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SEED-クレしん_18-302_04

Last-modified: 2012-06-20 (水) 12:40:10
 

劇場版 機動戦士0ガンダム 逆襲のデュランダル編

 
 

圧倒的な補正の力。種勢にはもう抵抗する力はほとんど残っていなかった……
何気に史上最大のピンチである。

 

「そこだっ!」
「ぐっ!ひ、被弾した……に、逃げろルナマリア……!」
「レイッ!そんなこうもあっけなく…」

 

0ガンダムの射撃ひとつでレジェンドがあっけなく撃墜された。これでインパルスを除く種MSのすべてが行動不能になったことになる。
だが撃墜以上に驚くべきことはここまでリボンズは誰の命も奪っていないということだ。
殺す必要もない……不殺すら思いのままというわけだろうか。

 

「つまらないね……残ったのはインパルス、君だけだ」
「あ、ああ…」

 

「じゃあさよならだ。消え……ん?なんだ……レーダーに反応?」
「え……?この空域に接近してくるMS……あっ!この識別反応…」
「な、なんだとッ通常の三倍のスピードでこっちに来つつある?なんだ……?なんだこのプレッシャーはッ!」

 

シンが感じた悪寒を今度はリボンズが味わう番であった。
自分と対等に戦える者が接近してくる、しかもそれは勝てるという保証がまるで見出せないほどの強敵の予感なのだ。
そして……そのプレッシャーがその姿を現した!

 

「ふむ……間に合ったか?部下や友人たちが苦戦しているのを見逃すわけにはいかんのでな。」
「ぎ、議長……ですか?そ、それ私の…」
「おお無事だったかルナマリア君。そうとも君から以前借りた機体だよ。このザクで私も参戦することにした」
「え…ええええええ!?」

 

「ザク?デュランダルだと?なんなんだこの嫌な感じは……くっ!邪魔だ落ちろッ」

 

赤ザクに向けてビームガンの引き金を絞るリボンズ。
だがデュランダルは慣れぬ手つきで機体を動かし、肩のシールドでビームを完全に防いだ。

 

「な……!何故だ!何故仕留められない!?僕は神の力をもっているはずだッ」
「ふういきなり攻撃とはな……そうか君がリボンズ・アルマークかね?残念だが……君の補正は私には通用しない!」
「何故だ!」
「私は君と対を成す存在だからだ!それともこう言った方がいいか?私は君が恐れる唯一の存在……赤い彗星(ぽい何か)だと!」
「こ、このぉ……人間風情があぁ!!」

 

ビームサーベルを引き抜き、逆上したリボンズがデュランダルに襲い掛かる。
対して議長はビームホークを構えて迎撃する姿勢。ついにリボンズとデュランダルの対決の時が来たのであった。

 

0ガンダムがサーベルで斬りつけ、赤ザクがビームホークで守勢という戦いであった。
しかしザクの方はぎこちない動きである。密かに操縦訓練を受けていたとはいえ初の実戦では議長も上手く動かせないのであろうか。
持ちこたえているのはリボンズが冷静さをいささか失って、雑な攻撃を繰り返してるのもあるだろう。

 

「そんな量産機に乗った程度でGNドライヴのガンダムに勝てると本気で思っているのかい!」
「情けないMSでも戦って勝つ意味はあるッしかし…これはナンセンスだ!」
「性能はこっちが上なんだぞ!?」
「やってみるさ!」

 

空中で激しくぶつかりあう白と赤の閃光。
撃墜され、地上に横たわるMSから這い出てきたパイロットたちは怪我してるわけでもなく暇なので
空を見上げてその戦いを見ていた。

 

「そうか……そういうことか!赤ザクに乗った議長だけが俺たちの中では唯一リボンズと対等に戦えるというわけか!」
「これが他のMSだったらこうはいかないよねアスラン」
「リボンズが0ガンに乗った理由そのまんま返されたってわけだ。ざまぁ!」
「アウルそう笑ってもいられないぞ。問題は……パイロットの経験がないギルが果たしてどれだけ戦えるか……」

「リボンズ!私はある人物から人類を導くのではなく人類とともに未来つくる、それが君たちイノベイドのあるべき道だと聞いた!」
「ティエリアか?下等な人類などと一緒に!」
「君が手を下さなくとも春日部で人類は変わる。私はその時を待つ!」
「そんことはない!人類は同じ過ちを繰り返すんだ!」

 
 

お互いに激しい感情を剥き出しにした死闘が繰り広げられていた。
この2人がここまでムキになるのは正直珍しい。それだけ相容れない存在同士だということだろうか。

 

「わざわざそんなMSまで用意してッ以前から僕の存在を感知していたというのか!?」
「戦いとは常に二手、三手先を読んで行うものだッ」
「こ、こいつ……!違うぞ!僕がおぼろげに知っているザクとは装甲もパワーも!」
「ただ一機で君に挑もうというのだ。それなりの強化はさせてもらったさ!」

 

デュランダルの言うとおりこのザクウォーリアは相当にチューンナップされたカスタム機である。
だが……それでもオリジナル太陽炉を搭載したガンダム相手に戦えるものなのだろうか?

 

「来させるかぁ!」
「ぬう!」

 

0ガンダムの射撃をギリギリでなんとか回避する議長ザク。
お返しとばかりにビーム突撃銃で反撃、0ガンダムに見事直撃させる…………が、無傷であった

 

「……馬鹿な!直撃のはずだッ」
「ふ……ふふふ!そうさ……そうともこの機体こそが人類を導く…ガンダムだ!」
「なッ…速い?なんという運動性!」
「遊びはもう終わりだ。落とさせてもらうよッ!」
「冗談では……うぉお!」

 

リボンズはGNフェザーを全開、その機動力であっというまに議長ザクの後ろに回りこむと
ビームサーベルでフライトユニットの翼を叩き斬った。

 

「こ、ここでやられるわけには!」
「君はもうやられたんだよデュランダル……もう終わりさ、おとなしく地面に激突したまえ!」
「くッ動け……動けザク!ええい…!打ち所が悪いとこんなものか!」

 

デュランダルは落下しながら懸命に機体を立て直す。
破損したフライトユニットを強制パージ!もうひとつのシステムを切り替える……その時!

 
 

その頃……トレミーでは00勢がその戦闘を生中継で見ていたのだが。

 

「ふ、ふふふ、ふふふふふふ………!」
「な、なんだよ?どうしたおやっさん……いきなり不気味に笑い出したりして…」
「いやな……ワシも遂にこのセリフを言えるときがきたかと思うとな~。ククク……嬉しくて嬉しくて……」
「どういうことです……?」

 

「ふっふっふっ………こんなこともあろうかと……」

 

ユニットを取り外した議長ザクの落下が止まった……

 

「こんなこともあろうかと……」

 

ザクの背部から輝く粒子が放出される……!

 

「こんなこともあろうかと!」

 

そして粒子は巨大な光の翼となって展開された!

 

「こォォォんなこともォォォあァァろうかとォォォォォッッッ!!」

 
 

「馬鹿な……GNドライヴだと!?」
「まだだ!まだ終わらんよ!」

 

ザクの背面に見えるコーン型スラスター!それは明らかに太陽炉のそれであった!

 
 

4ヶ月ほど前……プトレマイオスの工場でイアン・ヴァスティは苦い顔してPCのモニターとにらめっこしていた。
そこに映っているのはザクの設計図。苦い顔の原因は近所のスーパーの副店長からの依頼。

 

「あんたの世界のMSにうちの太陽炉を、なあ……」
「お願いしますイアン殿。私の見たところ、この仕事はあなたにしかできないはずです」
「最初からGNドライヴを動力にする前提で開発されてるこっちの機体と、そうではないそちらの機体では全然違うぞ?」
「無茶は承知の上です」
「軽自動車にF1マシンのエンジンを積むようなものだ」
「それでも……どうしても必要とあらば仕方がありません」

 

「オリジナルのGNドライヴをもったガンダムが敵としてやってくる……か?信じがたい話だ。あんたの妄想じゃないかねそれは」
「妄想で済めばそれでいいのです。しかし、もし私の予感が的中したとしたら……恐るべき事態となるでしょう」
「太陽炉を搭載したとしても上手く動くという保証はないぞ?そんなものに一体誰が乗り込む?」
「私が操縦します」
「お前さんが……?」
「この戦いは私以外には不可能でしょう」

 

……数分間の沈黙があった。互いに懸念すべきことはすべて言ったからだ。
やがてイアンから口を開いた。

 

「……まあいいだろう。ワシ自身からして異世界のMSとやらには興味があるからな」
「やってくれますか!」
「2つ条件がある。ひとつはそちらのMSの専門家に協力させること。ザクウォーリアを隅々まで知り尽くしているのがいい」
「わかりました……ミネルバの整備班を派遣しましょう」

 

「2つめ……もし成功したらな、ワシにあのセリフを言わせてくれ」
「あのセリフ?」
「整備にたずさわる者ならば必ず一度は言ってみたいあのセリフだ♪」
「……?」

 

こうして……ティエリアから借り受けたラファエルガンダム用の予備擬似太陽炉を
これまたルナマリアから借り受けた真紅のザクウォーリアに取り付ける作業が極秘裏に進められた……

 
 

春日部の上空で対峙する二機のGNドライヴ機。
ガンダムとザク……白い悪魔と赤い彗星!その戦いはいよいよ決着を迎えつつあった。

 

「ティエリアめ!イノベイドでありながらとことん僕の邪魔をしてくれるッ……あいつの擬似太陽炉だと?」
「擬似とはいえあなどらない方がいい……この太陽炉はティエリア君が改良に改良を重ねた、オリジナルに限りなく近いものだ」
「だがオリジナルには及ばない!」
「そうかな?いくら動力がオリジナルでも旧式の機体ではその力を存分に引き出すことはできまい!」
「ぐッ……!」

 

もし……リボーンズガンダムにオリジナル太陽炉を搭載して戦いに赴いたのであれば。
付け焼刃の擬似太陽炉のザクでは到底太刀打ちできなかっただろう。
ここにきて旧式の機体に乗ってきたことが災いしたといえる。

 

「これだから大人は嫌いだ!もういい……僕に逆らう者すべて、一瞬でカタをつける!トランザムッ」
「やはりそう来たか。ならばこちらもトランザムッ!もってくれよ……ザクウォーリア!」

 

両機ともに高濃度圧縮粒子を全面開放。さらに三倍のスピードとパワーで熾烈な空中戦を展開する!

 

「さ、さらに速くなった!?」
「もしかして……あれがトランザムという奴か?前にシンが見たとか言ってたがあれほどのものとは……」
「ギルやめてください!その加速ではあなたの身体がもたないッ!」
「……落ち着け腰抜け。こうなったらもう信じるしかない………俺たちの議長殿を、な」
「もう~議長ったら普段出番がないからってこんなとこで無理にはりきらなくてもいいのに……ねえ?」

 
 

「「「「それはいうなー!」」」」

 

ルナのつっこみを必死で揉み消すキラたち。まったく見物している連中は気楽なもんである。

 

しかしレイの言うとおりでもあった。
本職のパイロットではないデュランダルではトランザムの戦闘になんとかついていくので精一杯であった。

 

「君のその力……擬似とはいえGNドライヴの恩恵があればこそだ!」
「ええい!力を使いこなすどころか力に振り回されるとは……!」
「勝負は見えたよ。これで終わりにするか?続けるかデュランダル!」
「そんな決定権がお前にあるのか!?私はまだ敗れてはいないッ」
「そうか。ならばその機体、太陽炉ごと突き刺してやるッ」

 

リボンズは巧みにザクの背後にまわりこみビームサーベルでザクの背面に突きを繰り出してきた。
デュランダルは反応が遅れた。MS操縦の致命的な未熟さがここで露呈された……だが

 

(くッ……遥か昔…・・私はかつて…奴に敗れた……だが今度だけは負けるわけにはいかん!頼む……
 私に欠片でも彼らと同じ力があるというのならば………一瞬だけでいい!私の中の才能よ……目覚めろ!)

#br 

 

ピキ―――――ンッ!

 
 

種が……割れた……!デュランダルの超集中力がいま覚醒した。
そして気が付いたときには。議長ザクは0ガンダムのサーベルによる突きを見事にかわしていた。
それのみならずふりむきざまにビームホークで0ガンの両腕を叩き斬っていたのだ。

 

「な……!」
「世界に人の心の光を見せなければならないのだろう?リボンズ・アルマーク……!」
「し、知らない!僕はそんなことを言った憶えはない!」
「君も、かつての私も……急ぎすぎたのだよ。急ぎすぎなければ……人類に絶望することもない」
「デュランダル―――ッ!」
「少し……頭を冷やしてきたまえ!」

 

そう言ってビームホークで0ガンダムの両足をも両断した。
ダルマにされた0ガンダムは当然落下していく。

 

「ぐっ…!し、姿勢制御を……なにっGN粒子が尽きかけている?しまった…………た、戦いすぎた、か……!」
「私の勝ちだな。今計算してみたが効率の悪い旧式機でGN粒子を消費しすぎた。一機でがんばりすぎだな!…………が」

 

「ここまでなのか……神たるこの僕が……!」

 

ガシィィィ……ン!

 

地面墜落直前……0ガンダムを何者かが受け止めた。
それはリボンズも見たことのない機体だった。デストロイ並に巨大で、マスラオ以上に武者を思わせるそれはMSというデザインではない
00世界では見たことがなかった……がパイロット達には見覚えがある。

 

「援護しますよリボンズ・アルマーク」
「な……リヴァイヴ・リバイバル?」
「もう私たちにはヴェーダのバックアップなんて必要ないはず。今度は私が助ける番ですよ……リボンズ」
「ヒリング・ケア……」
「我々はイノベイドの使命を充分に果したのではないでしょうか?」
「イオリア計画は完遂された。もう人間に尽くす必要はない……自分のために生きるのもいいのではないでしょうか」
「ブリング……デヴァイン……よ、余計なことを……!」

 

かつてモノのように生み出し…兵士として使い捨てたイノベイドたちに救われた。
生前のリボンズならばそれが当然であったし、絶対者である自分の考えに意見されたら嫌悪感を覚えただろう。
だが今は……なぜか彼らの言葉が温かく聞こえるのだ。なぜか……心にしみるのだ。

 

(なんということだ……まだ僕に帰れるところがあるとは。なんでだ?なんでこんなに嬉しいんだ……?ああ…ああそうか……
 すまないイオリア…僕は……生きたい。今度こそ自分の思うままに生きてみたいんだ……!)

 
 

イオリア計画遂行のの為だけに生み出され、イオリア計画の為だけに気の遠くなるような時間をすごし、
そして自らの人生に最後まで抗い続けた男……そんなリボンズがはじめて感じた心の光。
そう…人の心の光というもの確かにを垣間見た、そんな気がしたのだ。それは思ったほどに気色悪いものではなかった。むしろ……

 
 

……こうしてリボンズVS春日部の戦いは幕を閉じた。
リボンズの敗北を知った負債はヴェーダの不法アクセスを中断して逃亡した。あいからわず逃げ足だけは速い2人である。
そして強力な脳量子波は消え去り、00勢もようやく机の下から出てこれるようになった。
種MSの損害は一撃受けただけというのもあって破損箇所のパーツ交換程度で済むようだ。
加えて街への損害はほぼゼロであり……まあたいしたことはなかった。
パイロット連中もほぼ無傷だから結局この戦いで傷ついた者は誰もいないということになる。

 

反面、大喜びなのがトレミーの連中だ。
0ガンダムとオリジナルの太陽炉が戻ってきたと言って嬉々として修理に整備を行っている。
すべてはまたもとの日常に戻りつつある……この街には戦火なんて似合わないのだ。

 

さて……では今回の騒動の原因であるリボンズ・アルマークはどうなったのであろうか?
00世界に戻ったのであろうか?それとも負債と共にいぞこかに潜伏しまた新たな企みを?実は……

 
 
 

「デュランダルッなぜ生卵をご飯にかけた?卵はご飯と混ぜ合わせるべきではなかった!」
「あの焼き海苔は私の大好物だったおかずだ!それを残らず食べたお前にいえることか!」

 

実はまだ、またずれ荘の2階にいるのです。

 
 

「……て、李さん一家オチかよ!」
「う~やはりオラたち今回全然出番なかったゾ」
「んじゃせめて最後は俺たちで締めるか……正真正銘の主人公らしく」
「そうですなーま、なにはともあれみんな丸く収まったからでめたしでめたしということで」
「それを言うならめでたしめでたしだろ?」
「そうともいう~」

 

「「じゃっ!」」

 

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