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SEED-クレしん_16-042

Last-modified: 2009-04-27 (月) 13:38:09
 

 ホリィ……すまない……私は父親失格だ……情けない……
 今、お前の所に……いや、私は地獄行きか……

 

 アンドレイ……いずれお前も私の葛藤が分かる時が来るだろう……
 頼む……誤った道を進まないでくれ……
 それが……お前の父親としての……願いだ……

 

   ※   ※   ※

 

「……? ここは何処だ? 花畑……か?」

 

 ふと見ると人が歩いていた。
 女か……?―――だが、その見覚えのある後姿に私はハッとし思わず声をかけた。

 

「ホリィ!」

 

 私は駆け寄ろうとする。しかし行けども行けども彼女に追い付く事が出来なかった。

 

「待ってくれホリィ! 待ってくれ!」

 

《……セルゲイ》

 

「ホリィ……」

 

《……あなたはまだ、ここに来るべきではないわ》

 

「何故だ!」

 

《あなたにはまだ……やらなきゃいけない事があるじゃない》

 

「私のやるべき事だと……?」

 

 彼女はそのまま遥かに遠ざかって行く。
 待ってくれ! 行かないでくれ!
 その時、ホリィは静かに振り向いた……あの頃と同じ微笑を浮かべて……

 

《セルゲイ……私、幸せだったわ。後悔なんかしていない。だから……》

 

「ホリィ!」

 
 

 ―――――――――だから……私の分まで生きて―――――――――

 

 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・

 

セルゲイ「……ホリ……ィ……」
看護婦 「!?」
セルゲイ「うぅっ……こ……こは……一体……?」
看護婦 「……ヤマト先生! 例の患者の意識が戻りました!」
キラ  『なんだって!? すぐそっちに行く!!』
セルゲイ(……病院? 生きているのか、私は)
キラ  「良かった……! 貴方はアフリカの方から運ばれたんですよ」
セルゲイ「アフリカ…… そうだ!軌道エレベータは……クッ!」
看護婦 「無理しないで下さい! 傷が開きます!」

 

キラ  (軌道エレベータ……もしかしてクリスさん達が言っていた『あれ』か?……じゃあ、この人も……)

 

セルゲイ「……生き延びてしまったか、クソッ!!」
キラ  「一体何をしていたんですか? あんな紛争地域の真っ只中で」
セルゲイ「紛争……? なんという事だ! 奴らめ、この期に及んで隠蔽工作を!」
看護婦 「先生、『ミネルバ』のザラ様から電話です」

 

キラ  「もしもし、アスラン?」
アスラン『あぁキラ、アフリカで見つかったあの男と一緒に回収された金属片らしい残骸の分析結果なんだが』
キラ  「結果は?」
アスラン『前に見つかった特殊なカーボンと全く同じだ』
キラ  「やっぱり……ありがとう! 大体分かった!」
アスラン『お、おい!ちょっと(ガチャッ)』

 

セルゲイ(奴らの事だ、いずれ私を消しに来るに違いない。早くここを出なければこの病院が……)
キラ  「……貴方は何者なんですか?」
セルゲイ「……何?」
キラ  「貴方の個人情報を世界中探したけど、何処にもありませんでした」
セルゲイ「何だと……?(奴ら、個人情報まで帰し去ったか!)」
キラ  「それに貴方の着ていたパイロットスーツは……既存の技術の物じゃないですね」
セルゲイ「君は何を言っている?」

 
 

キラ  「貴方が『未来』から来た人間じゃないと、辻褄が合わないんです!!」

 

   ※   ※   ※

 

セルゲイ「未来? こんな時に冗談を言って……(ゴシゴシ)」
キラ  「どうしました?」
セルゲイ「……そこのカレンダーを見せてくれ」
キラ  「どうぞ」
セルゲイ「……つかぬ事を聞くが、今年は何年だね?」
キラ  「平成21年ですけど」
セルゲイ「それは何処の暦かね?」
看護婦 「先生、外国の人に『平成』って言っても分かりませんよ」
キラ  「あ、そうだった。西暦で言うと2009年です」
セルゲイ「……」
キラ  「信じられないのも無理無いですけど、本当に……」

 

セルゲイ「……ふざけるな」

 

キラ  「いや、だから」
セルゲイ「いい加減にしてくれ! 君達は私を馬鹿にしているのか!?
     それとも君らも『アロウズ』の―――」

 
 

『緊急連絡! 緊急連絡! 至急住民は安全な場所へ避難してください! 繰り返します、住民は安全な……』

 
 

セルゲイ(警報……?)
キラ  「来たか……!」
セルゲイ「……」
キラ  「安心して下さい、この病院はちょっとやそっとの事じゃビクともしませんから」
看護婦 「先生、フリーダムの準備をしておきますか?」
キラ  「とりあえず様子を見るよ。相手がどう出るか分からないからね」
セルゲイ「ここもアロウズの襲撃を受けているようだが、反連邦勢力の拠点か何かかね?」
キラ  「『アロウズ』だかなんだか知りませんけど、多分そんな物より厄介だと思いますよ?」
セルゲイ「アロウズより厄介……? まさか、ソレスタル―――」

 

 モニターに映った物体を見て私は言葉を失った……
 どの勢力の物とも明らかに違う、そう直感が告げた。

 

 そのモノアイの『モビルスーツ』に……

 

   ※   ※   ※

 

ヒルダ 『私が行く、久々に暴れたいんでね!』
しん  『ひゅーひゅー! おねぇさんかっこいー!』
シン  『しんちゃん、茶化しちゃ駄目だよ』
ムウ  『俺もグラスパーで出よう。相手が地べたを駆け回る奴だけとは限らんからな』
虎   『ハッハッハ、戦闘機がお守りとは難儀な話だな』
カガリ 『ビーム兵器は極力避けてくれ! 色々面倒なんだ!』
ヒルダ 『ならギガランチャーは駄目か。 整備班!ジン用の突撃銃と高周波トマホークを用意してくれ!』
マッド 『了解!』

 

メイリン『進路クリア、システム・オールグリーン、発進どうぞ!』
ヒルダ 『ヒルダ・ハーケン、ドムトルーパー、出撃する!!』
ムウ  『ムウ・ラ・フラガ、スカイグラスパー、出るぞ!!』

 

 確かにあれはモビルスーツ(以下MS)だ。しかしどの陣営の機体とも明らかに違う。
 ましてや『ソレスタル・ビーイング』の物とも……

 

セルゲイ「……何だ? あれは」
キラ  「驚いたでしょう? あれは……」
セルゲイ「君は確かに西暦2009年と言ったな。
     では、あれは何なのだ?……何故21世紀にモビルスーツが存在する!」
キラ  「分かるんですね、あれがMSだって。
     それは……貴方の居た時代にMSが存在しているから……そうでしょう?」
セルゲイ「……!」

 

 まるで全てを見透かされたようなその物言いに、私は言葉が出なかった……

 

   ※   ※   ※

 

ヒルダ 「敵が見えないようだが?」
ムウ  「妙だな……静か過ぎる」
北春日部『時空波が異常を検知しておる! まもなく来るぞ!』

 

シン  「どうしたんだ? 今日は負○の奴ら休みか?」
しん  「シン兄ちゃんに勝てないから逃げたんじゃないの?」
レイ  「いや……来る!!」

 

 突如として空が歪み、何かが町へ降り注いだ。その物体に私は目を疑った。
 私自身一番よく知るMS……かつて私自身も搭乗したあの―――

 
 

セルゲイ「ティエレンだと!?」
キラ  「ティエレン?」

 
 

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