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Seed-OO_◆ld4xh1oLN2氏_第02話

Last-modified: 2007-12-27 (木) 01:05:38

第2話 炒飯マイスター

 

スーツ姿の男は、よく見るとどこかで見たような気がする。
とまどっている俺にそいつは言った。

 

「さあ、車を待たせています。早くお乗りください。」
「乗れって言ったって、どこに連れて行く気だよ!」
「あなたのよく知っている方がお待ちです。」

 

俺は不安もあったが、”よく知っているヤツ”が待っているってどういう意味だろうかという好奇心が勝った。
俺はしぶしぶと外に止まっていたリムジンに乗ることにした。
スーツの男が後部座席のドアを開けて乗るように促した。

 

座席に座った俺はその隣に乗っていた男に驚いた。
「貴様ぁ!こんなところで何をしている!」
そいつは俺がよく知っている男だった。
そう、イザーク・ジュールだ。

 

「イザーク!?お前こそここでなにやってるんだよ。」
「ふん。俺たちをこの世界に送り込んだ張本人の所に案内するっていうから来たまでだ。」

 

さっきのスーツ男が運転席に乗り込むとサングラスをとって話しかけてきた。
またまた俺はその顔を見て驚いた。
確か、名前はマーチン・ダコスタ。
”砂漠の虎”アンドリュー・バルトフェルドの副官だ。

 

「さて、それではご案内いたします。」

 

予想通り俺たちを待っていたのはバルトフェルドだった。

 

「やあ、よく来たね。まずはコーヒーでも一杯どうかね?」
「その前に説明してもらおうか。」

 

口火を切ったのはイザークだった。

 

「俺たちをこんな世界に連れてきて何を考えている!」

 

連れてきた・・だって!?
なんてこった。
いきなりこんな違う世界にいるのはおかしいと思っていたんだ。
コイツが張本人かよ!

 

「何なんだよ、そりゃあ!」

 

思わず俺も叫んだ。
バルトフェルドは俺たちの問いに答えず、コーヒーを手に持ったまま入り口の壁の方を見た。
つられて俺たちもそっちの方を見た。
そこには例の羽クジラのレリーフが飾られていた。

 

バルトフェルドはしばらくの沈黙のあとで口を開いた。

 

「・・・君たちはこの羽クジラのレリーフの実物に手を触れたことはあったかね?」
「実はコイツは、異世界へのゲートになっていたんだ。」
「終戦後、僕は引き続きエターナルを任されていたんだがね、」
「あれほど望んでいた平和がどうにも退屈で退屈で仕方がなかった。」
「おそらく僕の中にまだまだ戦い足りない思いがあったんだろう。」
「プラントにあるコイツに触れたとたん、この世界にいた」

 

「それで、俺たちをどうやってここに連れてきた!」
イザークが問いただす。

 

「ダコスタ君に頼んで連れてきてもらったんだが、どういう訳だか君たち二人しか来ることが出来なかった。」
「きっと君たちの心の中にも戦いに飢えた思いがあったんじゃないかね。」

 

俺は・・そんなはずはないと否定したい気持ちはあったが、
最近イザークがどんどん遠くに行ってしまうような気がして、
二人で戦ったあの頃に戻りたいと心の底で思っていたことは事実だ。
しかし、だからといって・・・

 

狼狽する俺たち二人を横目で見ながらバルトフェルドは席に着いた。

 

「さて、君たちにお願いしたいのは・・・」
「戦 争 だ !」

 

「この世界では絶えずどこかしこかで小競り合いがある。」
「僕たちの世界のように全面戦争ってヤツはない。」
「君たちの任務は、ソレスタルビーイングの支援を受けて戦争を叩きのめすことだ」

 

「ええい!そんなことはどうでもいい!!早く元の世界に戻せ!」
イザークが叫んだ。

 

「・・・残念だが、君たちを元の世界に戻す方法は知らない。」
「ただ、もしかするとだが、この世界が平和になったら帰れるんじゃないかって、僕はそう思うね。」

 

「OK。しょうがない・・か。俺たちの乗る機体はあるのかい?」
俺は観念するしかなかった。
「イザーク、さっさと終わらせて帰ろうぜ。」

 

「フン。やるしかないということか。」

 

「君たちに用意した機体だが、デュエルとバスターだ。」
「運用艦はレセップスになる。」

 

「ちょ、おい!待てよ!」
「何だね?」
「せめてもうちょっと上等な機体はないのかよ!」
「これは君たちの願望だよ。この機体に君たちは特別な思い入れがあるはずだ。」

 

「そう、初めて乗った自分専用機。」
「ともに傷を負い、ともに戦って生き抜いた特別な機体だろう?」
「だからこそ、この機体もこの世界に現れた。」

 

いくら話を聞いても納得は出来なかった。
だが、俺たちにはもう、今出来ることをやるしかないと言うことだけは分かった。
そう、ジェネシス阻止作戦の時のように・・・

 

俺たちの戦いはこうして始まった。