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Last-modified: 2009-01-23 (金) 19:17:30
 

 アーモリー・ワン襲撃から端を発し、ユニウスセブン落下事件などを経て始まった地球連合軍(ブルーコスモス)とザフトの戦争は、強制力(ギアス)を持った《歌姫の騎士団》を率いるラクス・クラインの計画によって起こされたものであった。
 これに対抗し、軍需産業ロゴスをその手中に収め、オーブ軍をも吸収した《黒の騎士団》首領・ゼロ=ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは、これを打倒。
 ラクス・クラインは、歴史の裏に葬られ……
 彼女の替え玉としてミーア・キャンベルが『ラクス・クライン』として、歴史の表舞台にたつこととなった。

 
 

 だが、この真実は一部のものしか知ることはない。
 実際の表の歴史では、『ゼロ率いる黒の騎士団が様々な人間を洗脳し攻撃を仕掛け、ラクス・クラインがこれを打ち倒した』ということとなった。
 正しい歴史が、必ずやいい結果をもたらすことではない。
 嘘、偽りは……様々な面において、時として必要なのだ。

 
 

 それと同じく……ラクス・クラインもまた、真実を隠された姫である。
 ルルーシュがC.E.から戦争を廃絶した以前、ひとつの大きな戦争が行なわれた。
 それはヤキン・ドゥーエ戦役と呼ばれた壮絶な戦いであった。
 このとき、ラクス・クラインは戦争を平定する筆頭となり、指揮者として戦乱の中心となり戦ってきた。
 その時のラクス・クラインは決して戦いを求めた狂姫ではなかった。

 
 

 真実は時として隠される。
 だが、真実は現実として存在する。
 この相反する二つは、どちらも正しく、どちらも間違っているといえよう。
 だからこそ、それを判断するのは、その人自身である。
 ルルーシュは世界を正しき方向に、神と称される集合無意識の願いの元、
 ギアスにおいて世界の明日が来ないことを止めた。
 ならば、ラクス・クラインは何を成したのか……

 
 

 《Cの世界》には、それを示した絵画が存在する。
 ラクス・クラインと1人の白き騎士の姿とともに………

 
 
 

     コードギアスSEED ・ プロローグ 白き旋風

 
 
 

「キラァぁああああ!!」
「アァずらぁああん!!」

 

 豪雨の中、MSストライクとイージスの激闘が繰り広げられる。既に両者は周りが見えなくなっている。
 それこそは戦争の悲劇。
 ストライクに乗るキラ・ヤマトは友人であるトール・ケーニッヒをイージスに乗るアスラン・ザラによって殺された。
 そしてストライクに乗るキラは、アスランの友人であるニコル・アマルフィを殺害している。
 戦争は相手の命を奪うもの……
 特機に乗っていたキラ・ヤマトには、その人間の具体的な死というのが、よくわからなかったのかもしれない。

 

「お前が!お前がニコルを殺したぁああ!!」

 

 イージスは変形してMA形態となり、ストライクをその腕で機体を捕獲。
 中央にある高出力のエネルギー砲にてストライクを倒そうとする。
 だが、激戦の果てにエネルギーを使いすぎたため、イージスの内部のエネルギーが尽きた。
 機体の動きが止まる中、キラはチャンスとばかりに掴まれていたイージスを離そうと動き出す。
 これは千載一遇のチャンス……
 アスランもまた、イージスに取り付けられている自爆装置のスイッチを入れる。
 復讐。
 そう、キラは自分の友人を殺した。
 ならば、その罪は……命を持って償わなければならない。
 アスランはコクピットハッチをあけると、そこから飛び出す。
 黒い雲から雨が降り続ける中、アスランは、距離をとる。
 イージスの爆破スイッチが起動。
 ストライクを巻き込み、イージスは爆散する。

 

 炎と、黒い煙が立ち上る中、アスランは、その場から走って逃げていく。
 現実とも悪夢ともつかない、曖昧な感覚で、自分はキラを殺したという、虚無感だけが頭を支配していた。

 

 アークエンジェルはキラとトールをMIAとして判断、戦線を離脱することとなった。
 それはザフトの追撃部隊が迫っていることもあったからである。
 艦長のマリュー・ラミアスにしてみれば、それは仕方が無い判断であった。

 

 ▽ ▲ ▽

 

 雨の振る中、炎はいまだに燃え続けている。

 

 ここで、本来の歴史では見えない隠された部分が現れる。
 …1人の青年と、それよりかは少し年のいった男性が、意識を失っているキラを担いでMSから救出していた。
 本来なら動かすべきではないかもしれないが、あのままというわけにもいかない。

 

「協力、感謝します」

 

 白いパイロットスーツを着た青年は、その落ち着いた風貌の男…マルキオに告げる。

 

「……君や、この子のような若い勇敢な未来を担うべき青年が戦場に駆り出され、死んでいくのは……嘆かわしいことです」

 

 マルキオの言葉に青年は首を横に振り

 

「この世界にいる以上は、誰もが当事者であり、他人事であってはいけない。それは大人であれ、子供であれ同じことです」

 

 青年は強く、そう言う。
 その青年の瞳は既に、多くのことを経験しているかのような目をしていた。
 マルキオは、彼ともう少し話をしていたかったが、青年にかかってきたコールでそれは中断される。

 

『スザク君、南西から連合軍の部隊がこちらに向かっています。接触まで0010。任務遂行を優先し、迎撃の許可を与えます』
「イエス・マイロード」

 

 茶色い髪の毛を雨に濡らしながら、青年――柩木スザクは既にその言葉の意味がなくなっているにもかかわらず、返答はいつもとかわらない。
 マルキオにキラを託し、スザクは岩肌を駆け下りていく。
 戦いは…その世界におけるものたち全てが当事者。
 戦争の責任は、誰もが持っているという……。
 誰かの責任として押し付けあった結果がこれだとするならば、自分もやるべきことをやらなくてはいけないのだろう…。
 それは、彼も同じなのだ。

 

 岩肌を駆け下りたスザクの前に膝をつき隠れて置かれているスザクの新たな機体。
 そこに待っているのは青い髪をしたセシル・クルーミーである。
 スザクは、調整を終了させ、コクピットからでてきた彼女に挨拶だけすると機体に乗り込む。
 乗り込んだスザクは、起動キーをかける。機体の内部が輝き、画面が開かれる。

 

『ランスロット・トラファルガー……発進』
「ランスロット・トラファルガー、出撃!!」

 

 スザクの声と供に、ランスロットは空に舞上がると、一気に近づいてくる連合軍の航空部隊に接近する。
 周辺の部隊に気づかれないため、遠距離砲撃などは使えない。
 また航空機を撃墜し爆破させるのも好ましくは無い。

 

『…敵は、戦闘機。羽を破壊し戦闘不能に持ち込んでください』

 

 セシルの指示の元、ランスロットの腕から伸びたワイヤーが、敵の戦闘機を次々と海に落としていく。
 敵は反撃もままならぬまま、撃墜されていく。
 その強さはまさに鬼神のごとく。
 状況を報告するため、逃げ出す戦闘機。
 だが、スザクはそれを逃さない。
 トラファルガーのフロートシステム、さらには、エナジーウィングは、C.E.の技術を用い高性能化している。
 瞬時に先回りし、ワイヤーで撃墜する。
 その戦闘時間は、僅か一分にも満たない。

 

「ランスロット・トラファルガー…状況を終了」
『了解。至急島から撤収する』

 

 セシルは、ランスロットの新型の起動実験もかねたこの、戦闘に満足した結果を持っていた。
 できることなら対ナイトメア戦闘で見てみたいところだが、ここは、そういった場所ではない。
 それに……こんな異世界にきてまで戦闘に明け暮れることなど出来ない。
 なるべくなら早くもとの世界に戻らなくてはいけないのだから。

 

「……ロイドさん、トラファルガーの戦闘は問題はありません。ただ、やはりエナジーウィングのこれ以上の増加は機体がもたないと思います」
『そうかい。残念だね~…… まぁ、ここにはラクシャータや紅蓮もいないようだし、とりあえずは、これで十分かな。スザク君からの報告は、こっちに戻ってきてから報告を貰うよ。お姫様も、待っていることだし』
「はい、わかりました。失礼します」

 

 セシルがそんな報告をしている中、ランスロットが戻ってきていた。
 セシルは降り立つスザクの元にと向かう。

 

「スザク君、お疲れ様。すぐに島から離脱して、彼をコロニーまで移送するわ」
「わかりました。急ぎましょう。おそらく敵の部隊はすぐに着ます」

 

 ▽ ▲ ▽

 

 スザクとセシルが敵を迎撃、殲滅を終了したことを聞いたロイドは、通信を終え、振り返る。
 そこには心配そうな表情を浮かべるものがいた。

 

「安心してくださいお姫様。彼は無事ですよ」
「そうですか!良かった…スザクは無事なのですね」

 

 花園の庭園の中、その白いドレスを身にまとう、コーディネイターのアイドルである、ラクス・クラインは、
 先ほどの心配していた表情から一変し、笑顔でその報告を聞いた。

 
 

 C.E.71、ヤキン・ドゥーエ戦役。
 ルルーシュがこの世界を訪れる前、真実を隠された、1人の騎士と1人の姫の悲劇の戦いが、始まろうとしていた。

 
 

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