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W-Seed_380氏_第10話

Last-modified: 2007-11-11 (日) 12:59:42

 MSのハッチが開き、凛々しい女性が降りてくる。名前はルクレツィア・ノインという。
 この前彼女ともう一人、ゼクス・マーキスと言う男が宇宙で難破していた所を助けたんだが、二人には少し謎がありそうだ。
 まず、常識がない。ナチュラルとコーディネーター。プラントと連合、オーブの存在を知らないと言うんだ。
 私も皆に常識がないと言われるが、二人は私以上に常識がない。下には下がいるものだ。
 しかしMSの操縦技術は凄い。私はもとより、キラやアスランぐらいに凄い。
 もっともノインに言わせれば
「操縦技術は彼等の方が上ですが、戦闘技術ならば私の方が上です」
らしい。
 彼女は教えるのも上手く、アサギ、マユラ、ジュリの三人を鍛えて貰っている。
 私も学びたかったが、キサカに怒られたのでやめた。本当にキサカは酷い奴だ。
「カガリ、私に何か御用で?」
 「い、いや、お疲れ様。三人はどうだ?」
 私はしどろもどろになりつつ答える。
 「筋は悪くありませんね。しかし、集中力を切らしやすい。そこを直さないと駄目でしょう」
「そういうものなのか?」
「そういうものです」
 ノインはキッパリとした口調で答えてくる。凛とした表情は格好良くて少し見惚れてしまう。
「そうだ。また例の話をしてもらえないか?」
 私はノインに恐る恐る告げた。例の話とは彼等の地元のおとぎ話だ。
亡国のプリンセスが空から降りてきた五人の戦士と共に世界を変えるという話はまさにおとぎ話だ。
 しかしノインが語ると本当にあったような事実に思えてしまう。ノインがそれだけ話が上手いという事だろう。
「私もプリンセスみたいになれるだろうか……」
 ノインは私に穏やかな笑みを注ぐ。
「それはあなた次第です。あなたには全てがたりませんが、努力すればなれるかも知れません」
 ……綺麗な顔でキツイ事を言う。ノインも案外酷い。
「あなたはまだまだ若くて青い果実です。でもそれはあなたの力になります。あなたには時間があります。見事に実りの時期を向かえて見せて下さい。私もゼクスも期待しています」
 ノインは私にそう告げるとスタスタと歩いて行った。

 ……お父様。私は見事にオーブを再興して見せます。
「カガリ様ぁ~!」
 キサカだ。折角頑張ろうと思ったのに気分を台無しにされた。

 キサカはやっぱり酷い奴だ。

──to be continued──

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