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SEED-IF_4-5氏_32

Last-modified: 2009-04-18 (土) 09:58:28

「え? 議長はもう発たれたのか?」
「ええ。お忙しい方だもの。昨日ああしてお話しできたのが不思議なくらいでしょ、ほんと」
「あ、まあ……」
ショーンは何か不機嫌なマユに気づいた。
「……彼女、どうしたんだ?」
ジョンは小さな声でルナマリアに尋ねた。
「知らないわよ!」
こっちも不機嫌か……
ショーンは首をすくめた。
その時、声がかかった。
「お前達、昨日のミネルバのひよっ子だろ? もう一人のフェイスの奴はどうした?」
「ん?」
「失礼いたしました、おはようございます」
「あ、フェイス……おはようございます!」
レイとジョンもそのニンジン色の髪の男に敬礼する。
「ふふ」
その男も答礼する。
「アスランさんはまだお部屋だと……」
その時、廊下の向こう側から声が聞こえてくる。
「……そしたらその兵隊さん……」
「あ……」
ルナマリアは気づいた。ラクス・クラインの声だ。
「顔真っ赤にしてね、ありがとうございまーすってすんごくおっきな声で、うふふ」
「あ……」
アスランとミーアが腕を組んで現れた。
「なるほどね。分かった分かった、サンキュウ。おはようございます、ラクス様」
「あ! ふん!」
アスランはみんなに見られているのがわかると、ミーアの腕を振りほどいた。
「ぁ……」
ちょっとミーアは悲しそうな顔をする。
「あーら、おはようございます」
「昨日はお疲れ様でした。基地の兵士達もたいそう喜んでおりましたね。これでまた士気も上がることでしょう」
「ハイネさんも楽しんでいただけましたか?」
「はい、それはもう」
そのハイネと呼ばれた男はアスランに顔を向けた。
「昨日はゴタゴタしててまともに挨拶も出来なかったな」
「あ……」
「特務隊、ハイネ・ヴェステンフルスだ。よろしくな、アスラン」
「こちらこそ。アスラン・ザラです」
「知ってるよ、有名人」
「ん?」
「復隊したって聞いたのは最近だけどな。前はクルーゼ隊にいたんだろ?」
「ぁはい」
「俺は大戦の時はホーキンス隊でね。ヤキン・ドゥーエでは擦れ違ったかな?」
その時、マネージャーらしき男が近寄ってきた。。
「ラクス様。ラクス様には今日の打ち合わせが御座いますので申し訳ありませんがあちらで」
「ええ~!」
「ちょっとお前!」
アスランはマネージャーの姿を見ると気色ばんだ。
「貴様……タケダと言う男とは知り合いか?」
「い、いや、自分、キングTAKEDA言いまんねん」
「タケダだと? やはり知り合いか? お前にそっくりな男だ! この間までミネルバに乗っていた男だ! 軍人に知り合いはいないか!?」
レイも、鋭い目つきでマネージャーを見つめていた。
「し、知らんがな。勘弁してや、ほんま」
「ふぅ……すまなかったな」
「ほんまや。びびったでぇ」
「では、よくわかりませんが、アスラン、また後ほど」
ミーアはアスランにウインクをした。
「ああ……はい……」
ミーアは去って行った。
「仲いいんだな、けっこう」
ハイネはアスランに言った。
「え? ぁぁいやぁそんな事は……」
「いいじゃないの、仲いいってことはいい事よ? うん」
「はいまぁ……」
「で、この6人と今いない奴全部で7人か、ミネルバのパイロットは?」
「ぇ? はい」
「セイバー、インパルス、ザクウォーリア、ザクファントム、バビかぁ」
「「ん?」」
「はい」
「で、お前フェイスだろ? 艦長も」
「はぁ……」
「戦力としては十分だよなぁ。なのに何で俺にそんな艦に行けと言うかね、議長は」
「「え!?」」
「ミネルバに乗られるんですか!?」
「ま、そう言う事だ。休暇明けから配属さ」
「「ぁぁ……」」
「艦の方には後で着任の挨拶に行くが、なんか面倒くさそうだよな、フェイスが三人っては」
「いえあの……」
「ま、いいさ。現場はとにかく走るだけだ。立場の違う人間には見えてるものも違うってね。とにかくよろしくな。議長期待のミネルバだ。なんとか応えてみせようぜ」
「はい、宜しくお願いします」
ハイネは去って行った。

 

「ではアスラン」
ミーアが出発すると言うのでアスラン達は見送りに来ていた。
「はい、どうぞお気をつけて」
「キスくらいはするでしょ?普通。んー」
ミーアはアスランに唇を近づける。
……!
アスランはふいに何かの感情に突き動かされたかのようにその唇に自分の唇を重ねた。
「――!」
アスランはそっと唇を離す。
「……」
ミーアはびっくりしたように少し口を開いて放心していた、が、その顔が花が開くように笑顔になる。
「ありがとう! すごく嬉しい!」
「さ、遅れます」
アスランはミーアをヘリコプターの方へ押しやる。
「また。また、きっとね!」
ミーアはヘリコプターに乗り込んで、飛び立っていった。その姿が見えなくなるまで、アスランに手を振っているのが見えた。

 

「さ、どうしよっかなぁ今日はこれから」
「んー……」
「せっかくの休暇だ。のんびりしてくればいい。艦には俺が戻るから気にしなくていいぞ」
アスランがルナマリアとマユに言った。
「そっか! 隊長はもういいですもんねー。ラクス様と『充分ゆっくり』されて」
「ぇ!」
「そうですよ、どうせならラクス様の護衛に就いて差し上げれば良かったのに」
「ルナ!」
マユは慌てた声を上げる。
「アスランはフェイスですもん。そうされたって問題はないでしょ?」
「ちょっと待て! ルナマリア!」
「ふー」
「あ、ああ、マユ先に行ってくれ」
「あ、はい」
「……また叩きます?」
「はぁ……今朝のことは、俺にも落ち度がある事だから言い訳はしたくないが。君は誤解しているし、それによってそういう態度を取られるのは困る」
「誤解……」
「……」
「誤解も何もないと思いますけど。分かりました。以後気をつけます。ラクス様がいらしている時は」
「いやだから……」
「大丈夫です。お二人のことは私だってちゃんと理解してるつもりですから……。う……ひっく……」
ルナマリアの目から涙がこぼれ出し、頬を伝う。
「おい、なに泣いて……」
「泣いてなんか……ひっく……」
「とにかく俺が悪かった。泣き止めよ、な?」
アスランはルナマリアにハンカチを渡した。
「アスラン……私……」
「ん? なんだ?」
「……なんでも、ないです」
ルナマリアは泣きながら走り去った。
「あ……ふぅ」
アスランは溜息をついた。

 
 

「なぁ、ラクス」
バルトフェルドがラクスに声をかけた。
「ラミアス艦長へのあれはなぁ。薬、使いすぎじゃないか? 他の奴らと同じ薬だけで十分……」
「彼女は鍵なのです」
ラクスは答えた。
「他の者などどうでもよろしい。艦の指揮も実質的にノイマンがすれば十分。元々艦長としての腕など最初から期待もしていません。ですが、前戦役の英雄である彼女は、なんとしても完全に駒にしておかなくてはなりません。その影響力を考えると……」
「そうかい」
「バルトフェルド隊長。わたくしは決めたのです。手を汚しても前に進むと! 世界平和の実現のために。わたくしは前戦役後、行動を間違いました。自分で蒔いた種は自分で刈ります」
真っ直ぐな目をして口を引き締めて断言するラクス。
バルトフェルドはラクスを痛ましそうに見つめた。

 
 

「いやーしかし驚いたよ。プラントの議長が来てくれるとはよ」
ディオキアの住人が話している。
「ああ、なんか同じようにこの辺の街、少し回っていくんだって。ラクス・クラインも」
「前の戦争ん時は敵だ敵だって戦ってさ、それが今じゃこうだもんな。ほんと分からねえもんさ」
「コーディネイターなんてやっぱりちょっとおっかない気もするけどさあ、あの乱暴者の連合軍に比べたら全然マシだよ。ちゃーんと紳士じゃないか」

 

「ふん。ちょっとお行儀よくされたからって」
「やめなよ、シャムス。聞こえるよ」
「うまいな。このサンドイッチ」
「ジョン、一人で食べるな」
ミラーがジョンの手からサンドイッチを取り、口に放り込む。
「まったく、熊スキーが乱暴だからこうなるんだ」
「ああ。だが、逆に言えばこちらが行儀よくしてやればよさそうだな。誰に支配されようが反抗するガルナハンとは違う」
「可哀想にな、ガルナハンの連中」
「それが、やつらの選択だ。そろそろ行くぞ。テレビを付けろ。例のニュースの時間だ。町の連中の様子を確認しながら帰還、J.P.ジョーンズと合流する」
スウェンは車を発進させた。

 

街に軽いざわめきが走った。ニュースが始まったのだ。
それは、先のザフト軍によるガルナハン制圧の状況であった。監視カメラや偵察機から撮られた映像が、アナウンサーの声も無くただ淡々と流される。
目隠しをされ座らされる地球軍兵。をれを現地民がゲームでもするように頭に銃弾を撃ち込んでいく。
許しを請う地球軍兵。その頭を足で踏みつけ銃の引き金を引く現地民。近くにいるザフト軍は何も介入しない。
最後に、アナウンサーが『犠牲者のご冥福をお祈りします』とだけ言った。
次の番組は、各地のマスドライバーの特集だった。
最初は、オーブのカグヤ。軽やかな音楽とともに、輝かしい新造の再建されたマスドライバーからシャトルが発射する映像が映る。続いて混乱の続くカオシュン。そして――ビクトリア。
当然、前戦役でザフトが行った虐殺にも触れられる。
だが、決して番組の作り方は反ザフトを煽るような物ではなく、ただ淡々と事実を告げる物。生残者が持ち帰った映像が、奪回した地球軍が撮影した映像が、次々に流されていく。
先ほどのガルナハンの映像を規模を拡大したような、虐殺されていく地球軍兵の姿。ビクトリアから掘り出された腐乱した地球軍兵の死体の山……
どんな煽るような口調よりもそれは効果的に一般人の心の奥底に働きかける物だった。
最後に、パナマ。ここでもパナマでの虐殺が触れられる。そして一転――暗い雰囲気を打ち消すように、パナマ・マスドライバーの再建苦労話になり、技師達が朴訥に話をしていく。そして終わりに明るい未来を象徴するように、パナマ・マスドライバーをシャトルが駆け上がっていった。

 

「やるわね」
その番組を見ていたタリアは右手の親指をかんだ。
その放送が引き起こす事が想像できたからだ。

 

アスランはそのニュースを見ると体を強張らせた。アスランだけではない。いや、アスランはまだましだった。現地を見ている。しかし、その他の、ガルナハンを解放し、自分達を正義の味方と思っていた乗組員には、お前達は虐殺の手助けをしただけだと。お前達の手は血に塗れているのだと突きつけられる事はかなりの騒ぎを引き起こした。
それは、タリアが訓示をする事で一応収まったが、ミネルバの乗組員の胸には残った。自分達は無防備な者を殺したのだと。夜中に飛び起きる者もいた。だが逆に、ナチュラルへの蔑視を深めて心の平衡を保とうとする者もいた。

 

……タリアの想像通り、地球連合内では、中東、中央アジアの民族をユーラシアが弾圧していると言うような論調は息を潜めた。
どっちもどっちだと一般人は思ったのである。
そして……地球連合からの離脱を目指してザフトに支援を求める地域は目に見えて減っていった。

 
 

「どうする? キラ? ザフトもやっぱり正義の味方って訳じゃないらしい」
「そうですね……」
「しっかりしろ!」
カガリはキラをどやしつけた。
ふう。まだ少し、つらいかな。もう少し、濃くても良かったかも。
カガリは心の中でつぶやくと栄養ドリンクの瓶からこくんと一口、液体を飲んだ。
うん、元気が出る。活力が沸いてくる。
そう、カガリは元気に見えていた。理由があった。毎日行われるラクスのお茶会、お茶にまったく手をつけないのも不自然だ。あれから、お茶会では気分が楽になるといって毎日必ず薬を飲まされる。毎日薬を渡される。ラクスから渡される薬を捨てるのは簡単だ。だが、どうにも禁断症状の身体のつらさは……どうしても表に出てしまう。ラクスからもらった薬を飲まずにつらそうにしていても疑われるだけだ。そこで、カガリは、ばて気味だからと毎日栄養ドリンクをもらった。一回は、そのまま飲んでみた。効果はすばらしい物だった。やはり、と思った。だが……
カガリはそれらを効果が出るまで、少なくとも元気に見せかけられるようになるまで薄めた物を飲んでいた。残りはトイレに捨てていた。
ラクスのお茶会でのゆったりとする薬物ともまた違うシャッキリさせてくれる薬物。カガリは覚醒剤ではないかと疑っていた。なぜなら、夕方以降は飲まない方がいいと言われ、ゆっくり休めば疲れも取れると睡眠薬をだされたのだから……
でも、いいよな? ヘロインの禁断症状に比べれば覚醒剤の方が……。注射する訳じゃないんだ。大西洋連邦でも医療用に処方されてるじゃないか。
カガリはそう自分に言い聞かせ、不安を押さえ込んだ。

 
 

オーブ軍令部――
「黒海をですか?」
「そうだ。オーブは同盟条約に基づき黒海のザフト軍を討つべく派遣軍を出す事となった」
「ぁぁ……」
トダカの問いにユウナが答える。
周りで聞いていた者達に溜息が漏れる。
「旗艦はタケミカズチ。総司令官として私が行く。代表がご病気と言う状況の我が国だ。だからこそ国の姿勢ははっきりと示しておかねばならない」
「はぁ……」
「しっかりと、宜しく頼むよ?」
「ぅ……」
「いいね?」
「はっ!」
トダカらが出て行くと入れ替わりのように二人の男が入ってきた。
「誰だ? 君らは?」
髯を生やした男は敬礼して言った。
「オーブ陸軍大高一佐であります。ウナト宰相が極秘に作られた部隊『青風会』を率いております」
「は!?」
もう一人の男も敬礼して、言った。
「自分はオーブ海軍、高野一佐であります。同じく、『紺碧会』を率いております」
「なんだって!?」
再びユウナは驚きの声を上げた。
彼らから打ち明けられた物事は、もっと驚くべき物だったのだが。

 
 

「しかし、うまい報道の仕方だな」
バルトフェルドが唸った。彼は元は本業が広告心理学者である。
「これで、ザフトへ一旦傾いた一般市民の支持が元に戻っちまった」
「……まぁ、僕らはザフトじゃない」
不貞腐れた様にキラが言った。
「で、どうするんだ? キラ?」
カガリはキラに尋ねた。
「どうする……」
「情報では、地球軍はオーブに軍の派遣を強要したそうだ。どうする!」
「そんなの!」
カガリはキラを廊下に引きずり出した。
「介入するんだろう? どうせ?」
「う、うん、そのつもりだけど。だって戦闘をやめさせなきゃ悲しみの種が広がるだけで……」
「なら聞け! キラ、オーブ軍のモビルスーツは撃ち落とすな! 艦艇も攻撃するな!」
「そんな! 僕は止めなんて刺さないよ!」
「大切なオーブの財産だ! 壊すな! 攻撃は避けてかわせ! 艦艇もだ。オーブのモビルスーツには攻撃するな。撃つな! 止めを刺さなきゃ攻撃していいなんて思うな。お前にとって艦艇の砲やミサイルをかわすなんて簡単だろう? あれだけの軍隊を維持するのにどれだけ金がかかってると思ってる!」
「で、でも……」
「じゃなきゃオーブへ戻ったらおまえのこづかい減らす」
「う、うん」
「よし。さあ、部屋へ戻ろうか」
カガリはばしっとキラの背中を叩いた。

 

「なに話してたの」
マリューが尋ねる。どこかぼんやりとした声だ。
「ん、ちょっとね。ところでザフト……ここらへん近辺で言うとミネルバか。ディオキアに入ったと言う。それと地球軍が戦闘になったらどうする?」
「……戦闘を止めるわ!」
「犠牲が出るぞ」
「少なくは、するつもりよ」
マリューは後ろめたさそうに言った。
「モビルスーツはキラ君に任せるし、艦艇の砲撃は進路を妨害して防ぐわ」
「そうか。そこまで思っているなら。もう何も言わん」

 

「キラ。ここにいたのですか」
ラクスはキラに声をかけた。
キラは海底の見える窓で海底を眺めていた。
「あ、うん」
「……戦いが、またはじまりそうですわ」
「うん。オーブ軍が来るんだ。カガリに説得させて、なんとか退かさなきゃ。オーブの理念は……」
「キラ!」
ラクスはキラにすがりついた。
「ど、どうしたの? ラクス」
「……ごめんなさい! わたくしのせいで、またキラを戦わせてしまう……」
「ラクスのせいじゃないよ、みんなで決めた事じゃないか」
「違う、違う……」
ラクスはかぶりを振った。
「すべてはわたくしが志など持たなければ、世界が混乱しようとオーブは、皆は平和でいられたのです」
「よくわからないけど、ラクス」
キラはラクスの肩に手を当て、微笑んだ。
「ラクスがしようとしている事だろう? きっと立派な事だ。僕は何であれ手伝いたいんだ。いいね?」
「ああ、キラ……」
ラクスは赤ん坊のように泣きじゃくりはじめた。
キラは困ったようにラクスを抱きしめ、背中を叩いてやるのだった。

 
 

『慰問のコンサートはどこへ行っても凄い人。地球の人もみんな待っててくれて、声かけてくれて、ほんとに嬉しい! あたし用のピンクのザク、初めて見たときはもう感動しちゃったよ~! あたしももっと頑張らなくっちゃ! でも戦争はなかなか終わらないし、結構大変よね。議長の言ってることは正しいんだからみんなちゃんとそれを聞けばいいのに。そ・し・て。すごいすごいすごーい! アスランにキスされちゃった! まさかやってくれるとは思わなかったからすごい嬉しい! これって……あたしにもラクス様と同じ位の魅力感じてくれたって事だよね? 嬉しい。やばい。本気で好きになっちゃいそうだよ。好きになっちゃだめなのに。だってアスランにはラクス様が……。でも、好き。辛いよぅ』

 
 

「また、パナマ運河を通るか」
「こうすんなり待たずに通れるのもまほりんのおかげですね?」
「えへへ」
ナーエは、井沢真秀がとっつき難い第一印象とは異なり、堅苦しい呼び方を好まず、本心では人との接触に飢えている事を感づいていた。
ゆえに、あえてあだ名で呼ぶ。まほりんと。最近では皆まほりんと呼び、真秀もまんざらではないようである。
「次は、スカンジナビア王国ですか?」
「ああ。あの国も先の戦いで中立を守ろうとした。ぜひ伺いたい国だ」
「あのう、アグニス?」
気遣うようにまほりんが言った
「なんだ?」
「スカンジナビア王国に、それ程夢持たない方がいいと思うよ?」
「なんか、掴んでいるのか? スカンジナビアに対して」
「って言うか。どこの国も自分のために一生懸命って事かな」
くすっとまほりんは笑った。

 
 
 

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