Top > Seed-Crayon_3-384_4-3
HTML convert time to 0.006 sec.


Seed-Crayon_3-384_4-3

Last-modified: 2008-06-19 (木) 22:19:57

ある愛の物語(アンディ&アイシャ編)・最終話
 
 アンディはバスに揺られ、夕方に通ってきた道を戻っていた。
 夜になっただけなのに、風景はやけに変わって見えた。
 その外を眺めているとき、ふと砂漠の向こうに建物が見えた…
 それを見るや否や、運転手に無理を承知で降ろしてもらうように言い、運転手も他に客がいなかったので快く受け入れてくれた。
 アンディーはそのまま砂の道を歩き、思い出のあの場所へと足を進めていく…
 まるで彼女を探すかのように…
 
アンディ「変わってないな…」
 
 アンディはそこに着くなり、そうポツリと言った…
 
 そこは発掘キャンプのテントがなくなった程度で、後はそのまま手付かずのままだった。
 アンディは一通り辺りを見回すとあの場所に向かう。
 10年前、いつも自分が珈琲を飲んでいたあの場所に…
 その場所に着くなり、思い出されるあの時の自分の姿…
 そしていつものように小石をあげ、叱責するアイシャ…
 頭の中のメモリーから鮮明に取り出される映像…
 そしてその姿が他の場所に行くと不意に消えてなくなっていった…
 
アンディ「アイシャ…」
 
 彼は倒れている支柱に寄りかかり座ると、膝を抱え込み、腕で顔をうずめた・・・小さくヒクヒクと声が夜の砂漠に広がった…
 
「アンディ…」
 
 ふと、彼の耳に懐かしい声が聞こえた…
 
 彼が恐る恐る顔を上げると、そこには優しく微笑むアイシャの姿があった…
 彼女は何かを言っている様であったが、声は聞こえなかった…
 口の動きで 「来てくれてありがとう…」 と言っているようだった。
 突然、アンディーの視界はその瞬間真っ暗になった。
 何が起きたかわからなく、顔を上げると、そこにはアイシャの姿はなかった。
 
………
……

 
アンディ「夢か…」
 
 アンディーそう呟き、ふと下を見ると、いつの間にか手から落ちてしまったのか、少し砂に埋もれたサボテンが小さな花を咲かせており、そこの近くの砂地には 「また会えるから…」 と、薄く指で書かれたような跡が残っていた。
 周りには、アンディーの足跡以外何もなかった…
 
アンディ「…わかったよ…」
 
 彼はそう一言言うと、サボテンを拾い上げると、その場を立ちあがり、歩き始めた。
 彼の目からは涙はなかった…
 
アンディ「僕はいつでも待ってるから…」
 
 彼は朝日の昇り始めた砂漠を歩きながらそう呟いた。
 そして行く…自分の帰るべき場所へと…
 
………
……

 
~数日後~
 
 アンディーはいつものようにまた店を開いていた。
 少し寂しそうな顔もしていたが、どこかすっきりしたようだった。
 
ひろし 「マスター今日の珈琲、何かいいよ…」
アンディ「えッ?そうかね? それはこの前が酷かったせいでは?」
ひろし 「いやいや、それ抜きにしてだよ…いや~マスター、ここでまた腕を挙げるとは…流石だよ」
アンディ「お礼はしんちゃんに言ってくれないかな…」
ひろし 「しんのすけに?」
アンディ「あぁ、あの子が僕を救ってくれたからね…ところでしんちゃんは今は何を?」
ひろし 「今日はシン君と友達で空き地に遊びにいくとか…」
アンディ「そうか…今度、ウチに来るように言っておいてくれないか。お礼がしたい…」
ひろし 「お礼ね~。お?マスター、このサボテンどうしたの?」
 
 ひろしはふと、カウンターところにちょこんとあるサボテンに気が付いた…
 
アンディ「預かり物だよ…大切な人からのね…」
 
 アンディはそう言うと、ダコスタから注文を聞き、珈琲をカップに注いだ。
 
………
……

 
シン 「はい、しんちゃん」
 
 空き地では、しんのすけたちがバレーボール程の大きさのゴムボールでバレーをしていた…
 
しん 「はい、ネネちゃん」
ネネ 「はい、マサオ君」
マサオ「あ~おととと、ボーちゃんお願い!!」
ボーちゃん「ま・か・せ・て、ほい」
風間 「よ~し、お~らい、お~らい」
しん 「耳に)ふ~」
風間 「fにゃはな;あm」
 
 風間君が取り損ねたため、それていくボール…
 ボールはそのまま、空き地の出口の方へ転がっていった。
 
しん 「もう~風間君だめだぞ、ちゃんと取らなきゃ」
風間 「お前のせいだろ!!」
しん 「もう~喜んでたくせに~」
風間 「はやくとってこいよ!!」
しん 「仕方ないな~~」
 
 しんのすけはボールを取ってくるように促されると、走って取りに行った。
 ボールは外の道に出ていたが、一人の女性がボールに気が付いてひょいっと拾い上げた…とても綺麗な女性だ…
 
女性 「これ、君の?」
しん 「うん、それでみんなと遊んでたんだぞ」
女性 「そう、じゃあはい」
しん 「ありがとう、お姉さん」
 
 そう言ってしんのすけが空き地戻ろうとすると、女性は少し呼び止めた。
 
女性 「ねぇ、君。この近くにある喫茶店知らない? 私、ここのこと良く知らなくて」
しん 「お~それなら、この道を真っ直ぐ行くとアンディの店があるゾ」
女性 「えっ?アンディ? 面白い名前ね。マスターの名前?」
しん 「そうだぞ、味はオラが保証するぞ」
女性 「そう、ありがと」
 
 女性はしんのすけに会釈をすると、その場所をあとにした…
 
しん 「…あれ~?あのお姉さん、どこかで…」
シン 「しんちゃ~ん、早く来なよ~何してるの~?」
しん 「お、あ~ごめんごめん、今行くぞ~~」
 
………
……

 
 ――春日部の憩いの場、喫茶「砂漠の虎」…
   今日もまた新たなお客の訪問を告げるドアのベルが
   あの香りに満ちた店内に鳴り響く――
 
 ~END~
 
 
 戻る