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code geass-sca第01話

Last-modified: 2008-12-22 (月) 00:46:09

 急に起きたせいで体に激痛が走ったが、そんな事を気にしているシンではなかった。
 咲夜子から電話が置いてある部屋を聞き、逃げ込むかのように入った。

 

「もしもし・・・」
“やあ、君がシン・アスカかい? デスティニーのパイロット”
「ああ、そうだ。『フリーダム』・・・。キラ・ヤマトか?」
“そうだよ。シン・アスカ”

 

 間違いない。ステラを奪った、憎むべき『敵』。
 MSフリーダムを手足のように扱い、戦場を引っかき回した。
 自分から、大切なものを奪い取っていった、白い悪魔。
 ――こいつさえいれば、ハイネは、ステラは・・・・・・。

 

“私情は後にしてくれないかな。君は今どういう立場なのか・・・全く理解してない状況でしょ?” 
「・・・・・・」
“聞いて驚くかもしれないけど、率直に言うね。――おっと、その前に”
「なんだ、早くしろ」
“周りに人はいない? そして大きな声は立てないこと。僕が言うことには必ず従うこと。――いいね?”

 

 念押しするように『フリーダム』――キラ・ヤマトは言う。
 面識はないが、アスラン・ザラが言うには、キラ・ヤマトは敵ではない――到底信じられないが。
 レイの話では、『最強のコーディネーター』らしい。
 MSを腕や足、武装やカメラを狙いコックピットを絶対に狙わず、戦場に出ていることを考えていない。
 MSが手足をもがれ、バーニアをやられたら。そいつが待っているのはいづれ迫ってくる“死”だけだ。
 それらから考えれるのは一つ。
 『フリーダム』のパイロット・・・キラ・ヤマトは《甘い男》なのだろう。決して《優しい》わけではない。
 だが、そんなことはどうでもいい。今の自分には何もわからないのだから、『フリーダム』の言うことに従っていくしかないのだ。

 

「わかった。――人はいないし、心の準備もできてる。癪だが・・・アンタの言うことにも従ってやる」
“了解。それじゃあ言うけど・・・ここは僕たちの居た世界じゃない。コズミック・イラとかそんな時代のことではなく、世界がまるで違うんだ”
「世界が違う・・・・・・?」
“そ。だから僕たちの常識とは全く違うから、そこのところはよろしく”

 

 ここはコズミックイラではない・・・。
 イレブンとかブリタニアとか、わからない単語を聞かされた時から薄々そんな気はしていたが・・・まさか本当に自分の知らない世界だとは。
 シンはやれやれとため息をつく。

 

“おや、もっとびっくりすると思ったんだけど・・・案外呑み込みが早いね”
「別に、実感があまりないだけさ。――俺はどうすればいい?」
“それは君が考えることじゃないかな。――とはいっても何も分かっていない君にそれは酷かな”
「もったいぶらずに答えろ。まずアンタは今どこにいる?」
“神聖ブリタニア帝国・・・。まぁ、僕たちの世界で言うイギリスのラテン語名の俗称だけどね『ブリタニア』は。
 簡単に言うとブリタニア大陸、ああ、要するにアメリカ大陸の帝都ペンドラゴンに今いるよ”
「アンタどうして俺がここにいることを知ったんだ?」
“まぁ、この世界でも僕はある程度の権力があるんだよ、チョチョイとね。それに、君とさっき話したルルーシュ君はブリタニア帝国の元皇子だしね。ちょっとしたマークはあるから、君の所在をつかむのにそんなに時間はかからなかったよ”
「元皇子?」
“うん。彼の本名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。それにナナリーもそんな感じ。もう縁は切れてるみたい。
 今のブリタニア皇帝陛下、第98代シャルル・ジ・ブリタニアの息子だよ、彼は。息子娘はいっぱいこの世界にいるみたいだけどね”
「ふぅん・・・。まぁ、ルルーシュ・ランぺルージの話はもういい。さっき、イレブンかブリタニア人かどうか聞かれたんだが」
“もう聞かれたの!? 思ったより早いなぁ・・・”

 

 キラはびっくりしたように答える。

 

「一応、まだ何にも答えてないが」
“あ、そうなの? よかった。シン、絶対ブリタニア人と答えてよ。名前からしても日本人っぽいけど生まれはブリタニアだって絶対に言うんだよ?”
「わかったわかった。そんなに念押しするな。わかったから」
“エリア11はブリタニアの植民地でね。イレブンといわれている日本人に人権とか身分はないに等しいし、差別もいっぱいあるから”
「・・・了解」
“まぁ何とかして三日間その家で頑張って。三日後に君に会いに行くから”
「どこで待てばいい?」
“うーん。君が今いるのは学園だからね・・・。まぁ校門の入り口に夜の12時にて。それじゃ”

 

 ガチャリと音をたてて受話器を置いた。
 まさか、自分は異世界にいるなんて。

 

「――――悩んでいてもしょうがないか」

 

 シンは雑談の笑い声――ナナリーの澄んだ声が聞こえる部屋に向かうことにした。

 

「長かったな。誰だったんだ?」

 

 ルルーシュは腕を組みながらシンに問いかけた。

 

「昔の知り合いだよ。・・・なぁ、ルルーシュ」
「なんだ?」
「折り入って頼みがあるんだが・・・少しの間、俺をこの家に泊まらしてくれないか? 三日間でいいから」
「何・・・?」

 

 ルルーシュの方が少しこわばったように見えた。もしかしたら、警戒されているのかもしれない。
 彼はキラ・ヤマトの話では元皇子。どこかの刺客かと思われているかもしれない。
 だからと言って、シンがルルーシュが元皇子だと知っていることを悟られるわけにもいかないので、何と言えば警戒されないようにできるかさえわからない。 
 別に、ルルーシュに何をするわけでもないのに手に汗を握ってしまう。
 そんな二秒間にも満たない窮地を脱してくれたのはナナリーだった。

 

「いいじゃありませんか、お兄様。咲夜子さんも別にかまいませんよね?」
「ええ、もちろんです。ナナリー様」

 

 女性陣の声には流石のルルーシュも逆らえなかった。

 

「ナナリーも・・・咲夜子さんまで・・・。やれやれ。シン、泊っていくのは別にかまわないが・・・・・・」
「・・・何だ?」

 

 ルルーシュはシンに近寄り口をシンの耳元まで近づける。

 

「ナナリーに手を出すなよ?」
「・・・・・・」

 

 シンは彼が元皇子うんぬん、というより《シスコン》だということがわかった。