が言うのもおかしな話だが、やはり人道的に考えて
返すべきだと判断しました。
――めんどいから返して。
――フヒヒヒヒ・・・
などなど。皆がラクスを返したがっていた。
「でも心苦しいですわ。わたくしが帰ってしまったとなれば、悲しむ方が大勢現れるのも
事実。全人類のアイドルとしてはまことに遺憾ですわ」
「・・・・・・・・・・・・そーだね」
てきとーに返事をして、キラはラクスと共にコクピットに入った。
「じゃあ、行くよ」
「あん、キラ様・・・そのようなところを触られては困りますわ。わたくしの体はもはやわたくしだけの
ものではないのです。このような地でわたくしが汚されたとあっては、自殺する者が後を断ちませんわ」
「手ぇ触っただけじゃないか・・・」
「もう、キラ様ったら分かっておりませんのね。わたくしのような美しきアイドルには気軽に触れて良い箇所
などないのです。事実、数多の男性がわたくしに触れたいと思っている事でしょう。何故ならわたくしは――」
「・・・・・・」
――めんどくせー女だなー

 

「ん?来たか・・・」
遠くに見えるバーニアの光をイザークは確認した。
「敵機を落とす絶好のチャンスだが・・・致し方あるまい」
相手は憎きストライクだが、ラクスごと落とすわけにはいかない。もしラクスに何かあれば、
ヴェサリウスはもとよりエザリアママンが良くない事になるからである。
『こちらストライク。聞こえますか?こちらストライク』
相手からの通信。その声は、自分と同い年のそれだった。
「聞こえている。こちらはヴェサリウス所属のデュエルだ。ラクス・クラインを引き受けにきた」
『了解。今そちらに渡します。ハッチを開けてください』
言われたとおりに、イザークはハッチを開けた。
視界の先には、同じくハッチを開けたストライク。
「じゃあそっちにほん投げますから受け取ってください」
キラに投げられ、ふよふよとデュエルに向かうラクス・クライン。
と――
「あっと・・・バランスを崩しましたですわ」
ガリッ
「ふごぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
デュエルのハッチにつまづいて体勢を崩したラクスの手(爪の長さ5センチ。鋭利)は、ヘルメットをぶち破りイザークの顔面を
斜めに掠めた。
「うわ、痛そ」
「痛い、痛い、痛いィィィィィッ!!!」
ヘルメットの隙間から血を流すイザーク。その整った顔には、痛々しくも生々しい傷が付いていた。
「えっと・・・僕のせいじゃないからね!それじゃ!」
そう言って、ストライクは飛び去っていった。
「さよーならーキラ様ー。わたくしを思い出して夜な夜な悶々するかと思いますが、
神の試練だと思って耐えてくださいましねー」
呑気に手を振るラクス。その後ろでは未だイザークが悶絶していた。
「さぁ、帰りましょ・・・あら?」
流れ出る血液。
それを見たラクスははっとし、イザークに言った。

 

「そんなに興奮しないでくださいですわ♪いくらわたくしが(ry」

 

『阿部さん!応答してください!!』
「・・・・・・」
宇宙を漂うインモラル。
しかしその動きは完全に静止しており、扇情的な肉色の装甲は
フェイズシフトダウンによって灰色になっていた。
「・・・・・・俺は」
力なく漏れた言葉。阿部の戦意は氷点下を下回っていた。

 
 

――30分前、ブリーフィングルーム。
なんやかんやでラクスを本国に返し、彼らは新たな任務に就く。
「今回の任務はこれこれこういうものだ。以上、解散」
「いやいやいや」
いつもながらのぞんざいな説明で隊員からツッコミを受け、渋々説明した作戦の内容
は、八艦隊と合流したAAの大気圏突入阻止及び殲滅というものだった。
「今回の任務は今までにない困難なものになると思う。各員、いのちだいじに」
「燃えるじゃないの。ガンガンイかせてもらうよ」
「ようやくまともに戦えそうだな。ま、いろいろやってみるさ」
「皆さん、実は無補給でここまでやってきましたから、エネルギー節約してくれと
メカニックの人が言っていました」
「今日こそカタをつけてやる!貴様ら、俺にめいれいさせろ!」
「キラはおれにまかせろ!」
そう意気込みを露にし、皆はデッキへと駆けていった。

 

「ラミアス艦長。ハルバートン提督からの通信です」
「繋いでちょーだい」
通信を繋ぐと、モニターに初老の男が映し出された。
「久しぶりだな、ラミアス」
「はっ。提督もお変わりないようで」
「この歳だ、そう変わりはしないさ。君の方は・・・また大きくなったようだなウヒヒ・・・」
「ナタル、ローエングリンお願い」
「まぁ待て落ち着けラミアス。貴殿らが地球に降りるという事で、頃合を見計らってザフトが襲撃
してくるだろう。我々はそれを防ぎ、貴殿らを最大限援護するつもりだ」
「はっ。痛みいります」
「だからもし我々が全滅しようとも、貴殿らはどうか気にせず降りてほしい。それが我々の任務だからな」
「はっ。カケラほども気にしません」
「・・・・・・。話はそれだけだ。それじゃ、武運を祈る」
通信が切られ、提督の顔がモニターから消えた。
「ラミアス艦長。提督の意思を無駄にしないためにも、確実に地球に降りましょう」
「分かってるわ。それよりナタル」
「なんでしょう?」
「あのおっさん、誰?」
「・・・・・・」

 

「阿部高和、インモラル出るよ!」
「アスラン・ザラ、イージス出るっ!」
「イザーク・ジュール、デュエル出るぞ!」
「ニコル・アマルフィ、ブリッツ行きます!」
「ディアッ(ry」
コピペのようなセリフを合図に、全てのMSが発進した。
遠くに見えるは八艦隊。威風堂々と、AAを支援するべく並んでいた。
「ひゅう♪事欠かないねぇ、軍隊ってのは」
「阿部!今日くらいはおとなしくしとけ!」
「俺に言われてもねぇ。そういうのはコイツに訊いてくれ」
そう言って、阿部は己の肉棒の映像をデュエルに送った。
「ば、バカモノ!!戦場で全裸とは何事だ!!」
「顔真っ赤にしちゃって・・・可愛いじゃないの」
「いいから映像を消せ!前が見えん!!」
「おいおいおっさん、あんまりイザークをからかうなって」
「阿部高和のアナル拡張講座~。今日の被験者はディアッカさんですさぁケツ向けろ」
「すいませんすいませんホントすいませんもう言いません」
「そろそろ戦闘区域に入ります!」
ニコルの声を皮切りに、艦隊から視界を埋め尽くさんばかりのメビウスが発進した。

 

「アーガイル!状況は!?」
「は、はい!戦艦二隻沈黙!メビウスも次々と蹴散らされていきます!」
「まずいな・・・このままでは持たんか・・・」
ナタルは唇を噛んだ。
八艦隊の戦力はそれはそれは素晴らしく凄まじいものなのだが、敵の戦力はそれを大いに
上回っていた。
奪取されたGに関してはナタルの想定の範囲内・・・しかし、インモラルというジョーカーは予測を
遥かに上回るものだった。
瞬殺と言うには生温いほどの瞬殺。まさにアッーという間に、八艦隊は次々と落とされて(犯されて)
いった。
「やむを得まい・・・ラミアス艦長!ヤマト少尉とフラガ少佐の出撃許可を!」
「あいよっ」
「・・・そういうわけだ。頼んだぞ、二人とも」
そうナタルはデッキで待機している二人に告げた。

 

「絶好調であるっ!」
「ア ッ ー !」
数えるのも億劫になるくらいの敵機を落としていく(犯していく)阿部。
「阿部!また貴様は!!」
「やれやれ」
「カツ丼うめぇwww」
そして彼らはまた、手持ち無沙汰だった。
「キラ・・・」
そんな中でただ一人。アスランはキラの姿ばかりを求めていた。

 

「モビルスーツデッキより入電!両名とも出撃不能との事です!」
「何故だ!理由を説明しろ!!」
「フラガ少佐は腹痛、キラは胃を壊しているとの事です!」
「なんだと・・・!」
フレイ、ラクスというアクの強い女に挟まれていたキラは、心労が祟って胃を壊していた。
フラガは仮病である。
「ラミアス艦長!あなたからも何か言ってください!!このような甘え――」
「病気じゃあ、しょうがないわね」
「・・・・・・。ケーニヒ、胃薬を持ってきてくれ」
ナタルさんの胃も限界だった。

 

「突き穿つ死棘の肉棒ッ!!」
「ア ッ ー !」
因果を逆転させたのではと思わせる正確無比な一撃は、また一機のMAを貫いた。
「さぁて、お次は・・・おまえさんだ!」
阿部のレイプに恐れをなして逃げるメビウスに、阿部は照準を合わせた。
「逃げられると逆に燃えてくるタチなんだよね!」
逃げるメビウスにあっという間に追いつき、阿部はそそり立つゲイ・ボルグを突き刺した。
――それは阿部にとって最大の悲劇となった。
「あんっ♪」
「――!!!???!!!???」
甘く高い声。
あまりに柔らか過ぎる肉体。
「こ、こここいつははははは・・・」
――女だった。
知らなかったとはいえ、阿部はこの世で最も忌み嫌う女を貫いてしまった。
あっちゅー間にPS装甲はダウンし、ゲイ・ボルグも消失。
そしていつしか、インモラルの周囲が赤く染まり始めた。

 

「――(テロレロリン!)!?今日は波平だ!私の勘がそう告げている・・・」
『カツヲです。中島の奴がまた――』
「馬鹿な・・・」
次回予告が永井一郎でなかった事にショックを受ける我らがクルーゼ隊長。
戦闘中だというのに、呑気にコタツに入りながらテレビを見ているから困る。
「さて、そろそろカタがついた頃かな・・・」
半纏を着たままブリッジへ。兵達の士気が若干下がった。
「アデス艦長。戦況はどうなっている?」
「ご覧のとおりです」
クルーゼはブリッジから戦場を見渡した。
そして、ある異常に気付いた。
「いかんな・・・このままでは地球に落ちるぞ」
そう言うとクルーゼは無線機を手に取った。
「イザーク、ディアッカ、阿部。すぐに後退しろ。そのままでは大気圏を抜けられなくなるぞ」

 

「なんだって!?・・・・・・つまりどういう事だディアッカ!?」
「引力に引っ張られちまうって事さ」
「・・・・・・。つまりどういう事だディアッカ!?」
「・・・ここにいちゃヤバイって事。さっさと退かないと地球に落ちちまうってさ」
「そうか・・・。よし、少し下がるぞディアッカ!!」
「言わずもがなってね!」
バーニアを吹かす両機。
「・・・・・・。ディアッカ、全然上がらないんだが」
「・・・・・・俺もだ。手遅れってやつじゃないか?」
「と、いう事は・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・」
「・・・地球に落ちちまうって事」
「なんだと!?」
既に降下は始まっていた。もはやMSの出力ではどうにもならないほどに。

 

「なんと、イザークとディアッカは手遅れだったか・・・」
ふむ、とクルーゼは顎に手をやった。
「よし、ならばいっそ降下させてしまおう。ザフトの勢力圏に落ちる事を祈ってな」
「大丈夫でしょうか?降下の隙を狙われたらひとたまりも・・・」
「大丈夫だ。あの男ならなんとかしてくれるだろう・・・」
「・・・あの男でありますか」
「阿部!応答しろ、阿部!!」
しかし、いくら呼んでも阿部からの返事はなかった。
「・・・どういう事だ?電波障害・・・ではなさそうだ。もしや落とされ・・・いや、それこそありえん」
しばらく悩んだ末、クルーゼはニコルに通信を入れた。
「ニコル。イザークとディアッカが地球に降りる。それを援護するよう阿部に伝えてくれ」

 

「了解!」
通信を受けたニコルはインモラルの位置へと向かった。
「ええっと・・・あ、いたいた。――えっ!?」
明らかな異変だった。あの精力旺盛なインモラルが、身動き一つせずに漂っていたのだから。
「阿部さん!応答してください!!」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
しかし返事の代わりに、呻き声に似た声が返ってきた。
「・・・・・・俺は」
「!?阿部さん!?なにがあったんですか!?」
「・・・・・・おんなをおかしてしまった」
「――!?」
ニコルは戦慄した。
今のニコルなら阿部の気持ちが手に取るように分かる。女を犯すという事は、それは考えるだけで
おぞましいものなのだ。
「阿部さんの心は壊れかけている・・・僕がなんとか・・・そうだ!」
妙案を思いつき、ニコルはまだ動いているメビウスへ向かった。
「そこのあなた!」
「へ?」
「あなたは男性ですか!?」
「そ、そうだけど――」
「ならば良しッそいやーーー!!」
グレイブニールでメビウスを引っ掴み、遠心力を利用してインモラルの方へと投げ付けた。
「阿部さん受け取ってください!」

 

「・・・・・・鬱だ死のう」
未だ放心状態の阿部。気分はずんずんとダウンしていく。
と、そこで機体に衝撃が走った。
「・・・・・・ん?」
目を向けると、股間の部分にメビウスが引っ付いていた。
「ひっひぃ~っ!」
パイロットの声は、男性のもの。
「・・・・・・。――!?」
それを確認した阿部の行動は、脊髄反射の領域だった。
手早く敵機を掴み、そしてゲイ・ボルグの展開ボタンを押した。
「ア ッ ー !」
聞き慣れた嬌声。そして幾度となく感じた・・・・・・快感。
「ひょぉぉぉぉぉぉぉうッ!!阿部さんふっかぁぁぁぁぁぁつ!!」
暴君はフルエレクチオン。装甲もいつもの肉色に戻った。
「阿部さん!」
「さんきゅーニコル、助かったよ!」
「それよりクルーゼ隊長からの通信です!地球に降下するデュエルとバスターを援護
せよとの事です!」
「あいよっ!阿部さんにお任せ!」

 

「お、いたいた」
ほどなくして、阿部は引力に引っ張られる二機を発見した。
「お二人さん、平気かい?」
「阿部!今まで何をしていた!?」
「まぁまぁイザーク。それより阿部さん、あんたも降りるのかい?」
「援護しろって言われたからね。俺もイかせてもらうよ」
三機は順調に地球へと降下していく。遠目にAAも見えたが、肝心のストライクが出ていない
ので阿部は無視する事にした。
「しっかし暑いねぇ。窓は付いてないのかな、この機体・・・」
「あるわけないだろ!!」
「じゃあハッチを開けるしかなし、か」
言うが早いか、阿部はコクピットのハッチを開けた。
「ば、バカモノ!!死ぬつもりか!?」
「そりゃあマズいってもんだぜ、阿部さん!」
しかし次の瞬間、二人は絶句した。
「ひゅう♪いい風じゃないの。暴君も大喜びだ」
「「・・・・・・」」
こうして阿部は、身を晒したまま大気圏を突入した。もち全裸で。

 

「無事降りたか・・・アデス!降下予測ポイントは!?」
「だいたいこの辺りです」
「ほう・・・そこなら安心できるな」
『クルーゼ隊長!!』
と、アスランからの通信が入った。
「どうしたアスラン」
『キラがいません!』
「ふっ・・・そういう事もあるさ」
『ですが・・・このままでは収まりがつきません!』
「代わりに私が相手をしてやろうというのだよアスラン・・・」
『――!?了解!ただちに帰還します!!』
『隊長・・・僕には?』
「もちろんニコルも一緒だ。今夜は三人で楽しもうじゃないか・・・クックック」
「・・・・・・」

 

ヴェサリウス一般兵の士気はだだ下がりだった。

 

いつものようにブリーフィングルームに集まる面々。
しかし、そこはヴェサリウスのものではなかった。
加えて言うなら、集まったのは阿部、イザーク、ディアッカの三名のみ。
ここはザフト軍北アフリカ駐留軍基地。
運良くザフトの勢力圏に落ちた三人は、その基地司令に出頭するよう命じられていた。
「ようこそ諸君。僕がこの基地の責任者、アンドリュー・バルトフェルドだ」
彼らを迎えたのは基地司令のアンドリュー・バルトフェルド。三十路を迎えた
ばかりのナイスガイだ。
「はっ!こちらはヴェサリウス所属の――」
ジーーーーーーーーッ
「や ら な い か ?」
相手がナイスガイならば阿部の取る行動は一つ。ツナギのジッパーを下ろし、
天を貫かんばかりの暴君を曝け出した。
「あ、阿部!!こんな時に貴様は!!」
「まぁまぁおかっぱ君、落ち着きたまえ」
激昂するイザークを嗜めるアンディ。
「キミが噂の阿部高和かい?」
「噂になるような阿部高和は俺だけだと思うけど」
「ほう・・・そうかそうか・・・」
阿部のイチモツをまじまじと見つめるアンディ。
「いいだろう。後で僕の部屋に来たまえ。砂漠の虎の名が伊達ではない事を
証明してやろうじゃないか」
「そうこなくっちゃ」
「・・・・・・。なぁディアッカ。俺達就職先を間違えたんじゃないか?」
「言うなよイザーク・・・」
「あー、まぁ、あれだ。近くに足付きも落ちてきたみたいだし、君たちの奮闘を期待
させてもらうよ」
「はっ!対足付きの経験を存分に活かしてみせます!!」
「それは頼もしい」
「・・・・・・」
「おや?どうしたねおかっぱ君?腑に落ちない顔をして」
「い、いえ・・・。この辺りでカタコト女に嫌味を言われるような気がして・・・」
「何を言ってるんだ君は?そんな女はこの基地にはいないよ」
「そ、そうですか・・・」
アイシャはオミットされました。

 

燦々と照りつける太陽。場所が場所だけにその勢いは凄まじく、その熱はもはや致死熱
とも言えるものだった。
そんな中、阿部はレセップスの甲板に上がり日光浴を始めた。全裸で。
「ひゅう♪刺激的じゃないの」
熱したフライパンとさして変わりのない甲板に仰向けに寝転ぶ阿部。露になった暴君も、
久しぶりの太陽にはしゃいでいるのがガチガチだった。
「となり、いいかい?」
そこにアンディがやってきた。彼も阿部と同じく日光浴をしに、そして彼も阿部と同じく全裸だった。
「となりと言わず、跨ってもいいけどね」
「はは。さっきの今だ、それは遠慮させてもらうよ」
阿部のすぐ横に寝転がるアンディ。滴る先走り汁が、甲板に落ちて蒸発した。
「おやおや。砂漠の虎ともあろうお方が弱気な事で」
「そう言うなよ。キミ相手に一分も持ちこたえられたのはひょっとして僕が初めてなんじゃないか?」
「いや、おまえの他にもう一人だけいた。クルーゼという男を知っているか?」
「もちろんだよ。彼と僕はアカデミーの同期でねぇ」
「なるほど。どうりで」
「僕はクルーゼの奴が好きでねぇ。アカデミー時代は毎晩慰めあったものさ」
「他の奴とは年季が違うって事か」
阿部相手に分単位で持ちこたえられたのはクルーゼとアンディだけだった。ミゲルやニコル、
そして数多くの連合兵は1秒と持たずに昇天してしまった。
「時に阿部くん。ダコスタくんにはもう会ったかい?」
「坊主の彼かい?声がディアッカによく似た」
「そうだ。彼はなかなかスジが良い。良かったら今晩あたり誘ってみてはどうだい?」
ダコスタとはアンディの副官で、男所帯の北アフリカ軍基地におけるアンディのお気に入りだった。
「いや、それには及ばないさ」
「若い男は嫌いかい?」

 

「――いや、もう食っちまった」

 

ところ変わってアークエンジェル。
なんやかんやでレジスタンス『明けの砂漠』と合流し、バカ姫とランボーを
AAの乗組員として迎えた。
そして夜。AAの外で言い争う男女の姿。
「もうっ!いい加減にしてよサイ!」
「いいじゃないかぁ最近ご無沙汰だったんだしぃ」
「ちょっと触らないでよ!」
「うはっこのスメルたまらん♪」
嫌がるサイを振り払うフレイ嬢。AAに乗り始めてからというもの、サイの変態性が
露になりフレイはうんざりしていた。
「あーもう、ちょっとうるさいよ君たち」
フレイとサイの言い合いに目を覚ましたキラがAAから出てきた。
「キラ!!」
キラの姿を発見したフレイは、キラに駆け寄り身を隠した。
「ちょっ、くっつかないでよ・・・服に臭いが・・・」
「キラ!そこをどくんだ。僕はフレイと話をしているんだ。だからどくんだ。なっ?」
「あーそうっすか。じゃ、僕は寝るから。静かに騒いでよね」
AAに戻ろうとするキラ。そのキラの手を、フレイは引いた。
「ま、待ちなさいよ!」
「何さ・・・僕は疲れてるんだ」
「私・・・・・・ゆうべはキラの部屋にいたわ!!」
「・・・・・・(ずがんぼーん)!!!??」
フレイの爆弾発言に、サイの配色が反転した。
「ど、どどどういう事だよフレイ!?」
「どうもこうも言葉どおりよ!ね、キラ」
「なんでそういう嘘吐くかなぁ」
「なんだ嘘かぁ脅かしやがってぇ」
「ちょっ!口裏くらい合わせなさいよバカキラ!!」
「面倒事に巻き込まないでよね」
「コーディネーターのくせに空気も読めないなんて最ッ低!!」
キラを突き飛ばし、フレイは走り去って行った。
「・・・・・・。はぁ」
服に付いた砂を払い、AAに戻ろうとするキラ。
「キラ・・・。いくらフレイが良い女だからって手は出さないでくれよ?」
「出さねぇよあんなの」
「――!?!?!?キラァァァァァァァァ!!」
フレイを『あんなの』呼ばわりされ、ついカっとなってキラに掴みかかろうとするサイ。
しかしあっさりかわされ、逆に関節を極められてしまった。
「やめてよね。あんな汗臭い女、部屋に入れたらファブリーズが足りなくなるじゃないか」
「くっ・・・!?」
振り解こうにも、キラの腕力はサイのそれを圧倒している。コーディネーターは伊達
ではないのだ。
それでもサイは吠えた。
「そ・・・それがたまらないんじゃないかぁ~!!」
「・・・・・・」
キラは思った。
どうしてこいつらのために戦っているのだろう、と。

 

「んじゃ、ちょいと出かけてくるよ」
軍服から私服に着替えたアンディは、阿部たちにそう告げた。
「バルトフェルド隊長!こんな時にどこへ行くというのですか!?」
「そうカッカしなさんなおかっぱ君。基地司令にだって羽を伸ばしたい時は
あるものなのだよ」
「しかし!我々は一刻も早く足付きを――」
「まぁまぁイザーク。ここはザフトの勢力圏だ。奴らだって簡単には逃げられは
しないって」
「そういう事だ。良い事を言うねぇ、ガングロくん。今晩、どうかな?」
「遠慮させてもらいます」
「おや残念。じゃ、基地の事は任せたよ。それじゃノシ」

 

オアシスを中心に造られた町に、キラとカガリは買い物に来ていた。
クルーから渡されたメモを手に、次々と商品をカゴに入れていく。
「ええっと・・・シャンプーに石鹸、あとトイレットペーパーか」
「なになに・・・胃薬、ファブリーズ・・・PS3!?おいキラ!PS3ってなんだ!?」
「最新のゲーム機だよ。物売るってレベルの値段じゃないけど」
「そうか・・・じゃあこっちのバーチャルボーイでいいか。あとは・・・『フヒヒヒヒ』!?おいキラ!
フヒヒヒヒってなんだ!?」
「・・・捨てちゃいなよそんなメモ」
そんなこんなで会計を済ませ、二人はオープンカフェにやってきた。

 

「私はケバブだ!キラは!?」
「ラーメンと餃子。あ、ラーメンはメンマ抜きで」
「そんなのないぞキラ」
「じゃあケバブでいいよ」
ほどなくして料理は運ばれてきた。
「やっぱケバブにはチリソースだよな!」
どばどばどば
「うわ・・・」
チリソースの海を見てキラが引いた。
「ん?・・・おいキラ!ケバブにはチリソースだろ!?」
「え・・・?でも僕はヨーグルトの方が・・・」
「うるさい!ヨーグルトソースなどケバブに対する冒涜だ!!」
「なんだよ冒涜って・・・あ、ちょ、勝手にかけないでよね!」
「いいから任せろ!ケバブはな、チリソースを海のようにかけまくるのが正しい食べ方なんだ!」
「やめてよね!早死にしちゃうじゃないか!」
ソースの奪い合いを始める二人。他のお客様に大変ご迷惑をかけていた。
「あいや待った!!」
と、そこで男性が声をかけてきた。あまり趣味のよろしくないグラサンとアロハシャツの、
中年の男性だった。
「なんだおまえは!?私は今忙し――」
「黙ってろ」
「・・・・・・」
「あの・・・あなたは・・・?」
「そんな事よりキミ。ケバブにはヨーグルトソース、これが常識だろう?貸してみたまえ」
ヨーグルトソースを手に取り、男性――アンディはキラのケバブにそれをかけ始めた。
「いいかい少年?ケバブはな、ヨーグルトソースを海のようにかけまくるのが正しい食べ方なんだ」
どばどばどば
「どうして二人とも限度ってものを知らないのさ・・・」
「あ、あ、あ~!!おまえ!!何をしてるんだもったいない――」
「黙ってろ」
「・・・・・・」
「ほら出来上がりだぞ少年。じっくりと堪能するがいい」
「・・・・・・」
キラの前に差し出される、真っ白な何か。見た目からはケバブのケの字も見えなかった。

 

「・・・・・・あなたにあげます」
皿をつき返すキラ。こんなの食った日にはトイレが自室になる事受け合いだった。
「ほう、いいのかい?僕は人のケバブでも食っちまう男なんだよ?」
「いいです」
「そうかいそうかい。それじゃ遠慮なく・・・」
「おまえ!人の物を食べるなんてなんて図々しい奴――」
「ていっ」
罰ゲームのパイのように、アンディはカガリの顔にケバブを投げ付けた。
「ああ~っ!私の服が!」
白濁液まみれになったカガリ。ノンケならば興奮モノだ。
「ああ、これは失礼。お詫びに替えの服をプレゼントしよう。さ、私の家に来たまえ」
そう言って、アンディはキラの手を取った。
「あの・・・服汚れたのはカガリなんですけど・・・」
「細かい事を気にするなよ少年」
「細かい事ってかそれが全てなんだけど・・・」
「いいから来るんだ少年。さぁ、さぁ、さぁ!」
「そんなに引っ張らないで・・・カガリ、じゃあ荷物お願い」
そうして、キラとアンディは去っていった。
真っ白になったカガリは、しばし呆然としていた。

 

プール付きの豪邸。アンディの自宅だった。
その一室。全く服の汚れていないキラに、アンディは着替えを渡した。
「さぁ、これに着替えるんだ」
「・・・あの、着替え・・・ですよね?」
「もちろんだよ少年」
「なんで布切れ一枚なんですか・・・?」
「ここは僕の自宅だよ?僕好みの服が置いてあるのは自明の理じゃないか」
「・・・・・・返します」
そう言って、キラはビキニパンツを返した。
「つれないねぇ」
「・・・・・・あの、もう帰っていいですか?」
「残念だがそうはいかない。・・・キミ、足付きのクルーだろ?」
「――!?」
ばっと身を引くキラ。しかし入り口は屈強な男たちに阻まれていた。
「戦争ってのは嫌だねぇ・・・キミみたいな少年まで駆り出される」
「・・・・・・」
「しかも厄介な事に戦争には明確な終わりが無い。得点も、制限時間も。ならどうやって勝ち負けを決める?
どこで終わりにすればいい?」
「どちらかが降伏文書に調印した時だと思います。常識的に考えて」
「・・・・・・・・・・・・。ならどちらかが滅びるまで戦うしかなかろう!」
「人の話聞けよ」
「僕が言いたいのはそれだけだ。帰るといい」
「はぁ・・・お邪魔しました」
屈強に連れられて、キラは家を出た。

 

同時刻、アークエンジェル。
「何よこれ!?このトーレットペーパー二枚重ねじゃないじゃない!」
「シャンプーの銘柄が違うわ!金髪のくせに買い物も満足に出来ないなんて最ッ低!!」
「ね、ね、ナタル。PS3って赤かったっけ?」
「誰が正露丸を買ってこいと言った!」
「フヒヒヒヒ・・・」

 

そこには、クルー全員に責められるカガリの姿があったという。

 

「隊長!足付きを発見しました!!」
「ああ、こちらでも見えているぞダコスタ君。総員、戦闘配置に付け!
戦争をやるぞ!」
アンディの号令がブリッジに響き渡る。
ザフト北アフリカ軍の旗艦、レセップス。足付きを発見したという事で、
ブリッジ内には緊張が走っていた。
「バクゥはありったけ出せ!ディンもだ!足付きは我々が仕留めるぞ!!」
そう声を張り上げるアンディに、しかしMSデッキからの反応はなかった。
「どうしたんだ諸君。なぁに、恐れる事はない・・・砂漠ではバクゥが王者なのだからな!」
そう檄を飛ばすも、以前デッキからの反応はなかった。
「どうしたというんだ一体・・・」
何事かと思案していると、ダコスタの小さな悲鳴が聞こえた。
「どうしたダコ・・・君か。あまり兵を脅かさないで欲しいねぇ」
モニター一杯に阿部の顔が映し出されていた。
「それで、何か用かい?」
「ああ。おまえさんに伝えたい事があってね」
「ほう?」
「パイロットは全員出られないよ。まぁイザークとディアッカは大丈夫だが、彼らは
地上戦は初めてだからねぇ」
「・・・どういう事だ阿部?パイロット達に何があった?」
「ゆうべ俺がみんな食っちまった」
北アフリカ基地のパイロットは、前夜に漏れなく阿部の餌食になっていた。
――「ンフフフフフフフフ」 ヒタヒタヒタ
――「ひぃ~っ!!」
――「そいやっ!」
――「ア ッ ー !!」 ♯
※♯ くりかえし
こんな感じで。
彼らにはあまりに激しすぎた行為だったので、パイロットは全員寝込んでいた。
「その見境のなさ・・・・・・僕は嫌いじゃないねぇ。うん、実に良い」
「隊長!でもだったらどうするんです!?このまま足付きを逃がすのですか!?」
「いいや、そんな事はしないさ。・・・・・・僕が出よう」
「隊長自ら!?」
「ああ。デッキに入電、ラゴゥをスタンバイさせよ!・・・さぁ、行こうかダコスタくん」
ダコスタを連れて、アンディはブリッジを出た。