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SEED-IF_1-813氏_01

Last-modified: 2008-01-24 (木) 03:18:50

【単発】もしパトリック・ザラがMSに乗ったとしたら

 

――誰が青き清浄なる世界の為に、だろうか!
皆様はそもそも地球を今まで汚し続けたのが誰か忘れたわけでも無いだろうと思う。
他ならぬナチュラルその者共ではないか!
それが私達を滅ぼさんとするならば、
私は戦う!”前へ進むしかない”のだ!!!――

 

公共電波を使い全"プラント"国民へ流されるその映像を、キラとアスランは共にアークエンジェル内のモニターで見ていた。
「"私は戦う"…?前と言い方が変わったよね?昔は"我々は―"って言ってたけど」
「考えすぎだ、キラ。どちらにせよ、私たちはこの戦いを止めなければならないのだから…」
「カガリ…」
アスランは黙る。自らの父が言うことは最もだ。しかし、だからといって戦って良い筈が無い。
――その時、CICに座るミリアリアが叫んだ。
「―本艦に対し暗号電文!恐らく地球軍のものが流れ込んできたものだと思われます!」
「解読できる?」
「複合鍵が全て使えれば可能です!」
「お願い!」
「了解―これは…」
「どうしたの?」
「地球軍宇宙艦隊は全てヤキン・ドゥーエ侵攻作戦の為集結…戦術核使用もあり得るとの事です!!」
周囲は事態を飲み込みきれない。そこへエターナルから通信が入る。
「ザフトがヤキンに集結してる!これはデカくなるぞ!」
バルトフェルドが叫ぶ。モニターの後ろに移るダゴスタの様子も珈琲臭ではなく事の大きさに顔を歪めている。
「―行きましょう、戦いを終わらせる為に。」
ラクスは小さな、しかしはっきりとその決意を口にした。

 
 

ヤキンでの最終決戦は幕を開け、フリーダム、ジャスティス、ルージュ、バスター、M1部隊は戦いを止めるべく戦線へと向かった。
フリーダムはバラエーナ、レールガン、ビームライフルを巧みに使い、ワンロックで5機を確実に戦闘能力を奪っていった。
そこへ、聞きなれた、しかし明らかに敵対心ともとれる声―
 <我らが勇敢なるザフト軍兵士諸君――>
戦闘宙域に、パトリック・ザラの声が響き渡った。
 <これ以上ナチュラルどもの暴挙を、これ以上許してはいけない>
 <ラミアス艦長!これ以上私たちがここに居るとかえって危ない!一度退いて体勢を立て直さねば!モビルスーツ全機、帰投せよ>
マリューは慌てて頷き、ミリアリアに指示した。
「僕はまだ戦えます!今のうちにみなさんは!」
「俺も戦える!キラを一人で戦わせるわけには行かない!!」
刹那、ムウが叫ぶ。
「キラ!避けろ!!」
「え?」
疑問の声と回避行動は同時だった。さっきまでフリーダムが存在していた宙域をビームが掠める。
「ほう、やはり君は創られたもの、なのかな?君が存在すること自体が間違っていると何故わからん!!」
「あなたは…どうしてそう言い切る!」
「人類のエゴの塊を見るのが私は堪えれんのだよ、私は!」
プロヴィデンス―ラウの新しい機体、背中に背負う巨大な円盤からは突起物があり、それは後光をさしているようにも見える。
と、辺りを良く見るともう一機――
「アスラン。貴様には失望を通り越した別の感情が芽生えているよ」
「父…いや、パトリック・ザラ、どうして貴方が!そんなものに!!」
そんなもの―パトリック・ザラの駆る機体は漆黒に塗れ、機体の胸部には何やらスキュラを思わせる砲口がある。しかし、イージスのそれとは比較が出来ない。なぜならその胸に大きく―胸のぽっかりあいた空虚さのような―穴があるように思えたからだ。
「我々を滅ぼさんとす者から身を守るには、敵を滅ぼすしかなかろう!!そして貴様とて例外ではない!私は…私は、貴様を落とす!このドロケスタガンダムで!!!」
落とすといったって…赤服のアスランは数多の死線を越えてきたのだ。
たかが一介の政治家がMSに乗ったところで―
「ゆくぞッ!!」
宣言した瞬間、アスランは想定外の打撃によるGによって吹き飛ばされた。
バーニアを吹かし、姿勢を整える。
皆の予想は裏切られた。あのアスランが動けないほどの敏捷性を示した機体は、アスランに向かって突撃する。
アスランは仕方なく迎撃体制に入った。
ジャスティスがビームライフルを撃つ。突っ込んでくる敵機に向かって背中のファトゥムを打ち出す。
ドロケスタと呼ばれたガンダムはその全てを回避、するとイージスのような形に変形する。
「変形した?!」
格好こそ似てはいるが、全く違う。
イージスのような鉤爪は無く、どこかで見たア○サ○スのような砲口を見せた。
「我が息子よ、しかしもう、裏切りの一兵士。最後の情け、その身朽ち果てよ―」
言い切るや否や、砲口から光が漏れ始める。
「アスラン!避けるんだ!!」
「くっ!」
まばゆい光が、しかしどす黒い何かを携えて、アスランを包み込んでゆく…