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SCA-Seed_MOR◆wN/D/TuNEY 氏_Another request01

Last-modified: 2009-06-09 (火) 23:16:22

シン・アスカがMIA認定されてから数ヵ月後、プラント、アプリリウス。格納庫

 

「私を……弟子にしてください」
頭頂部のピンとはねた赤い髪が特徴的な少女が頭を下げると、
目の前の三人は茫然としたまま、口を半開きのまま彼女を見る。

 

「…………すまないけど、もう一度、言ってくれないかい?」
眼帯を付け、短髪に切りそろえられたオレンジ色の髪の女性、ドム3人組のヒルダ・ハーケンは
彼女にしては珍しく、躊躇いがちに聞き返した。

 

「私を弟子にしてください」
顔を上げ、彼女、ルナマリア・ホークは力強く、歴戦の猛者達の目を見据えた。

 

「……本気で言ってるのかい?」
三人は未だ困惑した表情のまま尋ねる。 とても正気とは思えない。
「冗談で頭は下げません」
「わかってるのかい? あたしらは……」
「知っています。 貴女方は私達と戦って、殺し合っていた」
ヒルダの言葉を遮り、ルナマリアは声を上げる。
「なら、なんでまた俺達に弟子入りなんて言い出すんだい?……正気とは思えないね」
「別にいいんじゃないか?」
「なあ?」
「あんたらは黙ってな! 本音を聞かせて貰いたいね」
左側に立っていたマーズが口を開きヘルベルトが賛同すると、烈火の如き勢いでヒルダが怒鳴りつけた。
「貴女方がザフトで最も連携戦闘に優れている思ったからです」
「それだけかい?」
心の奥底までも見抜くような目に、ルナマリアは本心を打ち明ける覚悟を決めた。

 

「私は少し前ザフトを辞めようと思いました。 でもそうする訳にはいかなくなりました
 つい先日、ある男が死にました。 力の無い人を守りたいとザフトに入り、
 歌姫により信じた道を潰され、それでも最後まで戦い続けた……一度は愛した男です。」
「……それはシン・アスカかい? あんた、最後の最後でアスランを庇ったって聞いたけど」
ルナマリアの語る男について察しのついたヒルダは話の途中だが、口を挟んだ。
「そうです。 でも、私はあいつに、謝りたかったんです……ごめんなさいって言いたかったかったんです。
 あの場でアスランを殺したら、アスランが言う通りの憎しみに捕らわれた人間になってしまう。
 シンはそんな人間じゃないんです。 それじゃ駄目だって、殺したらもう戻れ無くなるって……
 でもどうしたらいいか分からなくて」
おそらく、無意識の内に涙を流しながら、ルナマリアは誰にも打ち明けなかった胸中を語る。
「……余計な事を聞いて、悪かったね。 続けてくれるかい?」
同じ女性として思うところがあったのか、ヒルダはハンカチでルナマリアの涙を拭ってやると続きを促す。
「すみません。 少し前、別の男が死にました。 生まれつき寿命の短いクローンで、
 自分のような人間が生まれない世界を望み、そして両親とともに炎の中に消えていった……私の友人です」
平静を取り戻したのか、再びルナマリアは口を開き始める。

 

「……同期の中で、私だけが生き残りました。 
 彼らとは2年前からずっと一緒だったんです。 私は彼らの想いを引き継ぎたいんです!
 でも、今の……いえ、私がどれだけ研鑽しようとも……彼らには追い付けません。
 ですが! 連携戦闘を取得すれば、彼ら以上の働きが、彼らの代わり以上になれると思うんです。
 お願いします! 私に……連携戦闘術を教えてください!」
目に涙を滲ませ、ルナマリアは深く頭を下げる。 
その拳は硬く握られ、奥歯をぎゅっとかみ締めている。
悔しいのだろう。 屈辱的といってもいい。 
自分たちを破った相手の仲間に頭を下げ、弟子にしてくれと言っているのだ。
だがその屈辱を耐え忍んででも彼女は、仲間シンとレイの遺志を継ぎたいという覚悟があるのだろう。
三人はその覚悟に感心したように頷き、かつての自分達を重ね合わせる。

 

(……似てるねえ) (……似てるな) (……ああ、似てる)
かつて天才、英雄と称されたクルーゼに、ヴェイアに匹敵するため、必死に連携戦闘術を考え出し、研鑽したあの頃に。
クライン派も、ラクス・クラインも関係なく、プラントを、そこに住む人たちを守りたいが為、力を求めた4年前の自分たちに。

 

「やっぱりダメだね 弟子なんて冗談じゃないよ 」
大きく首を振ると、ヒルダは振り返り、歩き始めた。
「そんな!」

 

「…………ただ、私らの部下になってしまったなら、連携の中に組み込まざる負えないねえ」

 

追い縋ろうとするルナマリアに顔も向けずに、ヒルダは格納庫に響くような大きな声でわざとらしく言った。
マーズとへルベルトはやれやれと言いたげな表情で大きく肩を竦める。
「じゃあ……!」
「おっと、勘違いするんじゃないよ。 部下を死なす訳にはいかないからね。
 部下になったら地獄より酷い目に遭うよ」
歓喜の声を上げるルナマリアに、ヒルダは首だけ向けると意地の悪そうな笑みを浮かべて見せた。
「あんた、名前は?」
「ルナマリア! ルナマリア・ホークです!」
名前を聞くヒルダに、ザフト式の肘の折り畳まれた敬礼をするルナマリア。
「そうかい……覚悟しときな、ルナマリア」
「はい! ありがとうございます!」
「じゃあ、さっさともとの部署に戻りな、ラクス様達には私達から話しとくからね」
「失礼します!」
ここ暫くやっていなかった敬礼を返し、ヒルダは走り去るルナマリアの背中を見つめていた。

 

「……何ニヤついてるんだい」
「いや」
「別に、な」
ふと振り返ると、マーズとヘルベルトは腕を組み、
面白いもの見るような目でニヤニヤとヒルダの顔を見ていた。
「か、勘違いするんじゃないよ! わ、私は……そう! 
 せっかく作った連携戦闘技術を埋もれさせるのが惜しかっただけさ!」
「はい、はい」
「そう言う事にしといてやるか」
苦しすぎる言い訳をするヒルダに二人は鼻を鳴らしながら、立ち去っていく。

 
 

CE73。
この一年後、旧ミネルバ隊の生き残り。 赤い専用カラーのMSを操る女性エース、
死を喰らう魔鳥─フレスベルク─の勇名はプラント外にも轟く。
そしてその勇名は新たに開発される新造艦アーテナー級のテストベッド、
改ミネルバ級戦艦ミネルバIIの艦載機隊隊長に推薦される事に繋がり、
冷遇されていた旧ミネルバクルーを再びミネルバの名を持った艦に集める事となる。

 

歌姫の騎士団が、所属不明艦隊とバルドフェルド率いる裏切りの挟撃を受け、壊滅する4年前の事である。

 
 

以上です。
つーわけでルナマリアがなんでザフトに残ったかネタでした。
MORではアニメ最終回の行動は上記の理由で混乱したところを何らか(邪神?)の
電波を受けた為ということで。
ってかまるでヒロインみたいな扱いになったn