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code geass-destiny第04話

Last-modified: 2010-02-01 (月) 22:44:19

コードギアスDESTINY
第4話 真の敵

 
 

「これって…」

 

 カレンとステラの前に現れる機体。
 それはカレンにとって慣れ親しんだ機体であった。
 楽しかったことも…苦しかったことも、悲しみもともに経験し、今もなおカレンがお守りとして常にネックレスとして持っているナイトメアフレーム、紅蓮の起動キー。
 カレンの前にその紅蓮がある。赤い機体色はそのまま…。

 

「紅蓮暁式。ロイドやセシルが私の紅蓮を汚してくれたからね~ぇ。あれに負けないようつくったつもりだけど…」

 

 カレンの隣に立つラクシャータが説明を続ける。

 

「ラクシャータさん、あのお願いがあるんですけど」
「?」
「起動キーを…私のこれにして欲しいんです」

 

 カレンはそういって首についている起動キーを見せる。
 ラクシャータは笑顔で頷く。

 

「…そして、そっちの子には、あれに、乗ってもらおうかしら」

 

 ラクシャータは紅蓮の隣にある機体を見る。
 灰色の色をした紅蓮に似たような機体。
 2人にその二つの機体を紹介するとラクシャータは書類を渡す。

 

「後で取説よんでおいてね、2人とも。後、そっちの子は後で私の部屋に…」
「…」

 

 カレンとステラにそういって、振り返るラクシャータ…。
 そこに立つゼロ。
 ラクシャータ・チャウラー…黒の騎士団として、その有能な科学力を持ち、
 紅蓮だけでなく数多くのナイトメアフレームを量産した女。
 最終的には俺が騎士団を裏切っているとされ、追われた身となったわけだが…

 

「その顔の裏に隠されているのはなんだ?」

 

 ゼロ…ルルーシュは、最悪、ギアスを使うことも考え、問いかける。

 

「人聞きの悪いことをいってくれるね。私は、今の世界が退屈だった。
 今では感謝しているよ。この世界につれてきてもらったことを…」

 

 ラクシャータは、常に持っているキセルを手で回しながら答える。

 

「俺が、お前達を裏切ったということを知ってもか?」

 

 ラクシャータのまわしていたキセルが止まる。

 

「…扇は、ギアスで私達が操られている可能性があるといって、あなたを追い出した。
 けど、もし私がギアスを持って命令が下せるとしたら…」

 

 止めたキセルをゼロに向けるラクシャータ。

 

「私は、そんな途中で裏切るような、間抜けなことを命令するつもりはない。
 結論…あなたは私達にはギアスを使っていない…私が面白いと思ったゼロであるなら」

 

 ラクシャータの鋭い眼光にゼロの仮面を被るルルーシュは、息を呑む。
 やはり、ただの科学者ではない。
 普段、何も考えていないように見せて、鋭い洞察力。
 いやこれは科学者として当然持ち得ているものなのか。

 

「…なるほど。その推理から私を信用すると?」
「私は面白ければそれでいいのよ。
 今の世界でやっているナイトメアフレームの、構造から応用した義手義足技術の向上というのも悪くはないんだけど…。
 私はやっぱりこっちが本業でね」
「わかった。以後、お前には引き続き騎士団技術長として、協力してもらおう」
「フフ…とーせん」

 

 ラクシャータは笑みを浮かべながらキセルを吸いつつ、取扱説明書を見て混乱しているステラの元に向かう。

 

「ラクシャータもきていたのか?」

 

 C.C.はオーブの市民にユウナの台詞を聞かせるための通信の拡散を行わせていた。

 

「どういうことなんだ?まさか、このまま扇や玉城、スザクなんかきたりしないだろうな」

 

 元いた世界から、これ以上の人間がやってくるのはまずい。
 あちらの世界に対する影響もある。さらには…自分の行動にも限界が出来てしまうということだ。
 この世界に来てまで裏切られてしまっては面倒だ。
 ただでさえ、カレンにより、行動を限定されているというのに。
 スザクなんか来てみろ、また殺されかねない。

 

「私にも詳しいことはわからない。おそらくは…Cの世界でのことが反映されているとは思うが…」

 

 Cの世界…皇帝シャルルと戦ったときの場所である。

 

「まぁいい。いつかわかることだ…。今はラクシャータがきてくれたことを素直に喜ぼう。
 これで連合、いやブルーコスモス、ザフトと対等、それ以上に戦える戦力を持つことができる」
「…オーブの将兵はどうする?いつ来るかわからぬ姫を永遠に待っている頭では、お前の言うことを聞いてくれるかどうか」
「フ…聞いて貰うさ、どうあっても」

 

―――

 

 オーブ首長国連邦はその日をもって解体されることになり、名称をオーブ合集国に変更。
 代表者は市民議会から選出されること、さらにはそれまでの代表者代行を黒の騎士団のゼロにするということが決まる。
 オーブ首長国連邦の首長たちは全員が拘束されることになる。
 そして首長たちは、ユウナ・ロマ・セイランを含め国家反逆罪として表上は裁判にかけられることになる。
 合集国オーブは軍隊を放棄し、黒の騎士団に軍事力全てをかけることとなった。
 それこそ本来あるべき、平和的国家であるオーブの姿。
 軍事力はすべてを騎士団が保有し、何かあった場合は、承認を得て行使する。
 オーブ軍の中からは反対の声もあがったが、国民感情を恐れ大きく声を出すことは出来ない。
 結果…オーブ軍は、その名前を無くし…『黒の騎士団』として名前を変えることとなったのである。
 そして、さらにはオーブ合集国が議長として、ザフト・ブルーコスモスに対して、テレビ生中継による首脳会談を開催するよう、通達する。
 国民には戦争の早期解決における、説得という題目で行われる。

 

「…こんな、こんなことが!」

 

 アークエンジェル内において、艦橋の画面で、その相次ぐ発表を聞き、カガリは立ち上がり、絶叫する。
 自分のいたオーブが…乗っ取られた。
 ユウナはオーブの人間だ、まだいい…だが、この黒の騎士団というものはその存在さえ、全く不明のもの。
 それを、それを受け入れてしまったというのか…オーブの民は。
 カガリはふらついて、倒れそうになる。それを支えるキラ。

 

「カガリ!」
「すまない…キラ。私は、私は…オーブに、オーブに戻らないと」
「…マリューさん」

 

 艦長であるマリュー・ラミアスは頷く。

 

「本艦は、これより、進路をオーブに向けて出向する!」

 

 キラは、ベルリンで感じた嫌な予感がいよいよ現実を帯び始めてきたことを感じていた。
 今まで見えなかった存在。ザフト、ブルーコスモス双方を凌駕する存在になるかもしれない。
 キラは、嗚咽を漏らすカガリを支えながら、一刻も早くオーブに向かわなくてはいけないと感じていた。

 

―――

 

 アークエンジェルが動き始めた頃…、オーブでも、二つの国家におけるメッセージの返事が待たれていた。

 

「ルルーシュ?こんな話に、戦争している国が乗ってくるの?」

 

 カレンはメッセージを送った後、ユウナの邸宅を改造した騎士団の施設として利用している家で問いかける。
 普段はゼロが絶対というだけあり、こういう場所でしか聞くことが出来ないのである。

 

「乗ってくる。新政権が誕生したんだ。ブルーコスモスは同盟の継続を求めて…ザフトはこれを機にして地球圏の足がかりとして…。
 オーブという国を利用しようとするだろう」

 

 そう…戦争解決というのは、名ばかり。
 これは双方の考え方、そしてどちらが国家的に優れているかを見定めることに繋がるのだ。
 さらには…新しいオーブという国の代表者のお披露目の場でもあり、この二つの国家を動かすことが出きるという力を世に示すことにもなる。

 

「早速、二つ揃って承諾のメッセージがきたぞ…」
「そういうことだ…。いずれは戦わなくてはいけない相手…顔を見ておくのも悪くはない。それに上手く行けば…ここで一気に俺達に世論が向くことになる。」

 

 こうして、誰もが注目する首脳会談が行われることとなったのである。
 この日だけは双方の戦争が一時的に中断され、全世界の人が、この放送を見ることとなった。

 

―――

 

 ミネルバでも、この首脳会談が行われるに当たってアスラン、シン、レイ、ルナマリアたちが艦橋に集まり、画面を食い入るように見つめる。
 オーブ政変から三日目の出来事である。

 

「オーブが…なんで」

 

 シンは吐き捨てるように言う。
 オーブを焼くのなら自分の手で、そう思っていたシンにとって、寝耳に水の出来事であった。
 そして、その新たなる指導者が現れようとしている…それは自分に成り代わりオーブを撃ったものでもあるのだ。
 自然と手に力が入る。

 

「…」

 

 それはアスランにとってもそうだ。
 かつていた国。カガリが自分の理想を叶えようとした国…自分が、居場所として見つけた国。
 それが…変わってしまったというのか。
 そんな2人の動揺を心配するルナマリア。
 そして2人以上にこの、首脳会談の先を知っているレイ…。

 

「通信、来ます!」

 

 メイリンの言葉に、緊張が走る。
 そこで画面に現れるもの…。黒き仮面を被った異質な存在…。
 オーブを破壊し、新たに作り上げた存在…。

 

『全世界の皆さん、我が名はゼロ。
 オーブ合集国の代表代行、黒の騎士団の代表者として、この会議の議長となった。
 私はこの世界の平和を求め、ブルーコスモス、そしてザフト双方に話し合いの解決を求めるために、この場をつくった。
 まずは、この話し合いに参加してくれることに同意してくれた、双方に感謝する』
「ゼロ…その存在が無いという意味か…」

 

 レイは鋭い視線で画面にうつるゼロを見る。

 

『では、早速、主賓を呼ばせてもらおう』

 

 画面に映る、ギルバート・デュランダル…。

 

『…プラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダルです。
 本日はオーブ代表者である、ゼロ…でいいのかな。彼に呼ばれこの和平としての交渉に参加させていただくこととなった。
 どのような形であれ、何らかの進展があることを期待する』
「…」

 

 タリアは、デュランダルが遠い存在になってしまった気分になりながらも、今は彼に賭けるしかないという想いを抱き、見つめる。

 

『大西洋連邦大統領…ジョゼフ・コープランドです。
 オーブ代表者ゼロ、そしてデュランダル議長…今日は、よろしくお願いします』

 

 放送を見つめるロード・ジブリールは、飼い猫をさすりながら、
 デュランダル…そして、このゼロという謎の男の真意も探ろうとしていた。

 

『早速だが、大西洋連邦大統領殿、この映像を見て欲しい…』

 

 ゼロは映像を切り替える。そこに映し出されていたのは、巨大なMSがベルリンの街を蹂躙している光景、そして街の人々を一方的に虐殺している姿である。

 

『大西洋連合は…このようなことを行う組織であると私は、見てしまうわけだが…どうお思いか?』

 

 ゼロが見せた映像と言葉…。カレンはこの会談を、ステラに見せず、ラクシャータに身体検査で移動させていた意味をここで知った。

 

『ゼロ、君も知っているだろう。
 彼ら…ザフトによって、これ以前のユニウスセブンの落下で我らの地球は大規模な傷を受けた。
 我々はあれを忘れはしない』
『それはテロであると、説明をしたが…』
『証拠がどこにある』

 

 デュランダルの言葉にも、コープランドは、少し戸惑いながらも答える。

 

『互いが、互いのものを受け入れなければ…戦争は拡大し、悲劇を繰り返す。
 私はそれを止めたい…私はそれだけをずっと考えてきている。』

 

 ゼロに対してデュランダルは冷静に告げ、新しい映像を映し出す。
 それはデストロイを打ち倒す、インパルスの姿だ。
 だが…これは本当ではない。デストロイを倒したのは…アークエンジェルという別の組織のもの。

 

「…僕達の存在を打ち消した?!」

 

 キラは、その映像に…思わず声が漏れた。
 それはゼロ=ルルーシュも同じだ。
 自分が用意させ流した虐殺の映像と、同じときの映像を用意し、
 さらには改変…あたかも自分たちが、この虐殺を止めたというように見せている。

 

『…ゼロ、コープランド大統領。
 そして、この映像を世界中で見ている皆さん、私は、ずっと考えていた。
 なぜ、戦争は起きるのかと、どうして人は戦争をやめることができないのかと。
 こうして話し合いをすることは人としてなら当然できることなのです。
 答えは…この戦争を利益としている存在がいるということ…、私達が最も倒さなくてはいけない、ものたちがいるということなのです!』
 

 

 画面を見つめていたロード・ジブリールは立ち上がり、デュランダルが映し出される、画面を睨みつける。

 

『その名前は死の商人…軍需産業複合体ロゴス!彼らこそがこの戦争を裏から操っている存在…』

 
 

 そのデュランダルの言葉は、世界中に伝わっていた。

 

(くっ!!)

 

 ルルーシュはここで、完全にやられたと感じた。
 自分が行おうとしていたことが、裏目にでたのである。
 本来ならば、この会議で連合、ザフト双方を糾弾することで自分たちにこそ正義があるともって行くつもりであった。
 だが、それがデュランダルにより先に手を打たれたのであった。
 悲劇を繰り返す戦争の真の黒幕と位置づけられてば、
 今まで連合軍・ザフト双方に向けられていた憎悪が一気にここに集中することとなる。
 そこで世界はひとつになるだろう。
 そして、その世界を手中に収めようとするのが…、デュランダルに他ならない。

 

(ギルバート・デュランダル…、この俺を利用するとは…やってくれる!!)

 

『さぁ、皆さん!今こそ立ち上がるときなのです。
 私達の悲劇を利益とし、身を隠していたものたちを…今こそ断罪すべきなのです!
 ロゴスこそが、私たちの戦わなくてはいけない…真の敵なのです!』

 
 

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