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Zion-Seed_515_第16話

Last-modified: 2007-11-12 (月) 18:13:29

 ソロモンに急行する公国軍艦艇のなかに、L3方面から急行する2隻のザンジバル級機動巡洋艦があった。
 クーデター鎮圧作戦において一躍時の人となったシーマ・ガラハウ中佐の『リリー・マルレーン』。
 そして、赤い彗星の名で知られるシャア・アズナブル少佐の“赤い”ザンジバルである。

 ジオンの最新鋭艦であるザンジバル級機動巡洋艦は、単独での大気圏突入及び、専用ブースターを装着しての
大気圏離脱が可能な万能艦である。
 そのため、機動部隊の母艦として少佐以上の佐官に与えられ、最大で12機のMS部隊で構成された独立部隊
として、単艦での行動が許されていた。

 ■ 蜉蝣と彗星 ■

「しっかし、アンタ本当に赤いの好きだねぇ」
『趣味だ。放っておいてもらおう』

「別に機体の塗装はいいよ? アタシもやってるし……でも、乗艦まで赤くするかい?」
『趣味だ。放っておいてもらおう』

「いや、目立つんだよアンタの艦。いい的じゃないか」
『避けて見せるさ!』

 ブッ――――。

「チッ、通信切りやがった、あのマスク・ザ・レッド」

 ソロモンに向かう途中で合流した彼らは、今後の方針を話し合っていたのだが、つい艦の色が気になったシーマが
シャアをからかっていたら、途中で通信を切られてしまったのである。

「まあ、いいか。あんなんでも腕は確かだしねぇ」

 シャアの性格や趣味はともかく、能力は信用しているシーマであった。

 一方、“赤い”ザンジバルでは、

「ええい、あの年増め! 絶対にミス公国軍の時のことを根に持っているな!」

 と、シャアが大いに憤慨していた。

 先発隊に遅れること1時間、ジオンの優勢が続く戦場にザフト特務隊長レイ・ユウキ率いるザフト主力艦隊が
ようやく到着した。

 これより1時間前、ソロモンへの進路を進んでいる最中にジオンへの宣戦布告を聞いたユウキは、彼にしては
珍しく罵りの言葉を口にしている。

「バカな! 本隊の到着と同時に宣戦布告の予定ではないか!? クルーゼめ、功を焦ったな!」

 もとからラウ・ル・クルーゼへの信頼が無かったユウキは、クルーゼが功を焦り本国へ虚偽の報告をしたと判断、
実際には先発隊のクルーゼを含む5人の隊長の協議によるものだったが、内容は同じである。

 内心の怒りを押し殺し、ユウキはソロモンへ向けて全速で艦隊を向かわせる。
 その甲斐あって、輸送艦艇が数隻脱落したものの、本来2時間以上かかる航路を1時間で走破したのである。

「全MS隊、出撃! ジオンのMSを蹴散らせ!!」

 その号令とともに、ザフト艦から発進した200機以上のMSが乱戦状態のソロモンに突入した。

 3機小隊でザフトのジンを圧倒するジオンのザクではあったが、逆を言えば一対一ではジオンの熟練兵とてジン相手に
苦戦を免れないのである。
 先発隊の100機前後のMS隊は、ほぼ完全にインターセプトしていたジオンであったが、ザフト主力艦隊の到着に
より、敵MSのソロモン駐留艦隊への突入を阻止できなくなっていた。

 艦艇数が上回ったザフトの猛攻により、ソロモン駐留艦隊はじりじりと後退、ザフト艦への攻撃を行っていたMS隊も
母艦の防衛に回らざるを得なかった。

 ■ 変態仮面 vs 悪夢 ■

「ちぃ、ユウキが来るまでに片付けるつもりが、ここまで梃子摺るとは! ええい! しつこい!!」
「こやつ、やる! だが!」

「いちいち君に関っているほど暇では、っと!」
「もはや話す口などもたん!!」

「おのれ! く、バッテリーが……ガトーとか言ったな、このラウ・ル・クルーゼをここまで追い詰めた事は褒めておこう!」
「むぅ! ……逃がしたか。だが、まだ戦いは終わらん!」

 両者ともに技量の限りを尽くすも決着はつかず、クルーゼ駆るシグーのバッテリー残量がレッドに突入した為、クルーゼは
逃走する。
 ガトーもそれを追わず、新たな敵影めがけて乗機のリック・ドムを突貫させるのであった。

 ついにジオンの防衛ラインが突破され、ソロモンに取り付こうとするザフトのMSが刻一刻と増えてきていた。

 この事態に、ソロモン司令官ドズル・ザビ中将は予備隊の投入を決意、自身も専用のザクに乗って出撃しようとする。
 当然、副官のラコックに止められるが、それで聞くようなドズルではない。

「1機でも多くのMSが必要なのだ!」

 と、執拗に出撃しようとする。
 ラコックもそんな理由で、もし戦死とかされても大変である。なんとか押し留めようとする。

 幕僚の一人が、気を利かせて予備隊への出撃を命じていなかったら、延々と予備隊は待機状態であったかもしれない。

 と、要塞司令部で洒落にならない漫才が繰りひろげられている間にも、各戦線は一層の激しさを増していた。

 コンスコン少将が巧みに艦隊を動かし、わざと層の薄い地点を作りそこに敵を引き込もうとすれば、ユウキ隊長が
血気に逸る味方を制御し、数の優位を持ってじりじりとジオン艦隊を包囲しようと画策する。
 ジオン、ザフトともに一進一退の攻防を見せていた。

 24日、7時。ついにザフトのホーキンス隊がソロモンに橋頭堡を作る事に成功、そこを拠点にザフトのMS隊が
ソロモンへの侵入を開始する、その瞬間であった。

「後方、5時方向より艦影確認! 認識は……ジオン軍です!!」

 ようやく戦場に到着した、4隻のザンジバル級機動巡洋艦。
 シーマ・ガラハウ中佐の『リリー・マルレーン』、ギャビー・ハザート中佐の『テンペスト』、ロバート・ギリアム少佐の
『ストロング・ホールド』、そして、シャア・アズナブル少佐の“赤い”ザンジバルである。

「さぁて、アタシら海兵隊にはお誂え向きの戦場だ。気合入れていくよ!」
「さあて、待ちに待った対MS戦闘だ! 嵐の暴風、ザフトに知らしめるぞ!」
「ククク、図ったかのような展開だな? このロバート・ギリアム、はじめからクライマックスでいくぞ!」
「フフフ、赤い彗星の名がいかほどのものか、見せてくれよう!」

 ジオンには間一髪の、ザフトにとっては最悪のタイミングでの増援であった。

 ■ 海兵隊+α ■

「コッセル、アタシも出る! 後は任せたよ」
「イエス、マム!」

「アンタ達にも働いてもらうよ? 黒い三連星の異名がいかほどのものか見せてもらう」

「任せておけ、中佐。拾ってもらった恩、忘れんよ」
「おう、任せろ!」
「おう、黒い三連星の名に懸けて!」

 『リリー・マルレーン』の搭載MSは以下の通り、

 MS-09R / シーマ・ガラハウ専用機
 MS-06R-1A / 黒い三連星・ガイア機
 MS-06R-1A / 黒い三連星・オルデガ機
 MS-06R-1A / 黒い三連星・マッシュ機
 MS-06F2:5機 / 海兵隊仕様

 ■ 赤い彗星と愉快な仲間たち ■

「ドレン、私が出る! 後は任せる」
「了解、ご武運を」

「アポリー、ロベルトは私の両翼につけ、デn」
「アンディであります!」
「リカルドであります!」

「分かった、アポリー、ロベr」
「アンディ!!」
「リカルド!!」

「……とにかく私の両翼につけ、デニム、スレンダーはララァの護衛だ」
「……了解」
「……了解」
「了解であります」
「了解しました」

「ララァ、今回が初陣となる。厳しいかもしれんが、ララァにならばできる。ブラウ・ブロの戦果、期待しているぞ」
「はい、少佐。ご期待に副えるよう、努力します」

 “赤い”ザンジバルの搭載MS・MAは以下の通り、

 MS-09R / シャア・アズナブル専用機
 MAN-03 / ララァ・スン機
 MS-06F2:4機 / アンディ、リカルド、デニム、スレンダー機